4 / 10
利用者さんのお話
あらー!大変だわw
しおりを挟む
日常業務に慣れてきた頃。
主に身体面での障害が大きい女性利用者さん、知花さんと話すことが増えた時期だった。
一対一ではなくて、他の利用者さんも混ざって会話をしたり、トランプをしたりしていた。
みんな大分平穏でいい感じに雰囲気が出来てたと、その時は思っていた
夕食の時、軽度の発達障害、知的障害がある滝さんが夕食を放り投げ、突然泣き出したのであった。
食堂から逃げるように自室に戻った滝さんだが、サビ管が様子を見にいった。
内容はこうであった。
「K事務長がいつも知花ちゃんとばかり話していて、私の事は好きじゃないから耐えられなかった」
「K事務長にもっと好かれたいのに、どうしていいか分からない」と泣いていた。
これは困ったぞ!好かれるのは嬉しい事だが、こんな事になるとは思わなんだ笑。
施設長の入江とサビ管に相談し、しばらく私はスタッフルームで作業することになった。
一度遠ざけて諦めてもらおうオペレーションが発動した。
しかし、しかし!滝さんの情熱的なアプローチは終わらなかった、むしろ始まったのである。
退勤して車に乗ろうとすると玄関で待ち伏せされたり、出勤の時も出待ちされたりといろいろあった。
滝さんに話した。
「滝さんがやきもち焼いて不穏になると周りが怖がっちゃうから、今は滝さんと離れてる。」
「滝さんがやきもち焼かずに前の通りにしてくれれば戻れるから頑張ろう?」と。
その後滝さんがやきもち焼いてしまうと周りが不穏になること、イライラしても物を投げたりしないで。
等とどうすれば前の状態になれるか話をしていた。
な、なんと今度はそれを見ていた知花さんがやきもちを焼き始めた!!
※モテる男はつらいぜ、なーんてね
今度は知花さんが滝さんのようになってしまった。知花さんは滝さんを無視するなど感情的に何かをするというよりは、無視するなどそっち系の行動でやきもちを焼いていた。
結局最後には、お互いが滝さんに、知花さんに嫌われていて悲しい、と訴えてまできた。もう本末転倒ですわ笑
施設長、サビ管が入り、恋愛感情を持つのは自由だけどスタッフはそういう事に対して本気になったり、個別対応は今後一切しません、二人がやきもち焼いても周りに迷惑をかけないように、と約束し、一旦この件は終わったのだった。
文字に起こすと、なんてことない痴話げんかかと思われるかもしれないが、知的障害をもつ人に理解してもらうのはとっても難しいのです...
知的障害全般とは言わないが、理解より感情が優先されてしまって本人が分かっててもどうしようもないジレンマがあるのだ。自分だけかもしれないが、理解を求めようと必死に伝えてもその30分後にはもう別の感情で走り出してしまう、知的障害の方の支援は私はとても苦手だなと、今改めて思う。
今回は痴情のもつれ?みたいなお話だったが今だからこそ笑えるが、自分が悪くないのに自分がやり玉にあがるのはなんとも大変であった。
皆さんの周りに軽度の知的障害を持っていて性格が頑固だなーと思う人がいるかもしれないが、その人も自分自身に苦しんでいるので、どうか優しく接してあげてほしい。
というお話でした。
終わり。
主に身体面での障害が大きい女性利用者さん、知花さんと話すことが増えた時期だった。
一対一ではなくて、他の利用者さんも混ざって会話をしたり、トランプをしたりしていた。
みんな大分平穏でいい感じに雰囲気が出来てたと、その時は思っていた
夕食の時、軽度の発達障害、知的障害がある滝さんが夕食を放り投げ、突然泣き出したのであった。
食堂から逃げるように自室に戻った滝さんだが、サビ管が様子を見にいった。
内容はこうであった。
「K事務長がいつも知花ちゃんとばかり話していて、私の事は好きじゃないから耐えられなかった」
「K事務長にもっと好かれたいのに、どうしていいか分からない」と泣いていた。
これは困ったぞ!好かれるのは嬉しい事だが、こんな事になるとは思わなんだ笑。
施設長の入江とサビ管に相談し、しばらく私はスタッフルームで作業することになった。
一度遠ざけて諦めてもらおうオペレーションが発動した。
しかし、しかし!滝さんの情熱的なアプローチは終わらなかった、むしろ始まったのである。
退勤して車に乗ろうとすると玄関で待ち伏せされたり、出勤の時も出待ちされたりといろいろあった。
滝さんに話した。
「滝さんがやきもち焼いて不穏になると周りが怖がっちゃうから、今は滝さんと離れてる。」
「滝さんがやきもち焼かずに前の通りにしてくれれば戻れるから頑張ろう?」と。
その後滝さんがやきもち焼いてしまうと周りが不穏になること、イライラしても物を投げたりしないで。
等とどうすれば前の状態になれるか話をしていた。
な、なんと今度はそれを見ていた知花さんがやきもちを焼き始めた!!
※モテる男はつらいぜ、なーんてね
今度は知花さんが滝さんのようになってしまった。知花さんは滝さんを無視するなど感情的に何かをするというよりは、無視するなどそっち系の行動でやきもちを焼いていた。
結局最後には、お互いが滝さんに、知花さんに嫌われていて悲しい、と訴えてまできた。もう本末転倒ですわ笑
施設長、サビ管が入り、恋愛感情を持つのは自由だけどスタッフはそういう事に対して本気になったり、個別対応は今後一切しません、二人がやきもち焼いても周りに迷惑をかけないように、と約束し、一旦この件は終わったのだった。
文字に起こすと、なんてことない痴話げんかかと思われるかもしれないが、知的障害をもつ人に理解してもらうのはとっても難しいのです...
知的障害全般とは言わないが、理解より感情が優先されてしまって本人が分かっててもどうしようもないジレンマがあるのだ。自分だけかもしれないが、理解を求めようと必死に伝えてもその30分後にはもう別の感情で走り出してしまう、知的障害の方の支援は私はとても苦手だなと、今改めて思う。
今回は痴情のもつれ?みたいなお話だったが今だからこそ笑えるが、自分が悪くないのに自分がやり玉にあがるのはなんとも大変であった。
皆さんの周りに軽度の知的障害を持っていて性格が頑固だなーと思う人がいるかもしれないが、その人も自分自身に苦しんでいるので、どうか優しく接してあげてほしい。
というお話でした。
終わり。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説



ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる