異世界に射出された俺、『大地の力』で快適森暮らし始めます!

らもえ

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魔大陸

137.コアルームへ

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「大丈夫か!? ガーベラ!」

「婿殿、すまない。肩を貸してくれ」

 大剣を杖にしたガーベラに肩を貸して歩き、皆のところへ。
 意識のない皆にポーションを使っていく。

 これでよし。
 俺がリトルベヒーモスの居た方を見ると、いつの間にか宝箱が出現していた。

 ~~~~~
 階層ボスの報酬
 罠・なし
 ~~~~~

 鑑定をかけると、宝箱の罠は無いみたいだ。

 しばらく休んでいると皆が目を覚ます。

「む。ここは……」

「不覚を取りました、マスター」

「あう……」

「いてて。あ、あれ? ボクは……?」

「おう、みんな無事で何よりだ」

 俺が皆に声をかける。

「クルルゥ」
「キュアッ」

 抱っこ紐の中のヴェルとアウラも元気そうだ。
 一時はどうなることかと思ったが、何とかなった。

「二匹ともありがとな」

 俺はヴェルとアウラに大地の力を注ぐ。

「クルルゥ♪」
「キュアッ♪」

 キャッキャッと喜ぶ二匹。
 と、そこへ人影が……と思ったらアインだった。
 そこはかとなく哀愁が漂っている。
 ドヨ~~ンだ。

「アインもお疲れ様な」

 俺は立ち上がり、アインの肩をポンポンとしながら大地の力を流した。

「さ、みんなも起きたことだし宝箱の中でもみようぜ!」

 俺はつとめて明るい声を出した。

「む、うむ。そうだな。して、コウヘイ。あれからどうなったのだ?」

「おう、みんな倒れているから焦ったぜ。あの後はな……斯々かくかく然々しかじか

「ふむ。手間を取らせた。ガーベラもありがとう」

 ミーシャがガーベラに礼を言う。

「うむ。こういうのはお互い様さ」

 ガーベラが人差し指で鼻の下を擦りながら照れたように言った。
 さて! 宝箱の中身は? っと。

「ノーナ開けてみるか?」

「あう……でも、のーな、コーへが大変な時いないいないしてた……」

 ノーナがションボリとしている。アホ毛もへにょりだ。
 俺はノーナを抱き上げると高い高いをしてやる。

「馬鹿だな、そんなのはいいっこなしだぜ!」

 キャッキャッとノーナの顔に笑顔が戻る。
 気を取り直し、ノーナと一緒に宝箱を開けた。


 ~~~~~
 獣王の短剣
 よく切れる
 ~~~~~

 ~~~~~
 獣王のマント
 俊敏アップ
 ~~~~~

 ~~~~~
 獣王の槍
 よく突ける
 ~~~~~

 ~~~~~
 インペリアルトパーズの指輪
 土の魔力アップ、土矢を生み出す
 ~~~~~

 その他ポーション類、だ。

「うーん。ウチで槍を使うやついないんだよなぁ。短剣はミーシャか?」

「ふむ。誰もいらないのであれば貰うが。いいのか?」

 ミーシャが皆を見回す。

「ボクは今回はいいかなぁ」

「あい」

「マスター。ワタシも特には……」

「ならば、婿殿。我はマントを所望する」

 お、ガーベラはマントね。
 それじゃ槍と指輪はしまっておくか。
 リトルベヒーモスの魔石とドロップアイテムもしまっておく。
 ドロップアイテムは巨大な角だった。

 俺たちは奥の扉を開けて転移石が置いてある部屋へと入った。

「マスター、少々お待ち下さい」

 ティファが転移石に触れる。
 すると音もなく壁に入り口が現れる。

「こちらです、マスター」

 スタスタと先に行くティファを皆で追いかける。
 入ってすぐの階段を降りれば、ダンジョンコアのあるコアルームだ。
 大きな鈍く光る石が俺たちを迎える。
 石の周りには魔法文字のようなものが光を発しながら周回している。

「チチチ……何用ですか?第562番……チチチ」

「マスターの軍門に下りなさい」

 ええ!? 俺もダンジョンコアに何の用かと思ってたよ。

「チチチ……穏やかではないですね。ココを乗っ取るつもりですか?……チチチ」

「いえ、マスターの指揮下に入ればその他は自由です」

 ……。
 しばらくティファとダンジョンコアが無言のやり取りをする。
 ティファの目にはログラインのようなものが映った。

「チチチ……分かりました。では、マスター候補の力をワタシに注ぎなさい……チチチ」

「やれやれ。では、マスター。お願いします」

 では、って何!? 途中のやり取りは!?
 俺はティファとダンジョンコアに促されるまま、大地の力を注ぎ込んだ。


「チチチ……これは、言うだけの事はありますね。第562番……チチチ」

「そうでしょうそうでしょう」

 うんうんと頷くティファ。
 すると、俺の目の前にポンとダンジョンウィンドウが立ち上がる。

 ダンジョンコアを統合しますか? はい いいえ

 と書かれている。
 え? これどうなんの? 誰か説明プリーズ!

「チチチ……さっさと統合するがいいです、マスター……チチチ」

 ええ……なんかこのコア口悪くない?
 俺は言われるがままに【はい】を選択した。



 俺たちは町の宿を何件かあたり、エウリフィアが泊まっている宿屋を見つけると、そこにチェックインした。

「意外と早かったですねー。お姉ちゃんはもっとかかるかと思っていました」

 ソファに寝そべりながらフルーツを食べている駄龍がそこには居た。
 いや、エウリフィアだった。
 ルンもミョンミョンしながらフルーツを体の中で溶かしている。

「まぁ結構危なかったけどな。ギリギリなんとかってところだよ」

「ふーん」

 興味無さそうにフルーツを貪る駄龍、もといエウリフィア。

 こいつ意外と金持ってるんだな。
 俺は額に青筋が起きるのを我慢しつつ、そんな関係ないことを考えるのだった。
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