天乃ジャック先生は放課後あやかしポリス

純鈍

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第2話 駄菓子化し

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 ――なんだろう?

 僕がそう思ったときには、目の前が真っ白になっていた。光が強すぎて目を開けていられなくて、ギュッと目を閉じる。

「ギャアアアァ!」

 僕が目を閉じるのと同時くらいにノイズまみれの叫び声が聞こえてきた。

「駄菓子化し、現行犯逮捕!」

 透キヨさんの声が聞こえて、頑張って薄目で見てみると、黒い男が真っ白になってアスファルトの上に転がり、透キヨさんに手錠を掛けられていた。どうやら強い光が弱点だったようだ。

「葬送」

 そこに今度は先生が近付いて静かに呟く。すると、駄菓子化しはアスファルトに沈むように消えてしまった。先生、駄菓子屋のおじさんは? と思ったけど、彼は店の前でへたり込んで動かなくなっていた。

「先輩、この男はどうしますか? 人間側のために拘束しておきますか?」
「いいや、今は何も考えていないから放っておけ。どうせ、許可なしで店をやっていたことがバレて、そっちで逮捕される」

 首を横に振って、先生が店の中に入って行こうとしたときだった。

「ジャックさーん、透キヨさーん」

 こちらに向かって遠くから手を振って走ってくる女の子が見えた。

「おお、たぁ子、遅いぞー?」
「すみませーん、迷子になってしまって」

 先生が文句を言うとたぁ子と呼ばれた女の子は近くにきて、本当に申し訳そうな顔をした。彼女の服装は赤のゴスロリみたいな感じで、髪色も服と同じように赤くてとても目立つ。見た目的には黒い瞳がくりっとした高校生くらいに見えるんだけど、あやかしみたいだから本当の年齢は分からない。

「たぁ子ちゃん、下に子供がいっぱい居るんだ。手を貸して」

 透キヨさんが疲れた顔で言う。多分、透キヨさんもたくさん生気を奪われていたんだ。

「あの、足ですけど、良いですか?」

 真面目な顔が下を向くと、スカートの部分がタコの足に変わってにょろにょろと動き始めた。フリルのスカートだと思っていたものは擬態を使ったタコの足だったのだ。
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