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第3話 天邪鬼
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◆ ◆ ◆
また夢を見た。
僕は学校の歴史の教科書で見たことのあるような江戸時代っぽい町の中に一人で立っていた。身長が縮んでいて、小学三年生くらいのときの視線の高さを思い出す。一体、何時なのか、空はかなり明るい。
「兄ちゃん」
――え?
急に横から小さい子に声を掛けられて、僕はびっくりしてしまった。でも、不思議なことに自分の声は出なくて、勝手に身体が動く。
「亜蘭」
そう言いながら僕の視界は自分で動かさなくても隣の子に向く。
そこに居たのは前にも夢で見たことのある金髪、碧眼の小学校低学年くらいの少年だった。着物はまだしっかりとしたものを着ている。
――亜蘭……。
自分が口にした名前から、僕は夢で先生の過去を見ているのだと気が付いた。
「兄ちゃん、お父ちゃんとお母ちゃん待ってるよ?」
「うん、帰ろうな」
僕と小さな亜蘭さんは手を繋いで、長屋と呼ばれる一階建ての家が繋がって並んでいるところに帰ってきた。そのうちの一つに入ると、中には淡い水色の着物を着た金髪、碧眼の男の人と淡い桃色の着物を着た金髪、碧眼の女の人が居た。頭には髷を結っているけれど、男の人は今の天乃先生にとても似ている。
「父ちゃん、またあの話聞かせてよ」
小さな亜蘭さんが、畳にあぐらをかいて座っている男性の膝の上に腰を下ろした。男性は先生と亜蘭さんの父親らしい。亜蘭さんは父親に甘えていて、純粋にとても可愛らしく見えた。
「またか?」
少しカタコトな日本語で父親が笑いながら尋ねる。
「うん! 俺も聞きたい!」
僕の身体も勝手に動いて父親の隣に正座した。変だな、わくわくしてる。
また夢を見た。
僕は学校の歴史の教科書で見たことのあるような江戸時代っぽい町の中に一人で立っていた。身長が縮んでいて、小学三年生くらいのときの視線の高さを思い出す。一体、何時なのか、空はかなり明るい。
「兄ちゃん」
――え?
急に横から小さい子に声を掛けられて、僕はびっくりしてしまった。でも、不思議なことに自分の声は出なくて、勝手に身体が動く。
「亜蘭」
そう言いながら僕の視界は自分で動かさなくても隣の子に向く。
そこに居たのは前にも夢で見たことのある金髪、碧眼の小学校低学年くらいの少年だった。着物はまだしっかりとしたものを着ている。
――亜蘭……。
自分が口にした名前から、僕は夢で先生の過去を見ているのだと気が付いた。
「兄ちゃん、お父ちゃんとお母ちゃん待ってるよ?」
「うん、帰ろうな」
僕と小さな亜蘭さんは手を繋いで、長屋と呼ばれる一階建ての家が繋がって並んでいるところに帰ってきた。そのうちの一つに入ると、中には淡い水色の着物を着た金髪、碧眼の男の人と淡い桃色の着物を着た金髪、碧眼の女の人が居た。頭には髷を結っているけれど、男の人は今の天乃先生にとても似ている。
「父ちゃん、またあの話聞かせてよ」
小さな亜蘭さんが、畳にあぐらをかいて座っている男性の膝の上に腰を下ろした。男性は先生と亜蘭さんの父親らしい。亜蘭さんは父親に甘えていて、純粋にとても可愛らしく見えた。
「またか?」
少しカタコトな日本語で父親が笑いながら尋ねる。
「うん! 俺も聞きたい!」
僕の身体も勝手に動いて父親の隣に正座した。変だな、わくわくしてる。
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