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第3章 いよいよゲーム開始

第38話 新入生の自己紹介 ~その他の攻略対象と妨害役(悪役令嬢)~

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 続いて第四位と五位は魔法省大臣の子供、双子だ。
 姉のペルティナが四位で、弟のザロモが五位。

「ペルティナ・クルーグ。将来の希望は国営の研究所で魔法研究三昧の生活をすること。家の跡目は弟のザロモに継がせるつもりよ。双子だから長子も次子も関係ないものね」

「ザロモ・クルーグだ。ペルティナは跡目を僕に押し付ける気満々だけど、先のことはわからない。僕も魔法関係の職につきたいと思っている、よろしく」

 黄緑色の髪と金色の瞳、血統書付きの猫がじゃれ合っているような印象を受ける。

 クルーグ家と言うのは変わった家で、うちと同じく魔道研究が好きで優れた人物を多く輩出している。だが領地経営やそれに伴う雑事などを嫌い、皆が跡目を押し付け合っているという。なんでも、きょうだいの中で一番できの悪い者が跡目を継ぐのだそうで、普通は逆じゃないの。

 姉のペルティナがすごいブラコンで、弟のザロモに近づく女たちをことごとく排除するって展開だったけど、猫っぽい見かけのせいか、そんな粘着質には見えない。

 第六位が見事な金髪の娘ミリア・プレディス。

「リーニャと同じ地域からやってきました平民出のミリア・プレディスです。皆様と親交を深めながら、生徒会の業務頑張っていきたいと思います」

 彼女も平民出だが物おじせずはきはきしたあいさつだ。

 私に向ける視線がなんとなく、ヒロインのリーニャより鋭い気がする。
 そういえば、パート1ではヒロインの友人が攻略対象とヒロインの仲を取り持ち、卒業パーティの断罪ではフェリシアの悪行を告発するんだったっけな。

 名前は憶えていないのだけど、この娘がそうなのだろうか?

 そしてその親友役がパート2ではヒロインとなる。

 彼女もまた転生者だとしたら、私のことはすでに『悪役』と認識し、それで挑戦的な視線を送っているのだろうか?

 面と向かっては聞きにくい質問だし、そもそもパート2のヒロインかもと疑っているから、なんとなく彼女の視線に敵意を感じてしまうだけかもしれない……。

 とりあえず、ヒロインのリーニャと同じく言動を注視だな。

 七位はクリーム色の髪をした大人しそうな女子。

「シュザンナ・カペルです。よろしくお願いします」

「「私たちの従妹なの、よろしくね」」

 書記と会計のクラウゼ姉妹が横から話しかけた。
 そういえば、髪の色が一緒だね。

 八位がレンガ色の髪をした体格のいい男子。

「バルドリック・ヴィンクラー。体を使うのは得意だから、力が必要なことはどんどん言ってください」

 ヴィンクラーって騎士団長の名前だったね。
 思い出したよ。バルドリックの婚約者が七位のシュザンナで、彼を攻略する際の『悪役令嬢』が彼女だ。せいぜい貴族社会の礼儀がわかってない、と、注意するくらいの地味な役どころだったが。

 脳筋っぽい彼とはいまいち相性が良くないように見えるんだけどな。
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