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第9章 森の騎士団とエルフ
第104話 担ぎ込まれた少年【ユリア(ミリア)視点】
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私の名はユリア・ポーラス。
現在いることろは国防のかなめともいえる場所。
王宮の背後を中心に、国全体を馬蹄形に覆っているドウンケルヒンターの森。
その北の中心部に魔物を狩る騎士が常駐する駐屯騎士団。
隣にはそんな彼らを支えるため、魔物を倒す武器等を研究開発しているハーフェン公爵家が運営する研究所と医療施設。
私はそこで見習い治療師として働きながら学んでいる。
私には過去の記憶がない。
家族全員を魔物に殺され、その恐ろしい体験から記憶喪失になったと聞いた。
だから、自分の名前も覚えてなかったが、ユリア・ポーラスだと周囲の人々が教えてくれた。家族の中でただ一人助かった私は、保護された施設で治療師としての才能を見出され現在研修中。
怪我や病気の治療には、六属性の魔法、それぞれに役割がある。
火ー温める、冬季に遭難したり、氷雪魔法を使う魔物にやられたりした者に使う
水ー患部の洗浄、および、冷やす、発熱している人や、火傷を負った人に使われる
土ー固める、出血のひどい怪我をできだけ早く固めて血を止める
風ーばらす、じくじくした傷口を乾かしたりする
光ー消毒、内科疾患においては悪い個所を透視
闇ー睡眠、手術の際の暗幕、感覚を鈍らせる効果もあるので痛み止めにも使える
治癒魔法というのは、医師の指示に従い適切な属性魔法を施すという段階を超えて、自動的にその患者に必要な属性の治癒効果を与えられるもの。
それを身に着けるには、たくさんの医学知識と経験がなければならない。
もちろん私はまだその域に達していないので、今は医師の診断に従ってふさわしい効果の属性の魔法を、患者となった騎士に施している。
「おーい、こいつの治療頼む!」
やってこられたようだ。
毎日定期的に周辺を見回って魔物を狩る騎士様たち。
回る場所や標的に応じてグループ分けがなされ、複数人で魔物に当たる。
今の季節は新人騎士が多い。
新人さん一人に対し必ず熟練騎士が一人以上ついて討伐に当たる。
腕に覚えのある新人さんが多いが、経験や魔物についての知識が乏しく、引き際を誤って負傷することも多いのだ。
「死なない程度の負傷ならそれも経験になる」
熟練騎士は新米騎士にそう言い聞かせるようだ。
今日担ぎ込まれたのは、見た目は無骨で荒っぽい方が多いこの駐屯地では珍しく、目を見張るように秀麗なお顔をした私と同じ年代の少年だった。
「大丈夫ですか、殿下!」
殿下?
私と同年代の赤い髪をしたがっしりとした少年が付き添って言った。
「殿下はやめろっていっただろう」
負傷した少年は言う。
いぶかっている私に医師がまず患部の洗浄と消毒をせかす。私は言われた通り、水魔法で処置を施した。
現在いることろは国防のかなめともいえる場所。
王宮の背後を中心に、国全体を馬蹄形に覆っているドウンケルヒンターの森。
その北の中心部に魔物を狩る騎士が常駐する駐屯騎士団。
隣にはそんな彼らを支えるため、魔物を倒す武器等を研究開発しているハーフェン公爵家が運営する研究所と医療施設。
私はそこで見習い治療師として働きながら学んでいる。
私には過去の記憶がない。
家族全員を魔物に殺され、その恐ろしい体験から記憶喪失になったと聞いた。
だから、自分の名前も覚えてなかったが、ユリア・ポーラスだと周囲の人々が教えてくれた。家族の中でただ一人助かった私は、保護された施設で治療師としての才能を見出され現在研修中。
怪我や病気の治療には、六属性の魔法、それぞれに役割がある。
火ー温める、冬季に遭難したり、氷雪魔法を使う魔物にやられたりした者に使う
水ー患部の洗浄、および、冷やす、発熱している人や、火傷を負った人に使われる
土ー固める、出血のひどい怪我をできだけ早く固めて血を止める
風ーばらす、じくじくした傷口を乾かしたりする
光ー消毒、内科疾患においては悪い個所を透視
闇ー睡眠、手術の際の暗幕、感覚を鈍らせる効果もあるので痛み止めにも使える
治癒魔法というのは、医師の指示に従い適切な属性魔法を施すという段階を超えて、自動的にその患者に必要な属性の治癒効果を与えられるもの。
それを身に着けるには、たくさんの医学知識と経験がなければならない。
もちろん私はまだその域に達していないので、今は医師の診断に従ってふさわしい効果の属性の魔法を、患者となった騎士に施している。
「おーい、こいつの治療頼む!」
やってこられたようだ。
毎日定期的に周辺を見回って魔物を狩る騎士様たち。
回る場所や標的に応じてグループ分けがなされ、複数人で魔物に当たる。
今の季節は新人騎士が多い。
新人さん一人に対し必ず熟練騎士が一人以上ついて討伐に当たる。
腕に覚えのある新人さんが多いが、経験や魔物についての知識が乏しく、引き際を誤って負傷することも多いのだ。
「死なない程度の負傷ならそれも経験になる」
熟練騎士は新米騎士にそう言い聞かせるようだ。
今日担ぎ込まれたのは、見た目は無骨で荒っぽい方が多いこの駐屯地では珍しく、目を見張るように秀麗なお顔をした私と同じ年代の少年だった。
「大丈夫ですか、殿下!」
殿下?
私と同年代の赤い髪をしたがっしりとした少年が付き添って言った。
「殿下はやめろっていっただろう」
負傷した少年は言う。
いぶかっている私に医師がまず患部の洗浄と消毒をせかす。私は言われた通り、水魔法で処置を施した。
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