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第4章 変わってゆくシナリオ
第61話 水魔法の対戦【リーニャ視点】
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今日の水魔法の授業は対戦形式で行われる。
指導はフォーゲル先生。
最初の授業ではかった適性をもとに魔力がほぼ互角の者同士で対戦となる。
私の相手はなんとあのフェリシア・ブリステル。
彼女は確か風と闇が得意属性だったはずなのに、水が得意な私と対峙できるほどの能力もあるなんて、さすがだわ。
「いいかい、胸の高さに腕を伸ばして相手に杖を向けるんだ。そして水を飛ばすようにする。同等の力なら互いの距離の真ん中あたりで拮抗するから、その状態を保つようにね。相手を倒そうとする必要はない。相手の力に合わせて自分の力の強さを加減することが重要だからね」
フォーゲル先生が説明する
なるほど!
対戦形式と言っても力比べをするわけじゃなく、力をコントロールすることを覚える授業のようね。
同レベルの者同士で組んでいるので、互いに放出してしばらくはどこかでつりあっているのだけど、魔力をずっと出し続けていられない者が均衡に堪えきれず相手から水をかけられたり、また、力のコントロールの下手な者が強く出しすぎて相手に水をかけてしまったり……。
晴れた日の野外授業なのに一部の人間はずぶぬれ。
でも、そういう時のために雨合羽を身に着けての野外授業なので、かなり和気あいあいとした雰囲気。
飛び散る水しぶきであちこち小さな虹ができたりしてキレイな光景だわ。
そして、いよいよ私たちの番。
水魔法が弱い生徒から順に行っていったので、水得意の私と優等生のフェリシアはこの授業最後の対戦。
エミール王子に関わる噂は下火になってはいたけどやはり根深く残っていて、そのうわさの「恋敵?」同士が最後に対戦するということなので、下世話な好奇心も含めて皆の注目が集まっている。
互いに向き合って軽く礼をし距離を取るために歩く。
ここらへんのやり方はまるで『決闘』の作法みたい。
既定の場所まで歩くと互いに向かい合い杖を相手に向けた。
「それでは、始め!」
フォーゲル先生の号令とともに、私は杖に念を込め水を放出しようとしたのだけど……。
「えっ⁈」
水を放出する前に杖が粉々に砕けてしまった。
うろたえた瞬間、私に向かって強烈な水砲が飛んできて、私はバランスを崩して尻もちをつきました。
「ゲホッ、ゲホッ!」
飛んできた水砲の衝撃を胸元でうけた私は思い切りせき込んだ。
「大丈夫か!」
フォーゲル先生が飛ぶように走り寄ってきてくれた。
「あ……、ごめんなさい、水得意なリーニャさんに合わせて強く出したから……」
フェリシアも走り寄ってきて言う。
ぺこぺこ謝ってこっちが恐縮してしまうほど。
「この杖は? こんなことは初めてだ! これは預からせてもらうから、あとで職員室まで来てくれるかい」
先生は私の杖の状態を不信がっている。
「本日の授業はこれまで。水にぬれた生徒は風邪をひかないよう、ちゃんと拭いたり着替えたりするんだよ」
生徒たちはざわざわしていたけど、先生はそこで〆て授業は終わりとなった。
指導はフォーゲル先生。
最初の授業ではかった適性をもとに魔力がほぼ互角の者同士で対戦となる。
私の相手はなんとあのフェリシア・ブリステル。
彼女は確か風と闇が得意属性だったはずなのに、水が得意な私と対峙できるほどの能力もあるなんて、さすがだわ。
「いいかい、胸の高さに腕を伸ばして相手に杖を向けるんだ。そして水を飛ばすようにする。同等の力なら互いの距離の真ん中あたりで拮抗するから、その状態を保つようにね。相手を倒そうとする必要はない。相手の力に合わせて自分の力の強さを加減することが重要だからね」
フォーゲル先生が説明する
なるほど!
対戦形式と言っても力比べをするわけじゃなく、力をコントロールすることを覚える授業のようね。
同レベルの者同士で組んでいるので、互いに放出してしばらくはどこかでつりあっているのだけど、魔力をずっと出し続けていられない者が均衡に堪えきれず相手から水をかけられたり、また、力のコントロールの下手な者が強く出しすぎて相手に水をかけてしまったり……。
晴れた日の野外授業なのに一部の人間はずぶぬれ。
でも、そういう時のために雨合羽を身に着けての野外授業なので、かなり和気あいあいとした雰囲気。
飛び散る水しぶきであちこち小さな虹ができたりしてキレイな光景だわ。
そして、いよいよ私たちの番。
水魔法が弱い生徒から順に行っていったので、水得意の私と優等生のフェリシアはこの授業最後の対戦。
エミール王子に関わる噂は下火になってはいたけどやはり根深く残っていて、そのうわさの「恋敵?」同士が最後に対戦するということなので、下世話な好奇心も含めて皆の注目が集まっている。
互いに向き合って軽く礼をし距離を取るために歩く。
ここらへんのやり方はまるで『決闘』の作法みたい。
既定の場所まで歩くと互いに向かい合い杖を相手に向けた。
「それでは、始め!」
フォーゲル先生の号令とともに、私は杖に念を込め水を放出しようとしたのだけど……。
「えっ⁈」
水を放出する前に杖が粉々に砕けてしまった。
うろたえた瞬間、私に向かって強烈な水砲が飛んできて、私はバランスを崩して尻もちをつきました。
「ゲホッ、ゲホッ!」
飛んできた水砲の衝撃を胸元でうけた私は思い切りせき込んだ。
「大丈夫か!」
フォーゲル先生が飛ぶように走り寄ってきてくれた。
「あ……、ごめんなさい、水得意なリーニャさんに合わせて強く出したから……」
フェリシアも走り寄ってきて言う。
ぺこぺこ謝ってこっちが恐縮してしまうほど。
「この杖は? こんなことは初めてだ! これは預からせてもらうから、あとで職員室まで来てくれるかい」
先生は私の杖の状態を不信がっている。
「本日の授業はこれまで。水にぬれた生徒は風邪をひかないよう、ちゃんと拭いたり着替えたりするんだよ」
生徒たちはざわざわしていたけど、先生はそこで〆て授業は終わりとなった。
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