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第4章 変わってゆくシナリオ
第59話 学校では話せない悩み相談に乗ります
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『お悩み解決 他人には言えない面倒ごとお話しください。相談は無料、秘密厳守 ダイネハーフェン相談所』
学園の掲示板に私は宣伝用のポスターを張った。
もちろん学園の運営部には許可をもらっている。
どうも私は『うわさ』にはうといようだ。
生徒会長と言う学生の最高責任者、そして、王族の婚約者と言う立場のせいだろうか。気楽に下世話なうわさ話を教えてくれる人が周りにあまりいない。
もう少し突っ込んで学生の気持ちを把握していた方がいいと思い、顧客対象を学生にも広げる。
学園の運営側にはヴァイスハーフェン家の名は伏せてもらっている。
これ以上もしもの時の避難場所とヴァイスハーフェン家のつながりを他人に知られたくないのが本音。でも、表向きは学園内では言えないことを相談するのに、公爵家の名を出すとためらう生徒もいるかもしれないから、と、運営部には話している。
相談者は期待以上にやってきた。
内容的には、恋の悩み、振り向いてほしい人の攻略法とか。
あるいは、ちょっとした虐め、でも先生に相談しても対処してもらえない、等々。
このへんは前の世界の学校とあまり変わらないな。
最近は髪の色を変える術を身に着けたので変身魔法を解禁して、私も相談役を引き受けることがある。
でもある日、エクレレ氏に女生徒の相談役はやらない方がいいと言われる。
「どうして? 外見は男になっているけど、中身は女だしいろいろ共感できることもあるんじゃないかなと思ったんだけど……」
「いや、所長。その見た目で女生徒の前に出るのはちょっと……」
「まずいのか? もしかしてサラ・ヴァイスハーフェンだとばれてる?」
「いえ、以前と比べると元の姿とはだいぶ似ている要素が少なくなってきました。ただね、男性になったあなたを女性から見ると、特に恋愛経験に乏しい若い娘さんたちの目から見ると、あれですな……」
「……?」
「そのうち、あなた目当てに無理やり相談事を作って通いつめる女生徒がでてきますよ」
「はい?」
言いにくそうにしていたが、エクレレ氏の言いたいことは大体わかった。
女性的で線の細い男性を好む女性、特に実際の男性を見ず、恋に夢見る少女の場合、そういうタイプを好む傾向にある。細身の男性アイドルや男装した女性にはまる女性は前世でも一定数いたからな。
「それにあなたは悩み事を一刀両断するタイプですので、もめごとを解決してほしい相談者にはいいかもしれないけど、ただ話を聞いてほしい相談者には不向きなようです。あの年ごろの少女たちは後者の方が多いですからね」
中年男性のエクレレ氏よりは、同年代の少女の気持ちはわかるとうぬぼれていたが違っていたようだ
エクレレ氏は逆に安心して何でも話せる優しいおじさんとして、やってきた女生徒の心を開いて話を聞いてあげている。それならと、女生徒はエクレレ氏にまかせて、私は他のタイプの相談者の対応を受け持とうとした矢先、意外な人物が相談所を訪れた。
学園の掲示板に私は宣伝用のポスターを張った。
もちろん学園の運営部には許可をもらっている。
どうも私は『うわさ』にはうといようだ。
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もう少し突っ込んで学生の気持ちを把握していた方がいいと思い、顧客対象を学生にも広げる。
学園の運営側にはヴァイスハーフェン家の名は伏せてもらっている。
これ以上もしもの時の避難場所とヴァイスハーフェン家のつながりを他人に知られたくないのが本音。でも、表向きは学園内では言えないことを相談するのに、公爵家の名を出すとためらう生徒もいるかもしれないから、と、運営部には話している。
相談者は期待以上にやってきた。
内容的には、恋の悩み、振り向いてほしい人の攻略法とか。
あるいは、ちょっとした虐め、でも先生に相談しても対処してもらえない、等々。
このへんは前の世界の学校とあまり変わらないな。
最近は髪の色を変える術を身に着けたので変身魔法を解禁して、私も相談役を引き受けることがある。
でもある日、エクレレ氏に女生徒の相談役はやらない方がいいと言われる。
「どうして? 外見は男になっているけど、中身は女だしいろいろ共感できることもあるんじゃないかなと思ったんだけど……」
「いや、所長。その見た目で女生徒の前に出るのはちょっと……」
「まずいのか? もしかしてサラ・ヴァイスハーフェンだとばれてる?」
「いえ、以前と比べると元の姿とはだいぶ似ている要素が少なくなってきました。ただね、男性になったあなたを女性から見ると、特に恋愛経験に乏しい若い娘さんたちの目から見ると、あれですな……」
「……?」
「そのうち、あなた目当てに無理やり相談事を作って通いつめる女生徒がでてきますよ」
「はい?」
言いにくそうにしていたが、エクレレ氏の言いたいことは大体わかった。
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「それにあなたは悩み事を一刀両断するタイプですので、もめごとを解決してほしい相談者にはいいかもしれないけど、ただ話を聞いてほしい相談者には不向きなようです。あの年ごろの少女たちは後者の方が多いですからね」
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エクレレ氏は逆に安心して何でも話せる優しいおじさんとして、やってきた女生徒の心を開いて話を聞いてあげている。それならと、女生徒はエクレレ氏にまかせて、私は他のタイプの相談者の対応を受け持とうとした矢先、意外な人物が相談所を訪れた。
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