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第2話 駄菓子化し
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「ふん、知りませんよ」
ずっと不機嫌な様子で透キヨさんはお皿の乗ったトレーを持って立ち上がり、シューッと透明な姿になった。不思議とトレーまで見えなくなる。
「見えなくなっても俺には位置が分かるぞ?」
「別に顔を見られたくないだけですから。先輩、俺、暫く他のやつと組むんで」
まだ近くから声がしている。
「休日なのに出勤か?」
本当に位置が分かっているのか、先生はある一点を見て話し掛けていた。
「どうせ先輩も休日出勤でしょう? 人間界でも働いて、ほんと働き者ですね」
「金が俺を呼んでるからな」
「発言的には最低ですよね」
吐き捨てるように言って透キヨさんの声は聞こえなくなった。
「はぁ……、まったく」
困ったような顔で先生はため息を吐いた。その足がキッチンの見えるカウンターの方に向いて動き出したので、僕も慌てて後を追う。
先生がトレーを持って、横に流れるように進んでいくので僕は先生に尋ねながら同じ動きをした。
メイド服を着てキッチン側に立った五人の女性が、お皿に盛り付けられたサラダやパンなどを順番に銀のトレーに乗せていってくれるのだけれど、彼女たちの顔がのっぺらぼうで僕は少しびっくりしてしまった。でも、もうあやかしが居るのは当たり前のことなんだ、と思い直して「ありがとうございます」と笑っておいた。
すると、女性たちは照れたのか指をもじもじとさせ、フルーツの入ったヨーグルトをもう一つ僕のトレーに乗せてくれた。
「気に入られたみたいだな」
僕のトレーを見ながら先生は席に座って言った。
「先生、透キヨさんはどうして先生をひとり占めしたいんですか?」
先生の向かいの席に座って尋ねる。
「そう見えたか?」
「はい」
どう見てもさっきの透キヨさんは先生をひとり占めしたい子供みたいだった。
ずっと不機嫌な様子で透キヨさんはお皿の乗ったトレーを持って立ち上がり、シューッと透明な姿になった。不思議とトレーまで見えなくなる。
「見えなくなっても俺には位置が分かるぞ?」
「別に顔を見られたくないだけですから。先輩、俺、暫く他のやつと組むんで」
まだ近くから声がしている。
「休日なのに出勤か?」
本当に位置が分かっているのか、先生はある一点を見て話し掛けていた。
「どうせ先輩も休日出勤でしょう? 人間界でも働いて、ほんと働き者ですね」
「金が俺を呼んでるからな」
「発言的には最低ですよね」
吐き捨てるように言って透キヨさんの声は聞こえなくなった。
「はぁ……、まったく」
困ったような顔で先生はため息を吐いた。その足がキッチンの見えるカウンターの方に向いて動き出したので、僕も慌てて後を追う。
先生がトレーを持って、横に流れるように進んでいくので僕は先生に尋ねながら同じ動きをした。
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すると、女性たちは照れたのか指をもじもじとさせ、フルーツの入ったヨーグルトをもう一つ僕のトレーに乗せてくれた。
「気に入られたみたいだな」
僕のトレーを見ながら先生は席に座って言った。
「先生、透キヨさんはどうして先生をひとり占めしたいんですか?」
先生の向かいの席に座って尋ねる。
「そう見えたか?」
「はい」
どう見てもさっきの透キヨさんは先生をひとり占めしたい子供みたいだった。
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