40 / 139
第3章 いよいよゲーム開始
第39話 サラ会長キレかける
しおりを挟む
「ありがとう、以上の七名だね。これから実技の授業も始まれば、そこでの成績優秀者に声をかけることもあるかもしれないし、人員は流動的な形で行くからね。君たちも他にやりたいことができたり、生徒会の活動を続けるのがしんどくなった時には遠慮なく相談してくれたまえ」
七名の自己紹介が終わると、私はそう言って締めくくった。
「一位はフェリシア様だったのですね。どうして生徒会の仕事を辞退したのでしょう。エミール殿下は何か知っています?」
ペルティナが質問を投げかけた。
みんな興味はあったが、なんとなく聞くのがはばかられるようなことをあっさりと……。物おじしない子なんだな。
「彼女は王宮での仕事や勉強が忙しいのさ」
エミールが少し不機嫌な顔で答えたくなさそうだったので、私が代わりに当たり障りのない返事をした。
「王宮のことが大変なのはわかるけど、生徒会でのことは今しかできないのに。彼女は学園の活動を下に見ているのかもな」
エミールが私に続けて答えた。
お前、どの口が!
私はエミールをにらみつけたが、彼の言葉を皮切りに新入生たちが口々に言いだした。
「高慢ちきな方なんでしょうかね」
そう言ったのはミリア。
「何考えているのかわからない感じがするな」
続けて騎士団長の息子バルドリック。
「生徒会の運営は、将来上の立場に立った時に役に立つ経験なんだけどな」
そして再びエミール。
こいつら、事情も知らないくせにふざけるなよ!
「いない人間を悪く言うのは感心しないな」
キレそうになっている私の代わりに副会長サージェスが新入生たちをいさめた。
「さあ、明日からいろいろ仕事を頼むと思うけど、今日はもういいよ」
サージェスの言葉で失いかけた冷静さを取り戻した私はそう言って新入生たちを見送った。新入生が全員退出した後、私はサージェスに話しかけた。
「助かったよ、サージェス。私がブチ切れたら大変なことになるかもしれなかった」
「いえ、僕もあの言いようはちょっとどうかな、と、思いましたので。それにしても、フェリシア嬢はどうして参加されないのですかね。会長は知ってます? あの、言えない事情があるなら話さなくてもいいですけど……」
「そうだね、君たちには知っておいてくれてもいいかもしれないね、フェリシアはエミール王子の仕事の肩代わりをするために辞退したんだよ。去年のジーク会長の事情を知っている君たちならわかるだろう」
「なるほど、でも……」
サージェスは納得しながらも言いよどんだ。
七名の自己紹介が終わると、私はそう言って締めくくった。
「一位はフェリシア様だったのですね。どうして生徒会の仕事を辞退したのでしょう。エミール殿下は何か知っています?」
ペルティナが質問を投げかけた。
みんな興味はあったが、なんとなく聞くのがはばかられるようなことをあっさりと……。物おじしない子なんだな。
「彼女は王宮での仕事や勉強が忙しいのさ」
エミールが少し不機嫌な顔で答えたくなさそうだったので、私が代わりに当たり障りのない返事をした。
「王宮のことが大変なのはわかるけど、生徒会でのことは今しかできないのに。彼女は学園の活動を下に見ているのかもな」
エミールが私に続けて答えた。
お前、どの口が!
私はエミールをにらみつけたが、彼の言葉を皮切りに新入生たちが口々に言いだした。
「高慢ちきな方なんでしょうかね」
そう言ったのはミリア。
「何考えているのかわからない感じがするな」
続けて騎士団長の息子バルドリック。
「生徒会の運営は、将来上の立場に立った時に役に立つ経験なんだけどな」
そして再びエミール。
こいつら、事情も知らないくせにふざけるなよ!
「いない人間を悪く言うのは感心しないな」
キレそうになっている私の代わりに副会長サージェスが新入生たちをいさめた。
「さあ、明日からいろいろ仕事を頼むと思うけど、今日はもういいよ」
サージェスの言葉で失いかけた冷静さを取り戻した私はそう言って新入生たちを見送った。新入生が全員退出した後、私はサージェスに話しかけた。
「助かったよ、サージェス。私がブチ切れたら大変なことになるかもしれなかった」
「いえ、僕もあの言いようはちょっとどうかな、と、思いましたので。それにしても、フェリシア嬢はどうして参加されないのですかね。会長は知ってます? あの、言えない事情があるなら話さなくてもいいですけど……」
「そうだね、君たちには知っておいてくれてもいいかもしれないね、フェリシアはエミール王子の仕事の肩代わりをするために辞退したんだよ。去年のジーク会長の事情を知っている君たちならわかるだろう」
「なるほど、でも……」
サージェスは納得しながらも言いよどんだ。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説

異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果
富士とまと
恋愛
公爵令嬢が、異世界から召喚された聖女に婚約者である皇太子を横取りし婚約破棄される。
そのうえ、聖女の世話役として、侍女のように働かされることになる。理不尽な要求にも色々耐えていたのに、ある日「もう飽きたつまんない」と聖女が言いだし、冤罪をかけられ牢屋に入れられ毒殺される。
死んだと思ったら、時をさかのぼっていた。皇太子との関係を改めてやり直す中、聖女と過ごした日々に見聞きした知識を生かすことができることに気が付き……。殿下の呪いを解いたり、水害を防いだりとしながら過ごすあいだに、運命の時を迎え……え?ええ?

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前

〖完結〗旦那様が私を殺そうとしました。
藍川みいな
恋愛
私は今、この世でたった一人の愛する旦那様に殺されそうになっている。いや……もう私は殺されるだろう。
どうして、こんなことになってしまったんだろう……。
私はただ、旦那様を愛していただけなのに……。
そして私は旦那様の手で、首を絞められ意識を手放した……
はずだった。
目を覚ますと、何故か15歳の姿に戻っていた。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全11話で完結になります。

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
21時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる