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第3話 天邪鬼
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「だって、眠ってるから何も覚えてないって言っても子供たちが山に入って怪我をするかもしれないし、それが大怪我だったら大変だし、同じ現象がずっと続いたらこの旅館の評判も落ちてしまうだろうし……」
「新海くん、君、すごく優しい子だね」
わしゃわしゃと透キヨさんが嬉しそうに僕の髪を手で乱した。
「おい、透キヨ」
「先生、僕の気持ちは変わりません。でも、先生と透キヨさんは僕を守ってくれますよね?」
「「約束する」」
息がぴったりで二人の声が重なって聞こえた。
「じゃあ、行きましょう」
そう言って、僕は二人がいつもするように窓から旅館の部屋を抜け出した。怖いはずなのに、なんだかちょっとだけわくわくした。
旅館の裏手からまっすぐ進んで、山に近付く。いつも先生たちは獣道ではなく、大きく開けた道を見張っているらしい。
その理由はいつ見ても子供たちに傷一つ付いていなかったから、だそうだ。獣道を通れば、木の枝などで必ず腕や足に擦り傷や切り傷が付く。
「ここですよね?」
先生たちがいつも見張っているという道に入ってみた。暗くて、ライトがないと僕にはよく見えない。でも、先生に手を引かれ、なんとか歩くことが出来ている。ライトを点けない理由は、単純に自分たちにはライトが必要ないから、というから驚きだ。
「あれ?」
道を少し進んだところで僕の足が止まる。不思議なことに暗闇に浮かび上がる赤い着物の少女が見えたのだ。池を覗き込んでいたあの女の子だ。
「新海くん、君、すごく優しい子だね」
わしゃわしゃと透キヨさんが嬉しそうに僕の髪を手で乱した。
「おい、透キヨ」
「先生、僕の気持ちは変わりません。でも、先生と透キヨさんは僕を守ってくれますよね?」
「「約束する」」
息がぴったりで二人の声が重なって聞こえた。
「じゃあ、行きましょう」
そう言って、僕は二人がいつもするように窓から旅館の部屋を抜け出した。怖いはずなのに、なんだかちょっとだけわくわくした。
旅館の裏手からまっすぐ進んで、山に近付く。いつも先生たちは獣道ではなく、大きく開けた道を見張っているらしい。
その理由はいつ見ても子供たちに傷一つ付いていなかったから、だそうだ。獣道を通れば、木の枝などで必ず腕や足に擦り傷や切り傷が付く。
「ここですよね?」
先生たちがいつも見張っているという道に入ってみた。暗くて、ライトがないと僕にはよく見えない。でも、先生に手を引かれ、なんとか歩くことが出来ている。ライトを点けない理由は、単純に自分たちにはライトが必要ないから、というから驚きだ。
「あれ?」
道を少し進んだところで僕の足が止まる。不思議なことに暗闇に浮かび上がる赤い着物の少女が見えたのだ。池を覗き込んでいたあの女の子だ。
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