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第3話 天邪鬼
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「幼稚園に入ったばかりという感じの小さな女の子が一人で外を出歩いていた。しかも眠りながら山の中まで行って帰ってきたらしい。手に何か植物のつるを持っていた。俺たちが山に入っている間には見かけなかったんだがな」
こんくらい、と少女の身長を示すように先生が手でジェスチャーをする。多分、先生が立ったときの膝くらいの高さしかないだろう。あれ? でも、待てよ?
「もしかすると、僕、その子の声聞いたかもしれません。誰かと話をしていました」
昨夜、フロント横で宿題をやっていて、姿は見えなかったけれど僕は小さい女の子が誰かと会話をしていたのを聞いた。まだ小さいからか滑舌が悪くて何をしゃべっているのか分からなかった。だから、そこまで気にしていなかったけれど、今思えば、その子の声しか聞こえていなかったのはおかしい。
「眠りながら会話もしているのか」
先生が興味深そうに言う。女の子は実体のある誰かと話をしていたのか、それとも幽霊的な存在、またはあやかしと話をしていたのだろうか?
「先生、その子、どうなったんですか?」
気になるのはそこだ。
「確保して俺がこっそり部屋に戻しておいたよ」
透キヨさんが「自分がやった」と主張するようにわざわざ消えてみせる。透キヨさんが消えたことによって朝陽が僕たちまで届いてまぶしい。
「無駄に能力を見せびらかすな」
「痛っ」
先生もまぶしかったのか、ただ目覚め時にふざけられて苛立ったのか、勢いよく透キヨさんの頭を叩いていた。僕には姿が見えなかったけれど、再び現れたときに透キヨさんが頭を手で押さえていたから頭を叩かれたんだなと思ったのだ。また騒がしい一日が始まった。
こんくらい、と少女の身長を示すように先生が手でジェスチャーをする。多分、先生が立ったときの膝くらいの高さしかないだろう。あれ? でも、待てよ?
「もしかすると、僕、その子の声聞いたかもしれません。誰かと話をしていました」
昨夜、フロント横で宿題をやっていて、姿は見えなかったけれど僕は小さい女の子が誰かと会話をしていたのを聞いた。まだ小さいからか滑舌が悪くて何をしゃべっているのか分からなかった。だから、そこまで気にしていなかったけれど、今思えば、その子の声しか聞こえていなかったのはおかしい。
「眠りながら会話もしているのか」
先生が興味深そうに言う。女の子は実体のある誰かと話をしていたのか、それとも幽霊的な存在、またはあやかしと話をしていたのだろうか?
「先生、その子、どうなったんですか?」
気になるのはそこだ。
「確保して俺がこっそり部屋に戻しておいたよ」
透キヨさんが「自分がやった」と主張するようにわざわざ消えてみせる。透キヨさんが消えたことによって朝陽が僕たちまで届いてまぶしい。
「無駄に能力を見せびらかすな」
「痛っ」
先生もまぶしかったのか、ただ目覚め時にふざけられて苛立ったのか、勢いよく透キヨさんの頭を叩いていた。僕には姿が見えなかったけれど、再び現れたときに透キヨさんが頭を手で押さえていたから頭を叩かれたんだなと思ったのだ。また騒がしい一日が始まった。
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