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24.「☆ヒーローを救うエッチな方法」
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「兄さんを救う方法がある。二人に、協力してほしい」
有式剣太がそう二人に告げながら、倒れている少年の元に近づいた。
倒れている少年の名は有式真弓。剣太の兄である。
有式真弓は今、心肺が停止していて、死と生の狭間にある。シュレーディンガーの猫が生きているか死んでいるか分からない様に、真弓もまたその状況にあった。けれど、心臓が止まれば一般的に死と見なされることが多い。胸骨圧迫(心臓マッサージ)や、AED(自動体外式除細動器)といったもので、再び心臓が動き出すこと自体はよくある。有式剣太が言った、救う方法とはそのことを指しているのだろうか。
雨宮つばめ、藍田潮の女性二人は藁にも縋る思いで、剣太に話しかける。
「君は……剣太じゃないか……? 真弓を救えるのか?」
「剣太君、有式先輩を救える方法があって、それで私たちに協力できることがあるんですね?」
「あ、あぁ……そうだ。だから、そんな二人とも迫らないで!」
雨宮と藍田が剣太に鬼気迫る勢いで聞いたものだから、剣太は慌てるようにして落ち着いて、と声をかけた。「すみません」「すまん…」と女性二人が謝り、ひとまず状況が落ち着く。
「兄さんの状況がとても悪いってことは知ってる。兄さんの脈に小型の脈拍測定器を着けてあるから……脈が止まってるのも知ってる」
「どうすれば……先輩は助かるんですか。もう心臓が止まって、一分ほどは経ってしまっています。あと、出血量もかなりのものです......心臓が動き出しても、出血の方はどうにもなりません」
「つばめさん、大丈夫です。つばめさんは兄さんの力について、どれほど知っていますか? 潮さんも」
剣太に赤い巨人についてどれほど知っているのか、聞かれて二人は急いで記憶を探ってみるがあまり出てこない。当然だ、二人は赤い巨人の力についてそれほど多く知らない。雨宮はついさっき知ったばかりだし、藍田の方も超パワーがあるだとか力が暴走するからエッチなことをしてほしいとか、そんなことしか知らなかった。
自分たちが真弓のことを何も知らないんだと分かって、二人は顔を深刻なものに変える。
「そんな顔しなくても、平気ですよ。兄さんはあまり人に力を話すのを嫌がっていましたから。潮さんは少しは知ってるんじゃないですか?」
「そ、そうだな……あたしは真弓から力のことを少し話してもらった。力が暴走するとか、それを止めるために……止めるために」
「止めるために、なんですか? マスター?」
「そ、それはだなっ」
雨宮に話の続きを急かされて、顔を赤らめて何やら悶々と逡巡している藍田。
その理由は、同性であり、高校一年という歳下に言うのが躊躇われるものだ。ついでに、雨宮は真弓のことを明らかに意識していることを藍田は知っていた。そんな彼女に遥か歳上の女性である自分が、成人前の学生相手に性的な行為をしているなんて言えるはずもなかった。
性的な行為。藍田が真弓に、口姦(フェラ)や手姦(手コキ)を週に三回以上はしている、だなんて言えるわけがない。それが赤い巨人の暴走を止めるために必要な行為だという大義名分があったとしても、簡単に言える内容ではない。
自分が真弓にしたことの数々を思い出し、顔が更に赤くなっていく藍田を見て、ごほんとわざとらしく咳をした剣太が口を開いた。
「潮さん、言いにくいのは分かります。ですが、もう時間はないんです。兄さんを救えなくなるのは、俺はごめんです。だから、今は恥ずかしいなんて言っている状況じゃないのは潮さんも分かっているでしょう」
「け、剣太……分かった。つばめ……あたしは、最低でも週に三回以上は真弓にエッチなことをしている!」
「──ま、すたー……? それって、マスターが先輩に……ですか」
「あ、あぁ! いいかつばめ! あたしは、真弓がこのままだと力が暴走するって言われて……、いや、あたしは歳下の男子に向かって、エッチなことをあたしの意思で、したいって思ってした! どうだ、これでいいかっ!? あたしは、歳下の男に向かって、興奮した気持ち悪いおばさんなんだっ!」
「マスター……」
藍田潮は、最初真弓から性的な行為をしてほしいとお願いされて、戸惑った。自分は今年の誕生日を迎えれば30歳になるいいお歳の女性だ。そんな自分がまだ16歳の少年に対して、するのもおかしいと思ったし、29歳にもなって男とそんな行為をしたことがない自分にも恥ずかしい思いもあった。
でも、真弓が困っているのを知って、素直に受け入れる自分がいた。真弓を困らせたくない。真弓が泣いているところなど見たくない。ヒーローになりたいなら応援したい。そう純粋に思うことができた。その一方で、真弓に性的な行為をしていく中で、興奮してエッチな気分に自分がなっているのも知っている。
(あたしは確かに真弓のお願いをしてやっていた。だが、本当は真弓とそういうことがしたいって、思ってしまうほどのいやらしい女なんだあたしは)
雨宮は藍田の告白を聞いて、戸惑っていないと言うとウソになる。戸惑った。大いに。だって、先輩はそんなことをするような人ではないと思ったし、少なくとも好きな人に話しかけることも勇気がいる、そんな奥手な人物像が有式真弓だった。
(有式先輩……大人の女性な……私と違って、魅力的なマスターとエッチなことしてるんだ……ふーん……)
その時、雨宮の中で正体不明の何かが、鎌首をもたげて現れた。
それは、嫉妬であるかもしれないし、怒りでもあるかもしれないし、喜びでもあったのかもしれない。
(有式先輩……月丘はづきが好きで、そういうのしないと思ってたけど……ふーん、そうなんだ。だったら、私にもその隙間に入るチャンスができる)
ここで雨宮は戸惑ったふりをして、自分よりも歳上で未成年に性行為をした犯罪者だと糾弾することはできる。でも、そんなのはしたくない。したくないし、いいなと思った自分がいてしまった。相手の女性……藍田潮は、真弓に頼まれたという点をもっと強調して有利に話すこともできた。それでも彼女は自分に不利に、正直に話してくれた。
(私は……雨宮つばめは卑怯な女になりたくない! 私は……有式先輩に振り向いてもらえるような、良い女になりたい)
「マスター、先輩を助けてくれて、私に話してくれて、ありがとうございます」
「……つばめ、あたしに怒らないのか? だって、お前は真弓のことを……」
「好きです。私は有式先輩のことが好きです。どん底にいた私に手を伸ばしてくれて、笑いかけてくれて、救ってくれて、そんな有式先輩が好きです」
「っ……だったら」
「そんな先輩が困っていて、助けてくれたマスターに、感謝はすれど怒るなんてこと私ができるはずないじゃないですか。マスター。だったら、もう一度救いましょう。先輩を……有式先輩を私たちで救える手があるのなら、私たちの手で、先輩がまた笑えるように」
「────」
雨宮つばめは強い女だった。それだけの話。
藍田潮は少しでもそうだと信じなかった自分がバカだと歯噛みする。そして、藍田潮もまた覚悟を決めた。元より有式真弓を失うつもりなんて甚だない。
「分かった。つばめ。あたしとお前で、真弓を助けよう。あいつを起こして、それであいつの困った顔を見てやるっ! 剣太! 助ける手段は!?」
「はい。待ってました、その言葉を。ようやく覚悟が決まったみたいですね、二人とも。いいですか、兄さんを救う方法、それはずばり、兄さんにエッチなことをして興奮してもらう! です」
「「へ?」」女性二人は重ねるようにして、同時に変な声を出した。
もしかしたらそうかもな、と予想はしていたが……本当に来るとは思っていなかった。
赤い巨人が興奮をトリガーに変身することも、赤い巨人の暴走を止める方法も性的な行為をすること。赤い巨人に共通するのは、エッチな行為をすることである。
「えっ、と! 剣太君、え、エッチなことをするとは!?」
「そうだ、剣太! エッチなことをすると真弓が助かるのかよ!?」
「お、落ち着いて、二人とも! 今から話すから! そうだな……兄さんが持ってる赤い巨人の力には、自然治癒能力を上げるのも含まれているんだ。赤い巨人は人間としての機能を、全体的に何倍も何十倍も上げる。だから、人間が本来持っている自然治癒能力が高まるのも、自然な流れ……って感じなわけで、もう一度兄さんを興奮させて、赤い巨人に変身させれば……止まった心臓も、流れてなくなってしまった血も、元通り──あれ、二人ともどうしたの?」
雨宮、藍田の両者の顔が真っ赤に染まっている。
説明を受けている中で、実際に自分たちがエッチなことをするのを想像したのかもしれない。二人は、固まっていた。
「話は分かりました……剣太さん……えっと、その……え、エッチな行為は、二人でする必要あるんでしょうか……? もともとマスターとはそういうことをしていたわけですしっ、私がしなくてもいいんじゃないかなってっ!?」
「お、おい! つばめっ、何勝手に逃げようとしてる!? お前、さっき二人で助けるって言ったの忘れたのか!?」
「ち、違うんです! だって、助ける方法がこんな手段だとは……ちょっと予想はしてましたけどっ、実際に言われると難しいというか!? 私、そういうのしたことないですしっ、そ、その有式先輩にするのはもっと恥ずかしいというかっ!?」
「時間がないんです! 二人とも、兄さんは今死の間際にいるんです! 二人だけが、兄さんを救えるんです! お願いです......俺の兄さんを、助けてあげてください……!」
「剣太……」「剣太君……」
必死に頭を下げて真弓のことを助けてと懇願する剣太を見て、二人の頭は冷静に戻っていく。
今は、慌てている場合じゃない。恥ずかしい、だなんて言っている場合じゃない。
今は、真弓を助ける。それが自分たちのやること。
「とにかく、真弓をベッドに運ぶぞ。あっちに休憩室がある。剣太、つばめ手伝え」
「は、はい……! 分かりました」
「……ありがとうございます、潮さん、つばめさん」
三人で真弓のことを休憩室にあるベッドに運び、優しくその体を下ろす。
横になった真弓の顔は驚くほど白く青ざめていて、その肌も少し冷たくなってきている。
時間がない、と改めて認識させられる。
「それで……こういう時、どうすればいいんでしょうか? 私はこういうの経験なくて、やり方が分からなくて……やっぱり、そういうの詳しい? マスター一人に任せた方が」
「あたしだって、別に詳しいわけじゃない。えっとビデオとか、本で知識を……」
「確かに潮さん一人に任せるのもいいと思うんだけど、兄さんがこんな状態だから……少しでも興奮できる可能性を一パーセントでもあげたいんだ。だから、つばめさんにもしてほしい。兄さんにエッチなことをしてあげて」
「……エッチなこと……は、はい……私にできることがあれば……」
「じゃあ、俺はあっちで待ってるんで。俺がここにいると集中できないと思うし」
そういって、剣太は一度頭を下げた後、部屋を出ていく。
その休憩室には、雨宮と藍田の二人だけが静寂と共に残された。
変な緊張感がその場に流れる。二人は顔を見合わせて、ごくりと唾をのんだ。
「つばめ……あたしが口で試してみるから……あいつはあたしのフェラが好きでな……って、何を言っているんだかあたしは……。とにかく、試してみるから、つばめはキスをするなり、胸を押し付けるなりあいつにエッチなことをし続けてほしい」
「ふ、フェラ……ですか。私はそれ以外でエッチなことをし続ければいいんですね……わかりました」
「ふぅ……それじゃ始めるぞ、時間がないみたいだからな」
「は、はい……! 大丈夫です、先輩を救うんだから……」
藍田は横になった真弓の破れかかったズボンを下ろし、更にパンツまで脱がす。すると、真弓の小柄な性器が現れた。
それを見て、雨宮は顔を真っ赤に染め上げ、指の隙間から見つめた。
(あれが……先輩の……おちんちん……意外と、ちっちゃくて、可愛いんだな)
その柔らかい男性器を、藍田は優しく口の中に咥える。いやらしいふっくらとした唇ではさんで、舌で舐めていく。唇の下のほくろがやけにエロかった。
口の中に咥えても、舌で舐めても、反応がない真弓に藍田は焦る。これでもだめか、と。もしかしたら……簡単に起きてくれるのでは、と想像していたが、話は簡単で終わらないらしい。
汗が額に落ちながら、藍田は真剣に男性器を起たせるべく、舌を艶めかしく動かす。
「れぇろ……つばめ……もやってくれ」
「……わ、わかってます」
雨宮は恐る恐る閉じている雨宮の唇に、顔をゆっくりと近づけてキスをした。
人生で二回目のキスの味は、冷たかった。ファーストキスの時は、あんなにも熱かったのに。
無理やりに、指で唇を押し開けて、舌を口内に入れる。ディープキスだ。雨宮は舌を絡ませて、自分の胸を先輩の胸に押し付けた。
「せ、んぱい……はぁ……れろ……」
(どうか、起きてください……私を感じて……私のキスで……目覚めてください)
真弓の胸部に押し付けた、汗でぬれている胸を通して心臓の鼓動が伝わってこない。まだ動いていない。止まったまま。
これじゃ、ダメだ。ってわかってる。だから、雨宮は上半身の服を脱いで、ブラジャーを剥がして、自身の胸の先端を真弓の手に強引に当てた。無造作に開いている真弓の片手の形に、柔らかい少し朱色がかかったおっぱいが潰れていく。こんなにいやらしく、エロいことをしているのに、肝心の真弓は目覚めない。
(私……先輩にキスして……先輩の手に、おっぱい自分で押し当てて……感じてる……♡ わたしって、意識がない人に、なんていやらしくて破廉恥なことしてるんだろう……。気持ちいいって感じてる私は変態なのかな」
好きな人に、キスをして、胸を触られている。そう思うだけで頭が真っ白になっていく。
自分の唾液でぐちゃぐちゃになった舌を絡ませて、ねちゃねちゃと卑猥な音が鳴り響く。その後ろからじゅぽじゅぽと更に卑猥な音が鳴っていた。藍田がフェラをしているせいだろう。
雨宮はすこし、羨ましいと思った。先輩のおちんちんを独占している藍田が。自分も、やったことはないけれど、やってみたい。
先輩に胸を吸われた時……気持ちいいってかんじて……、
(そっか……胸はまだ吸わせてない……ね、先輩)
雨宮はキスをやめて絡ませていた舌を引き戻すと糸状の粘液がつぅと伸びる。そして、相手の胸に押し付けて、少し硬くなったおっぱいの先端を、真弓の口の中にやさしく入れた。
「先輩……私のおっぱいのことが好きなんですよね......? だからあの時、吸って……興奮して赤い巨人に……また、吸っていいんですよ……せんぱい……♡」
雨宮が乳首を真弓の舌の上に乗せたその時。
どくん、と真弓の胸からごくわずかな鼓動が鳴った。
どくん。どくん、どくん、どくんどくん、どくんどくんどくんどくんどくんどっくんっ。
次第にそのビートが、早くなり、大きくなり、心臓が動き始める。
そして、雨宮の乳首を吸うように、弱弱しくその口が狭められた。
「あ、ン……♡ 先輩が……動いてる……」
「本当か!? つばめ、もっとやれ……まだ油断はできないぞ」
「はい……もっと先輩にはわたしのおっぱいを吸ってもらわないといけないんですから……♡」
どんどん乳首を吸う力が強くなっていくことに雨宮は歓喜した。
それと共に精神が、気持ちよさで感じて余裕じゃなくなっていく。
(わたし……のおっぱい、先輩赤ちゃんみたいに吸ってる……可愛い……♡)
「もっと吸ってください……せんぱい、んン……あん、ん、きもち、い♡」
吸われる、強く吸われる。乳首を。母乳が出ないのに、存在しないはずの母乳が出るのを錯覚しながら、雨宮の体が震える。
「せんぱい♡ もっとっ♡ 吸って♡」
雨宮はもう片方の胸に、手で引っ張ってきた真弓の片手に押し付けた。ぐにゃりと、鷲づかみされて、気持ちいいポイントが一つ増える。
何かが来る。初めての感覚。
怖いけれど、嫌じゃない。むしろ早く来てほしい。もっと、もっと気持ちよくなって。
「……せ、んぱい……んんっ、アんっ! 気持ちいいっ……く、くる……せんぱい……っ♡」
これが噂に聞く絶頂というやつだろうか。
胸を吸われて、揉まれて、絶頂というものはするのだろうか?
分からない。しかし、今は分からないままでいい。
今はピンクで頭が染まったまま、気持ちよさで思考が染められたい。
先輩に、おっぱいをいっぱい吸われて、感じて、イきたい。
「っん……あン……♡ せ、せんぱいっ♡ い、イきます……先輩におっぱい吸われたままイっちゃいます……!♡ せ、せんぱいっ……い、イク──」
雨宮の体がぴくんと電撃を喰らったように震える。
びりびりと、気持ちよさの渦で頭がおかしくなる。
びくん、びくんと何度も体を震わせた後に、雨宮は前に倒れる。
きっと、疲労が溜まったうえに、先輩が目覚めてくれた安堵+初の絶頂がきたからだろう。
「あとはあたしに任せろ」という藍田の声を最後に聞いて、雨宮は笑いながら意識を手放した。
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気づけば、朝になっていた。ちゅんちゅんと小鳥のなく声がする。
真弓は目覚め、その状況を理解する。
裸の真弓にもたれかかるようにして、右腕には裸の雨宮が、左腕には裸の藍田が、体重を乗せて眠っていた。
「な、なんだよぉおおおおおお! この状況ーーーーーーーーーー!?」
真弓の叫び声がその部屋に、絶叫した。
有式剣太がそう二人に告げながら、倒れている少年の元に近づいた。
倒れている少年の名は有式真弓。剣太の兄である。
有式真弓は今、心肺が停止していて、死と生の狭間にある。シュレーディンガーの猫が生きているか死んでいるか分からない様に、真弓もまたその状況にあった。けれど、心臓が止まれば一般的に死と見なされることが多い。胸骨圧迫(心臓マッサージ)や、AED(自動体外式除細動器)といったもので、再び心臓が動き出すこと自体はよくある。有式剣太が言った、救う方法とはそのことを指しているのだろうか。
雨宮つばめ、藍田潮の女性二人は藁にも縋る思いで、剣太に話しかける。
「君は……剣太じゃないか……? 真弓を救えるのか?」
「剣太君、有式先輩を救える方法があって、それで私たちに協力できることがあるんですね?」
「あ、あぁ……そうだ。だから、そんな二人とも迫らないで!」
雨宮と藍田が剣太に鬼気迫る勢いで聞いたものだから、剣太は慌てるようにして落ち着いて、と声をかけた。「すみません」「すまん…」と女性二人が謝り、ひとまず状況が落ち着く。
「兄さんの状況がとても悪いってことは知ってる。兄さんの脈に小型の脈拍測定器を着けてあるから……脈が止まってるのも知ってる」
「どうすれば……先輩は助かるんですか。もう心臓が止まって、一分ほどは経ってしまっています。あと、出血量もかなりのものです......心臓が動き出しても、出血の方はどうにもなりません」
「つばめさん、大丈夫です。つばめさんは兄さんの力について、どれほど知っていますか? 潮さんも」
剣太に赤い巨人についてどれほど知っているのか、聞かれて二人は急いで記憶を探ってみるがあまり出てこない。当然だ、二人は赤い巨人の力についてそれほど多く知らない。雨宮はついさっき知ったばかりだし、藍田の方も超パワーがあるだとか力が暴走するからエッチなことをしてほしいとか、そんなことしか知らなかった。
自分たちが真弓のことを何も知らないんだと分かって、二人は顔を深刻なものに変える。
「そんな顔しなくても、平気ですよ。兄さんはあまり人に力を話すのを嫌がっていましたから。潮さんは少しは知ってるんじゃないですか?」
「そ、そうだな……あたしは真弓から力のことを少し話してもらった。力が暴走するとか、それを止めるために……止めるために」
「止めるために、なんですか? マスター?」
「そ、それはだなっ」
雨宮に話の続きを急かされて、顔を赤らめて何やら悶々と逡巡している藍田。
その理由は、同性であり、高校一年という歳下に言うのが躊躇われるものだ。ついでに、雨宮は真弓のことを明らかに意識していることを藍田は知っていた。そんな彼女に遥か歳上の女性である自分が、成人前の学生相手に性的な行為をしているなんて言えるはずもなかった。
性的な行為。藍田が真弓に、口姦(フェラ)や手姦(手コキ)を週に三回以上はしている、だなんて言えるわけがない。それが赤い巨人の暴走を止めるために必要な行為だという大義名分があったとしても、簡単に言える内容ではない。
自分が真弓にしたことの数々を思い出し、顔が更に赤くなっていく藍田を見て、ごほんとわざとらしく咳をした剣太が口を開いた。
「潮さん、言いにくいのは分かります。ですが、もう時間はないんです。兄さんを救えなくなるのは、俺はごめんです。だから、今は恥ずかしいなんて言っている状況じゃないのは潮さんも分かっているでしょう」
「け、剣太……分かった。つばめ……あたしは、最低でも週に三回以上は真弓にエッチなことをしている!」
「──ま、すたー……? それって、マスターが先輩に……ですか」
「あ、あぁ! いいかつばめ! あたしは、真弓がこのままだと力が暴走するって言われて……、いや、あたしは歳下の男子に向かって、エッチなことをあたしの意思で、したいって思ってした! どうだ、これでいいかっ!? あたしは、歳下の男に向かって、興奮した気持ち悪いおばさんなんだっ!」
「マスター……」
藍田潮は、最初真弓から性的な行為をしてほしいとお願いされて、戸惑った。自分は今年の誕生日を迎えれば30歳になるいいお歳の女性だ。そんな自分がまだ16歳の少年に対して、するのもおかしいと思ったし、29歳にもなって男とそんな行為をしたことがない自分にも恥ずかしい思いもあった。
でも、真弓が困っているのを知って、素直に受け入れる自分がいた。真弓を困らせたくない。真弓が泣いているところなど見たくない。ヒーローになりたいなら応援したい。そう純粋に思うことができた。その一方で、真弓に性的な行為をしていく中で、興奮してエッチな気分に自分がなっているのも知っている。
(あたしは確かに真弓のお願いをしてやっていた。だが、本当は真弓とそういうことがしたいって、思ってしまうほどのいやらしい女なんだあたしは)
雨宮は藍田の告白を聞いて、戸惑っていないと言うとウソになる。戸惑った。大いに。だって、先輩はそんなことをするような人ではないと思ったし、少なくとも好きな人に話しかけることも勇気がいる、そんな奥手な人物像が有式真弓だった。
(有式先輩……大人の女性な……私と違って、魅力的なマスターとエッチなことしてるんだ……ふーん……)
その時、雨宮の中で正体不明の何かが、鎌首をもたげて現れた。
それは、嫉妬であるかもしれないし、怒りでもあるかもしれないし、喜びでもあったのかもしれない。
(有式先輩……月丘はづきが好きで、そういうのしないと思ってたけど……ふーん、そうなんだ。だったら、私にもその隙間に入るチャンスができる)
ここで雨宮は戸惑ったふりをして、自分よりも歳上で未成年に性行為をした犯罪者だと糾弾することはできる。でも、そんなのはしたくない。したくないし、いいなと思った自分がいてしまった。相手の女性……藍田潮は、真弓に頼まれたという点をもっと強調して有利に話すこともできた。それでも彼女は自分に不利に、正直に話してくれた。
(私は……雨宮つばめは卑怯な女になりたくない! 私は……有式先輩に振り向いてもらえるような、良い女になりたい)
「マスター、先輩を助けてくれて、私に話してくれて、ありがとうございます」
「……つばめ、あたしに怒らないのか? だって、お前は真弓のことを……」
「好きです。私は有式先輩のことが好きです。どん底にいた私に手を伸ばしてくれて、笑いかけてくれて、救ってくれて、そんな有式先輩が好きです」
「っ……だったら」
「そんな先輩が困っていて、助けてくれたマスターに、感謝はすれど怒るなんてこと私ができるはずないじゃないですか。マスター。だったら、もう一度救いましょう。先輩を……有式先輩を私たちで救える手があるのなら、私たちの手で、先輩がまた笑えるように」
「────」
雨宮つばめは強い女だった。それだけの話。
藍田潮は少しでもそうだと信じなかった自分がバカだと歯噛みする。そして、藍田潮もまた覚悟を決めた。元より有式真弓を失うつもりなんて甚だない。
「分かった。つばめ。あたしとお前で、真弓を助けよう。あいつを起こして、それであいつの困った顔を見てやるっ! 剣太! 助ける手段は!?」
「はい。待ってました、その言葉を。ようやく覚悟が決まったみたいですね、二人とも。いいですか、兄さんを救う方法、それはずばり、兄さんにエッチなことをして興奮してもらう! です」
「「へ?」」女性二人は重ねるようにして、同時に変な声を出した。
もしかしたらそうかもな、と予想はしていたが……本当に来るとは思っていなかった。
赤い巨人が興奮をトリガーに変身することも、赤い巨人の暴走を止める方法も性的な行為をすること。赤い巨人に共通するのは、エッチな行為をすることである。
「えっ、と! 剣太君、え、エッチなことをするとは!?」
「そうだ、剣太! エッチなことをすると真弓が助かるのかよ!?」
「お、落ち着いて、二人とも! 今から話すから! そうだな……兄さんが持ってる赤い巨人の力には、自然治癒能力を上げるのも含まれているんだ。赤い巨人は人間としての機能を、全体的に何倍も何十倍も上げる。だから、人間が本来持っている自然治癒能力が高まるのも、自然な流れ……って感じなわけで、もう一度兄さんを興奮させて、赤い巨人に変身させれば……止まった心臓も、流れてなくなってしまった血も、元通り──あれ、二人ともどうしたの?」
雨宮、藍田の両者の顔が真っ赤に染まっている。
説明を受けている中で、実際に自分たちがエッチなことをするのを想像したのかもしれない。二人は、固まっていた。
「話は分かりました……剣太さん……えっと、その……え、エッチな行為は、二人でする必要あるんでしょうか……? もともとマスターとはそういうことをしていたわけですしっ、私がしなくてもいいんじゃないかなってっ!?」
「お、おい! つばめっ、何勝手に逃げようとしてる!? お前、さっき二人で助けるって言ったの忘れたのか!?」
「ち、違うんです! だって、助ける方法がこんな手段だとは……ちょっと予想はしてましたけどっ、実際に言われると難しいというか!? 私、そういうのしたことないですしっ、そ、その有式先輩にするのはもっと恥ずかしいというかっ!?」
「時間がないんです! 二人とも、兄さんは今死の間際にいるんです! 二人だけが、兄さんを救えるんです! お願いです......俺の兄さんを、助けてあげてください……!」
「剣太……」「剣太君……」
必死に頭を下げて真弓のことを助けてと懇願する剣太を見て、二人の頭は冷静に戻っていく。
今は、慌てている場合じゃない。恥ずかしい、だなんて言っている場合じゃない。
今は、真弓を助ける。それが自分たちのやること。
「とにかく、真弓をベッドに運ぶぞ。あっちに休憩室がある。剣太、つばめ手伝え」
「は、はい……! 分かりました」
「……ありがとうございます、潮さん、つばめさん」
三人で真弓のことを休憩室にあるベッドに運び、優しくその体を下ろす。
横になった真弓の顔は驚くほど白く青ざめていて、その肌も少し冷たくなってきている。
時間がない、と改めて認識させられる。
「それで……こういう時、どうすればいいんでしょうか? 私はこういうの経験なくて、やり方が分からなくて……やっぱり、そういうの詳しい? マスター一人に任せた方が」
「あたしだって、別に詳しいわけじゃない。えっとビデオとか、本で知識を……」
「確かに潮さん一人に任せるのもいいと思うんだけど、兄さんがこんな状態だから……少しでも興奮できる可能性を一パーセントでもあげたいんだ。だから、つばめさんにもしてほしい。兄さんにエッチなことをしてあげて」
「……エッチなこと……は、はい……私にできることがあれば……」
「じゃあ、俺はあっちで待ってるんで。俺がここにいると集中できないと思うし」
そういって、剣太は一度頭を下げた後、部屋を出ていく。
その休憩室には、雨宮と藍田の二人だけが静寂と共に残された。
変な緊張感がその場に流れる。二人は顔を見合わせて、ごくりと唾をのんだ。
「つばめ……あたしが口で試してみるから……あいつはあたしのフェラが好きでな……って、何を言っているんだかあたしは……。とにかく、試してみるから、つばめはキスをするなり、胸を押し付けるなりあいつにエッチなことをし続けてほしい」
「ふ、フェラ……ですか。私はそれ以外でエッチなことをし続ければいいんですね……わかりました」
「ふぅ……それじゃ始めるぞ、時間がないみたいだからな」
「は、はい……! 大丈夫です、先輩を救うんだから……」
藍田は横になった真弓の破れかかったズボンを下ろし、更にパンツまで脱がす。すると、真弓の小柄な性器が現れた。
それを見て、雨宮は顔を真っ赤に染め上げ、指の隙間から見つめた。
(あれが……先輩の……おちんちん……意外と、ちっちゃくて、可愛いんだな)
その柔らかい男性器を、藍田は優しく口の中に咥える。いやらしいふっくらとした唇ではさんで、舌で舐めていく。唇の下のほくろがやけにエロかった。
口の中に咥えても、舌で舐めても、反応がない真弓に藍田は焦る。これでもだめか、と。もしかしたら……簡単に起きてくれるのでは、と想像していたが、話は簡単で終わらないらしい。
汗が額に落ちながら、藍田は真剣に男性器を起たせるべく、舌を艶めかしく動かす。
「れぇろ……つばめ……もやってくれ」
「……わ、わかってます」
雨宮は恐る恐る閉じている雨宮の唇に、顔をゆっくりと近づけてキスをした。
人生で二回目のキスの味は、冷たかった。ファーストキスの時は、あんなにも熱かったのに。
無理やりに、指で唇を押し開けて、舌を口内に入れる。ディープキスだ。雨宮は舌を絡ませて、自分の胸を先輩の胸に押し付けた。
「せ、んぱい……はぁ……れろ……」
(どうか、起きてください……私を感じて……私のキスで……目覚めてください)
真弓の胸部に押し付けた、汗でぬれている胸を通して心臓の鼓動が伝わってこない。まだ動いていない。止まったまま。
これじゃ、ダメだ。ってわかってる。だから、雨宮は上半身の服を脱いで、ブラジャーを剥がして、自身の胸の先端を真弓の手に強引に当てた。無造作に開いている真弓の片手の形に、柔らかい少し朱色がかかったおっぱいが潰れていく。こんなにいやらしく、エロいことをしているのに、肝心の真弓は目覚めない。
(私……先輩にキスして……先輩の手に、おっぱい自分で押し当てて……感じてる……♡ わたしって、意識がない人に、なんていやらしくて破廉恥なことしてるんだろう……。気持ちいいって感じてる私は変態なのかな」
好きな人に、キスをして、胸を触られている。そう思うだけで頭が真っ白になっていく。
自分の唾液でぐちゃぐちゃになった舌を絡ませて、ねちゃねちゃと卑猥な音が鳴り響く。その後ろからじゅぽじゅぽと更に卑猥な音が鳴っていた。藍田がフェラをしているせいだろう。
雨宮はすこし、羨ましいと思った。先輩のおちんちんを独占している藍田が。自分も、やったことはないけれど、やってみたい。
先輩に胸を吸われた時……気持ちいいってかんじて……、
(そっか……胸はまだ吸わせてない……ね、先輩)
雨宮はキスをやめて絡ませていた舌を引き戻すと糸状の粘液がつぅと伸びる。そして、相手の胸に押し付けて、少し硬くなったおっぱいの先端を、真弓の口の中にやさしく入れた。
「先輩……私のおっぱいのことが好きなんですよね......? だからあの時、吸って……興奮して赤い巨人に……また、吸っていいんですよ……せんぱい……♡」
雨宮が乳首を真弓の舌の上に乗せたその時。
どくん、と真弓の胸からごくわずかな鼓動が鳴った。
どくん。どくん、どくん、どくんどくん、どくんどくんどくんどくんどくんどっくんっ。
次第にそのビートが、早くなり、大きくなり、心臓が動き始める。
そして、雨宮の乳首を吸うように、弱弱しくその口が狭められた。
「あ、ン……♡ 先輩が……動いてる……」
「本当か!? つばめ、もっとやれ……まだ油断はできないぞ」
「はい……もっと先輩にはわたしのおっぱいを吸ってもらわないといけないんですから……♡」
どんどん乳首を吸う力が強くなっていくことに雨宮は歓喜した。
それと共に精神が、気持ちよさで感じて余裕じゃなくなっていく。
(わたし……のおっぱい、先輩赤ちゃんみたいに吸ってる……可愛い……♡)
「もっと吸ってください……せんぱい、んン……あん、ん、きもち、い♡」
吸われる、強く吸われる。乳首を。母乳が出ないのに、存在しないはずの母乳が出るのを錯覚しながら、雨宮の体が震える。
「せんぱい♡ もっとっ♡ 吸って♡」
雨宮はもう片方の胸に、手で引っ張ってきた真弓の片手に押し付けた。ぐにゃりと、鷲づかみされて、気持ちいいポイントが一つ増える。
何かが来る。初めての感覚。
怖いけれど、嫌じゃない。むしろ早く来てほしい。もっと、もっと気持ちよくなって。
「……せ、んぱい……んんっ、アんっ! 気持ちいいっ……く、くる……せんぱい……っ♡」
これが噂に聞く絶頂というやつだろうか。
胸を吸われて、揉まれて、絶頂というものはするのだろうか?
分からない。しかし、今は分からないままでいい。
今はピンクで頭が染まったまま、気持ちよさで思考が染められたい。
先輩に、おっぱいをいっぱい吸われて、感じて、イきたい。
「っん……あン……♡ せ、せんぱいっ♡ い、イきます……先輩におっぱい吸われたままイっちゃいます……!♡ せ、せんぱいっ……い、イク──」
雨宮の体がぴくんと電撃を喰らったように震える。
びりびりと、気持ちよさの渦で頭がおかしくなる。
びくん、びくんと何度も体を震わせた後に、雨宮は前に倒れる。
きっと、疲労が溜まったうえに、先輩が目覚めてくれた安堵+初の絶頂がきたからだろう。
「あとはあたしに任せろ」という藍田の声を最後に聞いて、雨宮は笑いながら意識を手放した。
====
気づけば、朝になっていた。ちゅんちゅんと小鳥のなく声がする。
真弓は目覚め、その状況を理解する。
裸の真弓にもたれかかるようにして、右腕には裸の雨宮が、左腕には裸の藍田が、体重を乗せて眠っていた。
「な、なんだよぉおおおおおお! この状況ーーーーーーーーーー!?」
真弓の叫び声がその部屋に、絶叫した。
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