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第1章 悪役令嬢の婚約
第8話 エルフの一族大暴れ
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王子を期待していた国民や家臣の中には、口ではおめでとうございますと言いながら、王妃のいないところでは落胆を隠さない人もいた。
彼らはエルフの特殊能力をなめていた。
王妃は「火土風水」、そして「光闇」の六属性全ての魔法の達人。
それらを組み合わせて人々の想像を超えたあらゆることができた。
彼女は常日頃から家臣や国民の声を聞かなきゃと考え、風と闇の力で人々の意見をこっそり聞いていたのだった。
そこで耳にした「なあんだ、女か」の声。
エルフの女でも生みの苦しみは人間と同じ、やっとこさの思いで可愛い第一子を産み落としたにもかかわらず、娘だっただけでこの言われよう。
それに国王が王妃の耳に届かないようにしていたけど、離婚や側室の話が出ていたのを王妃はちゃんと知っている。
そんな心ない人々の言動に王妃はずっと耐えてきたのだ。
「でもついにブチ切れちゃったわけね」
まあ、私でも気持ちは理解できる。
「おのれ、女子であったというだけで我らが愛し子を侮辱し軽視するとは、言ったやつらに目にものを見せてくれるわ!」
と、王妃が言ったと伝わっている、誰が聞いていたのかしらね?
城を飛び出し、老若男女および貴賤の区別なしに、陰口を叩いた者どものところに押しかけ、家財道具を壊し家屋を破壊し始めた。
それを知った他のエルフたちも共鳴する。
「我らの大事な娘と赤子にたいするひどい扱い、看過するわけにはいかぬ! 皆の者、ミューレアの手助けに行くぞ!」
森を出て王妃と一緒に王都で破壊活動を始めるのだった。
言った者どもを怪我をさせたり命を奪ったりせず、攻撃はあくまで物を壊すことに徹したのはエルフの優しさ。
エルフはもともと人間に友好的な種族だから。
しかし、それにしても王都は大惨事だった……。
国王とその家臣、国民一同も、王妃ミューレア及び協力者のエルフに平身低頭謝罪した。
一通り暴れた後は娘を連れて森に帰ろうとミューレアは思っていた。
でも、もともと国王との仲は良好。
生まれた子が娘であったのに文句を言ったのも外野の人間で、父親である国王自身はこの上なく喜んでいたのである。
王妃は許す代わりにあることを約束させた。
王位は赤ん坊である娘フリーダに継がせると。
たとえこの先、二人の間にまた子供が生まれてそれが男子であっても、後継ぎは長子の彼女であると。
それ以前は男子が家の後を継ぐのが当たり前だったのだが、断固とした王妃の態度に人々はそれをのまざるを得なかった。
幸いにも、娘のフリーダ女王は、父のゼーンハルト王とともに中興の祖とたたえられるほどの名君だった。
この時以来、我が国では長子相続が主流となる。
彼らはエルフの特殊能力をなめていた。
王妃は「火土風水」、そして「光闇」の六属性全ての魔法の達人。
それらを組み合わせて人々の想像を超えたあらゆることができた。
彼女は常日頃から家臣や国民の声を聞かなきゃと考え、風と闇の力で人々の意見をこっそり聞いていたのだった。
そこで耳にした「なあんだ、女か」の声。
エルフの女でも生みの苦しみは人間と同じ、やっとこさの思いで可愛い第一子を産み落としたにもかかわらず、娘だっただけでこの言われよう。
それに国王が王妃の耳に届かないようにしていたけど、離婚や側室の話が出ていたのを王妃はちゃんと知っている。
そんな心ない人々の言動に王妃はずっと耐えてきたのだ。
「でもついにブチ切れちゃったわけね」
まあ、私でも気持ちは理解できる。
「おのれ、女子であったというだけで我らが愛し子を侮辱し軽視するとは、言ったやつらに目にものを見せてくれるわ!」
と、王妃が言ったと伝わっている、誰が聞いていたのかしらね?
城を飛び出し、老若男女および貴賤の区別なしに、陰口を叩いた者どものところに押しかけ、家財道具を壊し家屋を破壊し始めた。
それを知った他のエルフたちも共鳴する。
「我らの大事な娘と赤子にたいするひどい扱い、看過するわけにはいかぬ! 皆の者、ミューレアの手助けに行くぞ!」
森を出て王妃と一緒に王都で破壊活動を始めるのだった。
言った者どもを怪我をさせたり命を奪ったりせず、攻撃はあくまで物を壊すことに徹したのはエルフの優しさ。
エルフはもともと人間に友好的な種族だから。
しかし、それにしても王都は大惨事だった……。
国王とその家臣、国民一同も、王妃ミューレア及び協力者のエルフに平身低頭謝罪した。
一通り暴れた後は娘を連れて森に帰ろうとミューレアは思っていた。
でも、もともと国王との仲は良好。
生まれた子が娘であったのに文句を言ったのも外野の人間で、父親である国王自身はこの上なく喜んでいたのである。
王妃は許す代わりにあることを約束させた。
王位は赤ん坊である娘フリーダに継がせると。
たとえこの先、二人の間にまた子供が生まれてそれが男子であっても、後継ぎは長子の彼女であると。
それ以前は男子が家の後を継ぐのが当たり前だったのだが、断固とした王妃の態度に人々はそれをのまざるを得なかった。
幸いにも、娘のフリーダ女王は、父のゼーンハルト王とともに中興の祖とたたえられるほどの名君だった。
この時以来、我が国では長子相続が主流となる。
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