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第一章 男女比世界へようこそ

第26話 転校生 テイク2 (保護者同伴)(2)

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「今日は朝から俺のためにわざわざ集まって貰って済まない。
改めて自己紹介をさせてほしい。
これから君たちのクラスでお世話になる”木村英雄”だ。
卒業までの一年間、共に学び研鑽していけたらと思う。
どうぞよろしく。」


「「・・・・・・?」」

え~っと、誰?
いや、知ってるよ?連休中にプールで見たし。
”ワンパン木村“が”俺様イケメン王子”にクラスチェンジしてる所、しっかり目撃してるし。
でもさ、面と向かって対峙すると差異が半端ないわけですよ。
クラスの男子たちなんか”え、あれ誰?ワンパン?いや違うって、顔が全然違うじゃん。ワンパンってあの女子に喧嘩売った狂人だよ!?”とか言ってるし。
ねえ君たち、陰口は本人のいない所でしようね、がっつり聞こえてるから。校長先生さっきからすごい苦笑いしてるから。

「はじめまして。木村様の専属ナースをしております、西城ひかると申します。本日より木村様のサポートとして皆様のクラスにお邪魔させていただくことになりました。ご迷惑かと存じますが、なにとぞよろしくお願いいたします。」

うゎ、めちゃくちゃ丁寧。
俺たちただの小学生だよ、そんな木っ端相手にこの態度、メイドさん?異世界転生モノのラノベに出てくる公爵家に仕えるメイドって、こんな感じじゃなかった?
で、ナースって、木村君完治したから退院したんじゃなかったの?まだ経過観察中なの?想像以上に大変なことになってない?
でも当たり前だけどナース服は着ないのね、ポロシャツにジャージのズボンって動きやすさ重視みたいな?
首から身分証下げてるけど、どう見ても老人ホームのヘルパーさんにしか見えない。
木村君、介護されちゃってるのか~。(遠い目)

「みなさんこんにちは。私の名前は木村紗枝、英雄ちゃんのお母さんよ。
英雄ちゃんが倒れた時、みんなが英雄ちゃんを保健室に運んでくれたんですってね。
あの時は本当にありがとう。本当は、うちの娘たちも直接お礼を言うって言ってたんだけど、英雄ちゃんが迷惑になるからって言うから代表して私がお礼を言わせていただいたの。家族一同心から感謝しているわ。
改めて言わせて、本当にありがとうございました。

あれからうちの英雄ちゃんてすごく変わったのよ。
最初こそ私たち家族にまで怯えたりしてとてもショックだったんだけど、そんなつらい状況なのに私たちの事気遣ってくれたり。それにね、私の事を”母さん”って呼んでくれたの~♪
それでね………


(30分経過)


なのよ~。かわいいと思わない?
だって”母さん、あまりくっ付かないでくれるか。うれしいんだが、照れる…。”なんて言うのよ。もう私嬉しくって~。思わずぎゅって抱き着いちゃったわよ。
それでね…」


「母さん、話の途中でごめん。俺たちもそろそろ教室に行かないといけないから、その話はまた今度でお願い。」

「あら、ごめんなさい!?お母さんついつい話し込んじゃって。
それじゃあ、みなさん。英雄ちゃんの事、よろしくお願いしますね。」

だ~~~~~~~~~~~~~っ!!
やっと解放されたー!
ほんと長なげーわ、校長先生笑顔のまんま固まってたぞ、アルカイックスマイルになってたぞ、悟り開いて解脱するところだったぞ。
クラスの男子泣いちゃってるじゃん!
涙がツーッじゃなっくて幼稚園児のガン泣きじゃん。幼児後退しちゃってんじゃん。
おばさん、”みんな私の話に感動してくれたのね、なんていい子たちなんでしょう♪”じゃないからね?感動じゃなくて悲痛の涙だからね!?
おばさんの話ってある意味精神的な拷問だからね!

「では木村君はクラスのみんなと一緒に教室に向かってください。先生はこの後お母さんとお話がありますから。
西城さん、あなたは木村君たちの教室での見守りをお願いします。クラスの女子生徒には担任より話が行っています。
放課後、校長室にて今日の様子を報告してください。」

この校長、話し流しやがった。え、こいつらどうすんのさ?俺がどうにかするの?
無理無理無理!
木村は”困った連中だ”的な俺様ムーブかましてるし、西城さんは”わたくしメイドですので”みたいな顔してるし、ってあんたナースだろ!

「ではみんな、教室へ向かおうか。西城、案内を頼む。」
「畏まりました。」


木村~~~~~~~~~っ!!
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