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第2話 駄菓子化し
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夢を見た。
夕方、金色に光るススキがたくさん風で揺れていて、僕はその真ん中に横向きに倒れている。誰かがススキをかき分けて、僕のことを見つけた。ボロボロな茶色の着物を着て、金色の髪に碧い瞳をした小学校低学年くらいの少年だった。その顔がみるみる恐怖に染まっていき、涙を流し始める。
「……!」
少年が何かを叫んでいたけれど、僕には聞こえず、ただとても眠くなって目を開けていられなくなった……――。
「新海、朝だぞ?」
「……せんせい?」
天乃先生の声で目が覚めた。次第に視界がはっきりしてくる。先生はベッドに横たわる僕のことを上から覗きこんでいた。
「あれ? ここ……」
「忘れたのか? 昨日来ただろう?」
寝起きのぼーっとする頭で先生の顔を見つめながら考えてみる。
「昨日……、あ、そういえば!」
僕は昨日の夜、先生の暮らしているあやかしポリス寮ミスミ荘に来たんだった。
「夜に来て、すぐ寝ちまったからあんまり印象に残らなかったか」
先生はふっと笑って言った。先生の言う通り、昨夜はここに来て部屋に備え付けのシャワーだけを浴びて、眠ってしまったのだ。
「一人にしては広い部屋ですね」
改めて部屋を見回してみるとその広さにびっくりする。赤い絨毯の敷かれた洋風の部屋には、西洋の貴族が使っていたような煌びやかなランプを模した照明器具があったり、真っ白なシーツの敷かれた大きなベッドが二つあったり、と古いけれど上質な家具がそろっているように見えた。ちなみに歩くときはスリッパか土足になる、と聞いた。
「もともと二人部屋で、透キヨと一緒に使ってたんだ」
先生は僕から離れて窓のある方に近付き、濃緑のカーテンを開いた。窓の外は明るいけれど、光る霧のようなもので真っ白で何も見えない。
「え? 良かったんですか? それって透キヨさんを追い出してしまったってことですよね?」
僕が追い出してしまって透キヨさんは怒っているんじゃないか、と不安になる。
夕方、金色に光るススキがたくさん風で揺れていて、僕はその真ん中に横向きに倒れている。誰かがススキをかき分けて、僕のことを見つけた。ボロボロな茶色の着物を着て、金色の髪に碧い瞳をした小学校低学年くらいの少年だった。その顔がみるみる恐怖に染まっていき、涙を流し始める。
「……!」
少年が何かを叫んでいたけれど、僕には聞こえず、ただとても眠くなって目を開けていられなくなった……――。
「新海、朝だぞ?」
「……せんせい?」
天乃先生の声で目が覚めた。次第に視界がはっきりしてくる。先生はベッドに横たわる僕のことを上から覗きこんでいた。
「あれ? ここ……」
「忘れたのか? 昨日来ただろう?」
寝起きのぼーっとする頭で先生の顔を見つめながら考えてみる。
「昨日……、あ、そういえば!」
僕は昨日の夜、先生の暮らしているあやかしポリス寮ミスミ荘に来たんだった。
「夜に来て、すぐ寝ちまったからあんまり印象に残らなかったか」
先生はふっと笑って言った。先生の言う通り、昨夜はここに来て部屋に備え付けのシャワーだけを浴びて、眠ってしまったのだ。
「一人にしては広い部屋ですね」
改めて部屋を見回してみるとその広さにびっくりする。赤い絨毯の敷かれた洋風の部屋には、西洋の貴族が使っていたような煌びやかなランプを模した照明器具があったり、真っ白なシーツの敷かれた大きなベッドが二つあったり、と古いけれど上質な家具がそろっているように見えた。ちなみに歩くときはスリッパか土足になる、と聞いた。
「もともと二人部屋で、透キヨと一緒に使ってたんだ」
先生は僕から離れて窓のある方に近付き、濃緑のカーテンを開いた。窓の外は明るいけれど、光る霧のようなもので真っ白で何も見えない。
「え? 良かったんですか? それって透キヨさんを追い出してしまったってことですよね?」
僕が追い出してしまって透キヨさんは怒っているんじゃないか、と不安になる。
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