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この町の常識
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「今僕らがいる町の区間は東区と呼んでいる場所。ここは基本的にほかの区間に比べて子連れが多いところなんだ。今の時間帯は子供たちが外で遊んでる頃かな~?」
そう彼女が話した後、下の方から明るく無邪気な声が聞こえる。
「おねーちゃんおかえり!!ぱとろーるいってきたのー?」
「そーだよ!今帰ってきたとこ!」
「おねーちゃんあそぼ!いまからあそぼ!!」
「ごめんね~!今日はみんなと遊べないや!明日は必ず遊んであげるから!!」
「やくそくだからねー!!」
「もちろ~ん!!」
「「「ばいばーい!!」」」と子供たちが挨拶してどこかへ走っていった。
『なの……さっき東区って言ったけど、今向かっているのはどこなの?』
「今僕らが向かっているのは中央区。さっきから見えてはいると思うけど、あの大きな塔の下のところまで行くよ」
先ほどから視界には入っていた中世ヨーロッパの時代のような神秘的な建造物の麓まで行くらしい。
「中央区はあの大きな塔と僕らが住んでいる屋敷、それ以外は木々が生い茂っている感じの場所。結論は塔と屋敷以外何もないってとこ。………ほら!みえてきたよ!」
そう言われ、りゅうのすけが指をさしている方を見ると現代ではなかなかお目にかかることのできない立派なお屋敷があった。彼女は屋敷よりも少し手前の門があるところに私を下ろしてくれた。
『ありがとう…ございます。………あの、どうしてここで下したんですか?あのまま玄関前まで行くことができたと思うんですけど……。』
「セキュリティがあってね。登録していない人がこの門のところ以外から侵入したらハチの巣にするように設定してあるものでね。別にスリルを味わいたいなら、今からでも遅くないよ!」
『遠慮しておきます』
「そう?残念!楽しいのに………」
彼女は落ち込んだ声でトボトボ歩いて門をくぐる。私も彼女の後をついていき、きれいに整えられた庭を抜け大きな玄関の前まで来た。
「僕らの家にいらっしゃ~い。さ!入って入って」
『…お邪魔します。』
中に入るとそこは大きなホールのような場所になっていて、一度友達と見たホラー映画の屋敷みたいに薄暗かった。人が住んでいるようには到底見えない。
「ただいま~。ってあれ?まだみんな帰ってきてない感じ?そうかそうか。あいつらの配置からしてここまでは少し時間がいるからな~」
『他の方々も仕事をしていらっしゃるんでしょうか』
「多分!あと前々から思っていたんだけど敬語やめてくんない?堅苦しいのは嫌。だからタメ口でいいよ!てか、タメ口がいい!!」
『えぇっと………………わかった。』
「やった~!!これでもっと仲良くなれるね!」
そういって抱き着いてくる。力が強いのかすごく締められるのでとても苦しい、呼吸で精いっぱいだ。そんな時にどこからかりゅうのすけとは違う小さな女の子の声と何かを引きずる音が聞こえてくる。
「う”~~~りゅうお”姉ちゃん。おかえ”り」
声の方を見ると声の主である子の姿を見て目を疑う。その子は白い羽が生えており天使のような姿かと思いきや羽毛は並びが不規則で天使の輪っかは女の子の顔よりも大きく彼女の顔の半分を隠している。顔は口や目などところどころ溶けていた。先ほどから気になっていた引きずっている音に納得したのと同時に、一番衝撃を受けたのは下半身がなかったからだ。
そう彼女が話した後、下の方から明るく無邪気な声が聞こえる。
「おねーちゃんおかえり!!ぱとろーるいってきたのー?」
「そーだよ!今帰ってきたとこ!」
「おねーちゃんあそぼ!いまからあそぼ!!」
「ごめんね~!今日はみんなと遊べないや!明日は必ず遊んであげるから!!」
「やくそくだからねー!!」
「もちろ~ん!!」
「「「ばいばーい!!」」」と子供たちが挨拶してどこかへ走っていった。
『なの……さっき東区って言ったけど、今向かっているのはどこなの?』
「今僕らが向かっているのは中央区。さっきから見えてはいると思うけど、あの大きな塔の下のところまで行くよ」
先ほどから視界には入っていた中世ヨーロッパの時代のような神秘的な建造物の麓まで行くらしい。
「中央区はあの大きな塔と僕らが住んでいる屋敷、それ以外は木々が生い茂っている感じの場所。結論は塔と屋敷以外何もないってとこ。………ほら!みえてきたよ!」
そう言われ、りゅうのすけが指をさしている方を見ると現代ではなかなかお目にかかることのできない立派なお屋敷があった。彼女は屋敷よりも少し手前の門があるところに私を下ろしてくれた。
『ありがとう…ございます。………あの、どうしてここで下したんですか?あのまま玄関前まで行くことができたと思うんですけど……。』
「セキュリティがあってね。登録していない人がこの門のところ以外から侵入したらハチの巣にするように設定してあるものでね。別にスリルを味わいたいなら、今からでも遅くないよ!」
『遠慮しておきます』
「そう?残念!楽しいのに………」
彼女は落ち込んだ声でトボトボ歩いて門をくぐる。私も彼女の後をついていき、きれいに整えられた庭を抜け大きな玄関の前まで来た。
「僕らの家にいらっしゃ~い。さ!入って入って」
『…お邪魔します。』
中に入るとそこは大きなホールのような場所になっていて、一度友達と見たホラー映画の屋敷みたいに薄暗かった。人が住んでいるようには到底見えない。
「ただいま~。ってあれ?まだみんな帰ってきてない感じ?そうかそうか。あいつらの配置からしてここまでは少し時間がいるからな~」
『他の方々も仕事をしていらっしゃるんでしょうか』
「多分!あと前々から思っていたんだけど敬語やめてくんない?堅苦しいのは嫌。だからタメ口でいいよ!てか、タメ口がいい!!」
『えぇっと………………わかった。』
「やった~!!これでもっと仲良くなれるね!」
そういって抱き着いてくる。力が強いのかすごく締められるのでとても苦しい、呼吸で精いっぱいだ。そんな時にどこからかりゅうのすけとは違う小さな女の子の声と何かを引きずる音が聞こえてくる。
「う”~~~りゅうお”姉ちゃん。おかえ”り」
声の方を見ると声の主である子の姿を見て目を疑う。その子は白い羽が生えており天使のような姿かと思いきや羽毛は並びが不規則で天使の輪っかは女の子の顔よりも大きく彼女の顔の半分を隠している。顔は口や目などところどころ溶けていた。先ほどから気になっていた引きずっている音に納得したのと同時に、一番衝撃を受けたのは下半身がなかったからだ。
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