26 / 78
第5章 ノア・ウィズダム
第26話 ノア・ウィズダム子爵の訪問
しおりを挟む
遺言公開から二日後、セシルの配偶者候補の一人、ノア・ウィズダム子爵から、挨拶に伺うとの知らせがあった。
当日は天気のいい穏やかな日だったので、庭の方で歓談していただこうとテーブルを設置しお茶と菓子を用意した。
がっしりとした体格の大公とは対照的な、ミルキーブロンドの髪にアイスブルーの瞳をした細身の青年であった。
母親似なのかな、と、出迎えたヴォルターは思う。
「初めまして、ノア・ウィズダムと申します。この度は亡きマールベロー公爵より令嬢の配偶者にふさわしい男の一人として推挙していただき、この上ない名誉と心得ております」
穏やかな口調に柔和なまなざし。
セシルの横で一緒にあいさつを受けたアンジュは、庶子とはいえあの大公の息子なのだから多少は尊大なところがあっても不思議はないだろう、と、予想していたので意外な感じがした。
「結婚、と、言われてもセシル嬢にはまだ実感がわかないでしょう。実は僕もそうなのです。ですから、セシル嬢がそれにふさわしいお年頃になるまでに親交を深めることができればうれしく思います」
年長者としての落ち着きを見せながら、セシルを子供として軽んじることもない。
貴族男性として淑女へのふるまい、百点満点だわ、この人!
アンジュをはじめとして、同席していた侍女たちやメイド長のメイソンも、そう感心せずにはいられなかった。
「やさしそうな方でよかったですね、セシル様」
歓談を終了し玄関まで見送るときにアンジュはセシルにそっと耳打ちした。
セシルは特に目立った反応は見せなかった。
玄関を出たウィズダム子爵が馬車に乗り込もうとしたとき、異変は起こった。
乗り込むためのはしごでも踏み外したのか、急に突っ伏したまま倒れこんだ。
御者が下りて駆け寄り声をかけるが反応がない。
見送りに出ていたヴォルターやアンジュも走って近づき様子をうかがった。
「ひどいお熱だ。中にお運びしてベットに寝かせましょう。それからコペトンさんを呼んでください」
その場にいた一番頑丈な御者に抱えられ、ノアは公爵邸の客間のベッドに寝かされた。
やってきた主治医のコペトンの見立てでは風邪による熱だという話。
薬を調合し数日間は安静にするようにと言いつけて帰っていった。
「風邪をこじらせたって大公殿下の作り話じゃなかったのですね」
遺言公開の場では発表されるまで息子の存在を隠しておきたい大公の『嘘』だと解釈していたアンジュがつぶやいた。
「すいません、父に言われてできるだけ早くご挨拶をと思い……、ゴホッ!」
「ああ、どうかそのままで。どうやらお気を使わせてしまったようですね」
ヴォルターが起き上がろうとするノアを制止して再び寝かせた。
「無理をしてお帰りになられては悪化するかもしれませんし、よくなられるまでこちらにて静養された方がいいかもしれませんわね。家の方々にはその旨使いを出して知らせましょう」
「おお、セシル様、それは良いお考えです」
幼いながらもこの屋敷の女主人としてしっかりと意思決定をするセシルの様子に、ヴォルターは頼もしさを感じた。
「我が家には母の代から乳母をやってくれていたばあやしかいません。そのばあやが家のこまごまとしたメイドのような仕事から僕の世話まで一人でやってくれているのです。僕が帰らないとなると心配するでしょう」
セシルの提案にノアは答える。
しかし、それを聞いたマールベロー家の面々は面食らった。
庶子とはいえ大公の息子の家の使用人がばあや一人?
「では、お言葉に甘えて使いを頼めますか? 自宅は……、そうだ上着の胸ポケットに父からの手紙が入っていてそこに住所が……」
ノアに言われてアンジュは掛けられていた彼の上着を探り手紙を取り出した。
「ミリュタイユ通りですね。私が行ってまいりましょう。ついでに、ばあやさんに滞在の間必要なものをいただいて持ってまいりますね」
アンジュが使いをうけおった。
「セシル様はウィズダム子爵のそばについてさし上げてください」
「ちょっと、アンジュさん」
部屋を出て行ったアンジュをヴォルターが追いかけた。
「待ってください。そこに行かれるなら腕利きの騎士を何名かつけましょう、念のためですが」
「……?」
「ミリュタイユ通りというのは貴族の住む高級住宅街の南のはずれ。今はどちらかというと中流の平民の方が多くなっている地域です。治安はそこまで悪くはないでしょうが、公爵家の馬車で行けばどうなるか予想ができませんし……」
「そうなのですか? たしか、この通りはあまりお金のない男爵や子爵が王都に滞在する間だけ間借りするための住宅が多く、子爵とはいえ大公殿下のご子息が、と、疑問には思いましたが……」
「今は様変わりして平民の方が多くなったという話です」
ヴォルターの命令でアンジュには二名の騎士が同行した。
ミリュタイユ通りは、貴族も借りるくらいなのでそれなりにしっかりとした建物が多いが、全体的に集合住宅になっているところが多かった。そして、書かれていた住所には、一階から三階まで一続きのメゾネット式になっている住居がいくつも連なっている集合住宅があった。
アンジュは騎士二人を後ろに立たせてウィズダム邸の玄関のベルを押した。
ハイ、と、中から女性の声が響き扉があいた。
「坊ちゃま、お帰りなさいませ。どうでした、あちらのお嬢様は?」
扉を開けたのは小柄な年配の女性。
この者がノアの言っていた『ばあや』だろう。
彼女は確かめもせず、外にいるのがこの家の主人ノアだと判断し、ドアを開けるとそう声をかけてきた。
「あの……、初めまして。私はマールベロー公爵家から……」
ばあやのせっかちな勘違いにうろたえながらアンジュは名乗ろうとした。
「まあまあ、あなたが坊ちゃまのお嫁さんになってくださる! なんて上品そうでお美しい! あの大公もようやく父親らしい仕事をしたようですね!」
ばあやのせっかちな勘違いはさらに続くのだった。
当日は天気のいい穏やかな日だったので、庭の方で歓談していただこうとテーブルを設置しお茶と菓子を用意した。
がっしりとした体格の大公とは対照的な、ミルキーブロンドの髪にアイスブルーの瞳をした細身の青年であった。
母親似なのかな、と、出迎えたヴォルターは思う。
「初めまして、ノア・ウィズダムと申します。この度は亡きマールベロー公爵より令嬢の配偶者にふさわしい男の一人として推挙していただき、この上ない名誉と心得ております」
穏やかな口調に柔和なまなざし。
セシルの横で一緒にあいさつを受けたアンジュは、庶子とはいえあの大公の息子なのだから多少は尊大なところがあっても不思議はないだろう、と、予想していたので意外な感じがした。
「結婚、と、言われてもセシル嬢にはまだ実感がわかないでしょう。実は僕もそうなのです。ですから、セシル嬢がそれにふさわしいお年頃になるまでに親交を深めることができればうれしく思います」
年長者としての落ち着きを見せながら、セシルを子供として軽んじることもない。
貴族男性として淑女へのふるまい、百点満点だわ、この人!
アンジュをはじめとして、同席していた侍女たちやメイド長のメイソンも、そう感心せずにはいられなかった。
「やさしそうな方でよかったですね、セシル様」
歓談を終了し玄関まで見送るときにアンジュはセシルにそっと耳打ちした。
セシルは特に目立った反応は見せなかった。
玄関を出たウィズダム子爵が馬車に乗り込もうとしたとき、異変は起こった。
乗り込むためのはしごでも踏み外したのか、急に突っ伏したまま倒れこんだ。
御者が下りて駆け寄り声をかけるが反応がない。
見送りに出ていたヴォルターやアンジュも走って近づき様子をうかがった。
「ひどいお熱だ。中にお運びしてベットに寝かせましょう。それからコペトンさんを呼んでください」
その場にいた一番頑丈な御者に抱えられ、ノアは公爵邸の客間のベッドに寝かされた。
やってきた主治医のコペトンの見立てでは風邪による熱だという話。
薬を調合し数日間は安静にするようにと言いつけて帰っていった。
「風邪をこじらせたって大公殿下の作り話じゃなかったのですね」
遺言公開の場では発表されるまで息子の存在を隠しておきたい大公の『嘘』だと解釈していたアンジュがつぶやいた。
「すいません、父に言われてできるだけ早くご挨拶をと思い……、ゴホッ!」
「ああ、どうかそのままで。どうやらお気を使わせてしまったようですね」
ヴォルターが起き上がろうとするノアを制止して再び寝かせた。
「無理をしてお帰りになられては悪化するかもしれませんし、よくなられるまでこちらにて静養された方がいいかもしれませんわね。家の方々にはその旨使いを出して知らせましょう」
「おお、セシル様、それは良いお考えです」
幼いながらもこの屋敷の女主人としてしっかりと意思決定をするセシルの様子に、ヴォルターは頼もしさを感じた。
「我が家には母の代から乳母をやってくれていたばあやしかいません。そのばあやが家のこまごまとしたメイドのような仕事から僕の世話まで一人でやってくれているのです。僕が帰らないとなると心配するでしょう」
セシルの提案にノアは答える。
しかし、それを聞いたマールベロー家の面々は面食らった。
庶子とはいえ大公の息子の家の使用人がばあや一人?
「では、お言葉に甘えて使いを頼めますか? 自宅は……、そうだ上着の胸ポケットに父からの手紙が入っていてそこに住所が……」
ノアに言われてアンジュは掛けられていた彼の上着を探り手紙を取り出した。
「ミリュタイユ通りですね。私が行ってまいりましょう。ついでに、ばあやさんに滞在の間必要なものをいただいて持ってまいりますね」
アンジュが使いをうけおった。
「セシル様はウィズダム子爵のそばについてさし上げてください」
「ちょっと、アンジュさん」
部屋を出て行ったアンジュをヴォルターが追いかけた。
「待ってください。そこに行かれるなら腕利きの騎士を何名かつけましょう、念のためですが」
「……?」
「ミリュタイユ通りというのは貴族の住む高級住宅街の南のはずれ。今はどちらかというと中流の平民の方が多くなっている地域です。治安はそこまで悪くはないでしょうが、公爵家の馬車で行けばどうなるか予想ができませんし……」
「そうなのですか? たしか、この通りはあまりお金のない男爵や子爵が王都に滞在する間だけ間借りするための住宅が多く、子爵とはいえ大公殿下のご子息が、と、疑問には思いましたが……」
「今は様変わりして平民の方が多くなったという話です」
ヴォルターの命令でアンジュには二名の騎士が同行した。
ミリュタイユ通りは、貴族も借りるくらいなのでそれなりにしっかりとした建物が多いが、全体的に集合住宅になっているところが多かった。そして、書かれていた住所には、一階から三階まで一続きのメゾネット式になっている住居がいくつも連なっている集合住宅があった。
アンジュは騎士二人を後ろに立たせてウィズダム邸の玄関のベルを押した。
ハイ、と、中から女性の声が響き扉があいた。
「坊ちゃま、お帰りなさいませ。どうでした、あちらのお嬢様は?」
扉を開けたのは小柄な年配の女性。
この者がノアの言っていた『ばあや』だろう。
彼女は確かめもせず、外にいるのがこの家の主人ノアだと判断し、ドアを開けるとそう声をかけてきた。
「あの……、初めまして。私はマールベロー公爵家から……」
ばあやのせっかちな勘違いにうろたえながらアンジュは名乗ろうとした。
「まあまあ、あなたが坊ちゃまのお嫁さんになってくださる! なんて上品そうでお美しい! あの大公もようやく父親らしい仕事をしたようですね!」
ばあやのせっかちな勘違いはさらに続くのだった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
異世界転生王女、我儘王女からマジメ王女になったら周りの男たちが急に溺愛してきました
杏仁豆腐
ファンタジー
前世、高校2年生女子高生だった私は、家の近くの交差点でランドセルを背負った男の子が渡ろうとしていた。そこに信号無視の10トントラックが突っ込んできたのでとっさに体が動いて男の子を突き飛ばした。
しかし今度は私がトラックにはねられ死亡。気が付くとベッドに横たわっていた私。身に覚えのない部屋やメイドたち。どうやら転生したらしい。今まで我儘放題だった(らしい)私がマジメで優しくなったとたん周りの評価がうなぎのぼりになっていき…。
ここは前世の乙女ゲーム『プリンセス☆オブ☆ザ☆リベンジ』(通称:プリリべ)の世界そのままだった。
そして私の役は悪役王女『アムルディーナ』だったのだ。
この役のバッドエンドは色々あり最後はあっけなくギロチン死刑……。
そんな最後や嫌っ!
ゲームプレイいていた私の記憶を確かにこの世界でバッドエンド回避に翻弄する、異世界リベンジ物語。
『悪役だってしあわせになりたいんだよっ!』
果たしてアムルは幸せになるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる