異世界に射出された俺、『大地の力』で快適森暮らし始めます!

らもえ

文字の大きさ
上 下
62 / 117
魔大陸

141.アイオリス火山へ

しおりを挟む





「なんか変なヤツだったな」

 俺は疑問に思いながらもリビングデッドアークのキャプテンムックが落としたドロップアイテムを拾う。
 ドロップアイテムは魔石と三角帽子トリコーン、カットラスだった。
 ヘルグールは魔石と長い爪を落とした。
 しかし帽子とカットラスなぁ、海賊ごっこでもしろとでも言うのか。

 ~~~~~
 階層ボスの報酬
 罠・呪い
 ~~~~~

 俺はいつの間にか現れた宝箱を鑑定する。

「ミーシャ、呪いの罠だ」

「ふむ、上級の罠だな。少し時間をくれ」

 ミーシャがカチャカチャと宝箱をいじる。

「ノーナ。狙われていたみたいけど大丈夫だったか?」

 俺はノーナの方に向き直り、様子を確かめる。

「あい! あいんが守ってくれました!」

 ぴょこんとノーナが手を上げるとアホ毛も一緒に揺れた。

 カシャカシャ……カチャリ

「うむ。開いたぞ」

 ミーシャが宝箱を開ける。

 ~~~~~
 精霊珠
 海の精霊の力が宿っている
 ~~~~~

 ~~~~~
 ローズクォーツのイヤリング
 魔力、スタミナアップ
 ~~~~~

 ~~~~~
 アクアマリンのペンダント
 水の魔力アップ
 ~~~~~

 その他多数の宝石類、だ。

 今回は宝飾品が多いな。
 さすがは海賊のお宝と言ったところか?
 留守番組のお土産にもいい。

 精霊珠はノーナが珍しく欲しがったのでノーナに、イヤリングはガーベラ、ペンダントはクーデリアに渡った。

「マスター、コアルームへ行きましょう」

 ティファの案内で、奥の転移石のある部屋から、隠されていたコアルームへと続く扉を開き皆で赴く。
 さらに下に降りればコアルームだ。

 ここでもティファがコアとなにやら交渉し、俺が大地の力を流し込んだ。
 コアの統合とやらも済ませた。

 その後は地上まで皆で転移し、甲板から笛でエウリフィアを呼んで一度拠点へと戻った。



「ずーるーいーのーじゃー! 妾も行くー!」

 駄々をこねているのはエルフの幼女だ。
 いや、神樹の森の女王様な。これでも。

「叔母上、執務はどうなりますか?」

 アルカが眉をピクピクさせながらゼフィちゃんに問いかける。

「うむ! 直近の執務は滞りなく済ませた!」

 えっへん! と平らな胸を張るゼフィちゃん。

「くっ……私は巫女の仕事で行けません……あなた様、叔母上をどうかよろしくお願いします」

 アルカがペコリと頭を下げる。
 という事で、俺、ミーシャ、ティファ、ガーベラ、ゼフィちゃんとアイン、ツヴァイを連れて次のダンジョンへ。

「もぐもぐ……じゃあ、お姉ちゃんが運んであげますねぇ」

 ハンバーガーを食べながら駄龍、もといエウリフィアが言った。
 ヴェルとアウラの世話は留守番組に任せる。


 俺たちはエウリフィアの背に乗って次のダンジョン、アイオリス火山へと向かうのだった。


 アイオリス火山の麓の街へと行く。
 ここは温泉街のようで、逗留客で賑わっていた。

「温泉……」

 ティファが珍しく物欲しそうな顔で呟く。

「終わったら俺たちも一泊しようぜ!」

 俺が皆に声をかけた。
 銘々にうなずき、キョロキョロと周りを見ながらダンジョンのある建屋へ。

 ティファが設置してある転移石に触れ、目を閉じる。

「行けます、マスター」

 ティファが開いた目には何かの文字が流れている。
 皆がティファに触れて転移。

「八十九階層へ」

 浮遊感を覚えるとそこは溶岩の海だった。
 ポツポツと足場のように小さな島が並んでいる。

「こりゃあまた骨が折れそうだな」

 俺が辺りを見回しながら呟く。
 溶岩は煌々と辺りを照らし、熱を放っている。
 うだるような暑さだ。
 頭の上のルンがベチャッと潰れる。

「むう。暑くてかなわんのじゃ。マリンちゃん」

 ゼフィちゃんの呼びかけに水の精霊が応える。
 水の精霊が腕を振ると、俺たちの周りに水のヴェールのようなものが張られた。
 こりゃあ良い。涼しくなった。
 ルンも形を取り戻し、ミョンミョンと元気だ。

 んん? ゼフィちゃんの顔の横に何かついてるぞ?

「ゼフィちゃん。その顔の横の奴はなんだ?」

「む? のわっ!? なんか耳がムズムズすると思ったのじゃ!」

 ゼフィちゃんの長い耳に何かずんぐりとした小さなトカゲのようなものがかじり付いていた。

 ~~~~~
 サラマンダー
 火の精霊
 ~~~~~

 俺が鑑定すると、そのように書かれていた。

「ゼフィちゃん! 火の精霊のサラマンダーだ!」

 俺がゼフィちゃんに告げる。

「なに!? 火精霊じゃと!? これは契約せねばなのじゃ!」

 ゼフィちゃんがガシッとサラマンダーを掴むと、顔の前に持っていく。
 なにやら見つめ合う両者。
 サラマンダーはクリっとした目で首をかしげている。
 な~に? とでも言いたそうだ。

「妾、ゼフィランサス=セフィロトスの名のもとに、寄り添ってくれると誓うか?」

 ボッ! と口から火を吐き、つぶらな瞳でゼフィちゃんを見つめるサラマンダー。

「うむうむ。良きかな。では今からお主はサラちゃんなのじゃ」

 またボッ! と小さな火を吐くサラちゃん。
 これが精霊との契約か。
 意外と簡単なんだな。
 俺はすんなりと契約したゼフィちゃんを見てそう思った。

 実際はもっといろいろと条件なんかがあるんだろうけどな。
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。