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利用者さんのお話
古手川さん
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新しい利用者の女性、古手川さんが入居してきた。
古手川さんはとても穏やかな方のだが、被害妄想の症状がひどく、一度スイッチが入ると手の付けようがなくなってしまう。
古手川さんには(プラトニックかどうかは知らないが)彼氏がいたそうだ。
彼は野木君というのだか、彼もまた統合失調症で病院で知り合ったそうだ。
平穏な日々が続くある日の出勤後、古手川さんの状態が悪く何があったかとスタッフに聞くと、
どうやら女性スタッフに彼氏を取られそうに思い込んでしまっているとの事だった。
それで我慢ができずに壁に頭を打ち付けたり、拳を叩きつけていたようだった。
不穏時の頓服薬(リスペリドン)を服用し、私が話を傾聴して少し収まってきたようだった。
しかし古手川さんの被害妄想は斜め上60度くらいいっていた。
「K事務長はゲイで野木くんと出来てたりしないですよね?!」
「ゲイでSEXってどうやるんですかね?」
と尋ねてきた。さすがの私も傾聴を真剣にしていたが笑ってしまった。
一応ゲイではない事、私が野木君の住所も詳細も知らないことを伝えると
「そうですよね、ゲイで出来てるなんて自分でもおかしい発想でした・・・。」
ちなみに古手川さんはそれなりに美人だったので、後から女性利用者に
「K事務長を独占してずるい!」などの反応が周りからあった。
自慢できるほどのイケメンではないが、ブサイクではない自信はあるので
まぁけっこう女性利用者さんからやきもちを妬かれやすいので、女性の対応する時は
細心の注意を心がけてはいた。が、限界もあるようだった。
その日は退勤まで他の女性利用者さんから捉まってしまい、事務作業ができなかった。
古手川さんは波があったけれども、無事GH(グループホーム)へ移行できたのはもう少し先のお話になるのであった。
おわり。
古手川さんはとても穏やかな方のだが、被害妄想の症状がひどく、一度スイッチが入ると手の付けようがなくなってしまう。
古手川さんには(プラトニックかどうかは知らないが)彼氏がいたそうだ。
彼は野木君というのだか、彼もまた統合失調症で病院で知り合ったそうだ。
平穏な日々が続くある日の出勤後、古手川さんの状態が悪く何があったかとスタッフに聞くと、
どうやら女性スタッフに彼氏を取られそうに思い込んでしまっているとの事だった。
それで我慢ができずに壁に頭を打ち付けたり、拳を叩きつけていたようだった。
不穏時の頓服薬(リスペリドン)を服用し、私が話を傾聴して少し収まってきたようだった。
しかし古手川さんの被害妄想は斜め上60度くらいいっていた。
「K事務長はゲイで野木くんと出来てたりしないですよね?!」
「ゲイでSEXってどうやるんですかね?」
と尋ねてきた。さすがの私も傾聴を真剣にしていたが笑ってしまった。
一応ゲイではない事、私が野木君の住所も詳細も知らないことを伝えると
「そうですよね、ゲイで出来てるなんて自分でもおかしい発想でした・・・。」
ちなみに古手川さんはそれなりに美人だったので、後から女性利用者に
「K事務長を独占してずるい!」などの反応が周りからあった。
自慢できるほどのイケメンではないが、ブサイクではない自信はあるので
まぁけっこう女性利用者さんからやきもちを妬かれやすいので、女性の対応する時は
細心の注意を心がけてはいた。が、限界もあるようだった。
その日は退勤まで他の女性利用者さんから捉まってしまい、事務作業ができなかった。
古手川さんは波があったけれども、無事GH(グループホーム)へ移行できたのはもう少し先のお話になるのであった。
おわり。
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