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第5章 婚約解消に向けて
第66話 婚約解消に向けた動き
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「リーニャの方は王子とバルドリックがいなくなってから私が声をかけたんだけど、なんだか生徒会に顔を出しにくそうだったわ」
「そりゃそうでしょ」
アデリーとハイディが話を続ける。
「リーニャに関しては私もフォローを入れた方がいいかな?」
「「『フォロー』?」」
私のつぶやきに双子が反応、この世界では使われない言葉だったか……?
「ああ、心配しなくていいって励ました方がって意味だよ」
私は言葉を変えて説明する。
「そうね、そのために会長にも今話してるんだもん」
アデリーが言う。
「リーニャはそれでいいとして、問題はフェリシアよね。父親の公爵にも報告するって言っていたから……」
「ええ、早くブリステル公爵動いてくれないかな」
「公爵令嬢への恫喝行為となれば、バルドリックもただじゃすまないわよね」
「会長、そこらへん、王族としてはどうなんですか? まさか、エミール王子のために動いたからって……」
二人は心配そうに私に質問する。
「はっきりいって、王族側がそれでバルドリックを擁護することはないよ。ジーク、いや、王太子殿下にも報告してくぎを刺しておく」
バルドリックのフェリシアへの非難は、エミール王子や王妃らの逆恨みに同調したものだ。ジークに報告しておけば、仮にエミールがバルドリックへの擁護を頼んでも、はねつけられるだろう。
「でも、どうしてフェリシアの家にバルドリックを責めてほしがっているんだ。それでシュザンナへの態度を反省させるつもりかい?」
私は二人に質問する。
「反省? 甘いですよ。そんなものを期待する時期はとうに過ぎました。あ、これは私達じゃなくシュザンナの意見ですから」
「シュザンナとバルドリックの親って友人同士なんですよ。それもただの友人じゃなくシュザンナの父カペル子爵は、バルドリックの父に恩があるらしくて……」
「カペル子爵は私たちの父の弟。爵位継承ができない立場だったけど、騎士団長であるヴィンクラーの後押しで爵位を得て新たにカペル家をたちあげることができたの。その恩を返すために家を継ぐ権利のない三男のバルドリックをカペル家に婿入りさせるつもりで……」
「婚約者としての態度に問題がなければそれもいいでしょうけどね……」
なるほどそんな事情があったのか。
「だからシュザンナがどれだけ言っても、父親のカペル氏は聞き入れてくれないらしいの。そこへ公爵令嬢へのあの蛮行よ。彼の立場を徹底的につぶしたうえで、それでも彼女の父が聞き入れない場合は、うちの家が動いてそれを達成させるつもりよ」
双子はそう言い合って自分たちのたくらみに酔うような『邪悪』な笑みを浮かべた。いや『邪悪』と言っても、従妹を虐げる父親と婚約者に鉄槌を下してやるという思いやりからなのだが。
「そりゃそうでしょ」
アデリーとハイディが話を続ける。
「リーニャに関しては私もフォローを入れた方がいいかな?」
「「『フォロー』?」」
私のつぶやきに双子が反応、この世界では使われない言葉だったか……?
「ああ、心配しなくていいって励ました方がって意味だよ」
私は言葉を変えて説明する。
「そうね、そのために会長にも今話してるんだもん」
アデリーが言う。
「リーニャはそれでいいとして、問題はフェリシアよね。父親の公爵にも報告するって言っていたから……」
「ええ、早くブリステル公爵動いてくれないかな」
「公爵令嬢への恫喝行為となれば、バルドリックもただじゃすまないわよね」
「会長、そこらへん、王族としてはどうなんですか? まさか、エミール王子のために動いたからって……」
二人は心配そうに私に質問する。
「はっきりいって、王族側がそれでバルドリックを擁護することはないよ。ジーク、いや、王太子殿下にも報告してくぎを刺しておく」
バルドリックのフェリシアへの非難は、エミール王子や王妃らの逆恨みに同調したものだ。ジークに報告しておけば、仮にエミールがバルドリックへの擁護を頼んでも、はねつけられるだろう。
「でも、どうしてフェリシアの家にバルドリックを責めてほしがっているんだ。それでシュザンナへの態度を反省させるつもりかい?」
私は二人に質問する。
「反省? 甘いですよ。そんなものを期待する時期はとうに過ぎました。あ、これは私達じゃなくシュザンナの意見ですから」
「シュザンナとバルドリックの親って友人同士なんですよ。それもただの友人じゃなくシュザンナの父カペル子爵は、バルドリックの父に恩があるらしくて……」
「カペル子爵は私たちの父の弟。爵位継承ができない立場だったけど、騎士団長であるヴィンクラーの後押しで爵位を得て新たにカペル家をたちあげることができたの。その恩を返すために家を継ぐ権利のない三男のバルドリックをカペル家に婿入りさせるつもりで……」
「婚約者としての態度に問題がなければそれもいいでしょうけどね……」
なるほどそんな事情があったのか。
「だからシュザンナがどれだけ言っても、父親のカペル氏は聞き入れてくれないらしいの。そこへ公爵令嬢へのあの蛮行よ。彼の立場を徹底的につぶしたうえで、それでも彼女の父が聞き入れない場合は、うちの家が動いてそれを達成させるつもりよ」
双子はそう言い合って自分たちのたくらみに酔うような『邪悪』な笑みを浮かべた。いや『邪悪』と言っても、従妹を虐げる父親と婚約者に鉄槌を下してやるという思いやりからなのだが。
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