男女比世界は大変らしい。（ただしイケメンに限る）

第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第74話 まずは一手 （２）

うん、卒業してから大して経ってないのにやたら懐かしい。
本日は桜町小学校からお送りしております、俺です。

んでなんでここに来たかと言いますと、校長先生に会いに来たわけですよ。
”桜町小学校の軌跡”
これいつの間にか全国的なニュースになってました。
日曜日にたまたま国営放送の「時代の先駆者たち」を見ていたら”教育者達の闘い、桜町小学校の軌跡－走り抜けた六年間－”ってのがやってて、校長先生がインタビューに答えてんの。
口からご飯噴き出してマイマザーにめっさ怒られた。

その番組を見て思い出したのが、鬼ごっこを始めた頃、何で不登校児童が登校し始めたのか。番組ではSNSで子供たちが元気に走り回る様子を発信し、各家庭の保護者や本人に見てもらったのが切っ掛けだったってやってたんですよね。
これって使えない？
そこで校長先生に連絡して、当時の資料やらなんやらをお借りしに来たって訳です。
忙しい校長先生にどうやって連絡したのかって？　
わたくし、木村菜々子校長とはメル友ですのよ。
何と言っても、プライベートで熱砂スパランドに行った仲ですし、駄菓子屋のおばちゃんと三人でご飯食べに行ったりしてますし。（どや顔）
権力者のお友達、大好きです♪

「校長先生、お忙しいところ申し訳ありません。」
「あ、佐々木君。こうやって学校で会うのは久しぶりね。中学校はどう？色々大変じゃない？」
「えぇ、まぁ、桜町小OBの先輩たちも良くしてくれますんで、何とかやってます。」
「そう、それは良かったわ。まぁ座って、今お茶を入れるから。」

校長先生以前にもまして顔色良くなったな～。
一時期は死にそうな顔してたからな、今の方が取材やらなんかで忙しいと思うのにこの違い。
よほど俺たちの代が迷惑かけたんだよな、反省しないと。

「校長先生もお元気そうで何よりです。それで今日お時間をいただいたのは、中学校での不登校児童の事について何ですが…。」
「まぁ、あなたって人は本当に…。相変わらずおせっかい焼きなのね。
そういう所、変わってなくて嬉しいけど、あまり無理はしないでね？周りの大人もちゃんと頼って、一人で抱え込んじゃ駄目よ？」

校長先生すごくいい人。本当にこちらの事考えてくれるし、話していても落ち着くし、俺この人好きだわ～。

「はい、ありがとうございます。それで以前こちらで”鬼ごっこ”の動画をSNSで発信した事が有ったじゃないですか、今回それを中学校でも行おうと思いまして、それに関する動画や資料が有ればお借り出来ないかと思いまして。」
「えぇ、昨日メールで簡単な話は伺っていたから、こちらに用意してあるわ。
全部コピーを取ったものだから自由に使ってもらって構わないわよ。でも保護者からの感謝の手紙とかもあるから、こちらはしっかり管理してね。重要なものは分かりやすい様に別ファイルにして入れてあるからよろしくね♪」

うゎ、すげぇ。こちらで欲しかったものが全部用意してあるし。さすが苦労人、出来る女は違うわ。

「はい、確かにお預かりしました。こちらの資料をどの様に使ったかは、後ほど結果報告と言う形でお知らせしますので楽しみにしていてください。
面白い事になりますから。」
「こら、佐々木君。なんか悪い顔してるわよ？
でもあなたの事だから期待しちゃうかも、頑張ってね♪」

うし、気合入ってきた！
いっちょかましたりますか。