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三章
46、恥ずかしすぎて【1】
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まだ日は高く、お庭からは組員の方の声が聞こえてきます。
しかも縁側に面した障子は開け放ってあるから。奥まったこの座敷の庭まで来る人がいれば、わたし達の姿は丸見えでしょう。
まだ単衣を着ている蒼一郎さんと、裸身のわたし。
いつもなら、わたしは恥ずかしがって拒むのに。
でも、いいの。今日は。
蒼一郎さんが花街に行かないと約束してくださったんですもの。わたしを選んでくださったんですもの。
「ん……っ、んん……ぅ」
口を閉じることも叶わないほどの、激しい接吻。口の中を舐められるようで、背筋がぞわりとします。
蒼一郎さんの大きな手が、わたしの胸に触れます。
いえ、それだけではなく小さな胸を口に含まれるの。
さっきの接吻の続きのように、舌で愛撫するように胸を弄られて。
「あ、や……ぁ、あぁ」
「ほらな。気にすることないやろ」
「なに……が? んん……っ」
じんわりと押し寄せてくる甘い感覚に、わたしは胸元にある蒼一郎さんの頭に触れました。少し硬い髪を撫で、返事を促します。
すると、今度は胸の尖りに歯を立てられ、しかも腹部の肋骨の辺りを指でなぞられます。
「やっ、あぁ。なに、を?」
「ほら、別に豊満な肉体やのうても、肉がついてなくても、絲さんはこんなにも敏感やろ」
「……ん……っ」
答えながらも、蒼一郎さんはわたしを翻弄し続けるので、まともに受け答えができません。
「たとえば、そうやなぁ。俺がガリガリやったら、絲さんは俺のことを嫌いになるか?」
いいえ、いいえ。そんなことはありません。
わたしは、首を振りました。
「まぁ、そういうことや」と、わたしの胸の尖りを口に含みながら仰るので、声の振動が胸に伝わってきます。
「ひ……ぁ、きゃあっ」
突然、思いもよらぬところを触れられて、わたしは跳び上がりそうになりました。もちろん、蒼一郎さんに肩を押さえられているので、跳ねたりはしませんでしたが。
「そ、そこは違います」
「違うって? どこのことを指してるんや?」
ご存じのはずなのに、蒼一郎さんは顔を上げてにやりと口の端を上げるんです。
しかもその手は、わたしのお尻を撫でているの。
それだけならまだしも……彼の両手でお尻を左右に開かされるから。
だめ、もうこれ以上は。
「俺は絲さんの全部に触れたい。そう思うんは悪いことかな?」
違うの、そんな哀れさを誘うような眼差しで見ないで。
あなた、さっきまでとても狡猾そうな笑みを浮かべていたじゃないですか。
分かってるんですよ。わたしを翻弄して、籠絡しようとしていることは。
「こんな強欲な俺のことは、絲さんは嫌いになるかもしれへんなぁ」
「嫌いになんてなりません」
「けど、絲さんは触らしてもくれへん」
「だって……」
それとこれとは違うんです。でも、どう説明していいのか分からないんです。
「はーぁ」と、蒼一郎さんは盛大にため息をつきました。裸のわたしを腕に抱えたままで。
「ああ、困ったなぁ。絲さんに嫌われることを、強要してしもた。俺はほんまにあかんなぁ。せっかく絲さんが好きやと言うてくれるのに、その気持ちを無下にしてしもた」
え? なんだか話がおかしな方向に流れています。
「俺は、絲さんに嫌われてしまうんやろな」
ちらっと蒼一郎さんが、わたしを窺います。
違うんです。蒼一郎さんのことが嫌いなんじゃなくて、触れられたくないところもあるの。
でも、それって蒼一郎さんを拒むことになるのかしら。
「どこもかしこもこんなに可愛いのに。触れさせてももらえへん」
「あ、あの」
困りました。どうしたらいいんでしょう。
しかも縁側に面した障子は開け放ってあるから。奥まったこの座敷の庭まで来る人がいれば、わたし達の姿は丸見えでしょう。
まだ単衣を着ている蒼一郎さんと、裸身のわたし。
いつもなら、わたしは恥ずかしがって拒むのに。
でも、いいの。今日は。
蒼一郎さんが花街に行かないと約束してくださったんですもの。わたしを選んでくださったんですもの。
「ん……っ、んん……ぅ」
口を閉じることも叶わないほどの、激しい接吻。口の中を舐められるようで、背筋がぞわりとします。
蒼一郎さんの大きな手が、わたしの胸に触れます。
いえ、それだけではなく小さな胸を口に含まれるの。
さっきの接吻の続きのように、舌で愛撫するように胸を弄られて。
「あ、や……ぁ、あぁ」
「ほらな。気にすることないやろ」
「なに……が? んん……っ」
じんわりと押し寄せてくる甘い感覚に、わたしは胸元にある蒼一郎さんの頭に触れました。少し硬い髪を撫で、返事を促します。
すると、今度は胸の尖りに歯を立てられ、しかも腹部の肋骨の辺りを指でなぞられます。
「やっ、あぁ。なに、を?」
「ほら、別に豊満な肉体やのうても、肉がついてなくても、絲さんはこんなにも敏感やろ」
「……ん……っ」
答えながらも、蒼一郎さんはわたしを翻弄し続けるので、まともに受け答えができません。
「たとえば、そうやなぁ。俺がガリガリやったら、絲さんは俺のことを嫌いになるか?」
いいえ、いいえ。そんなことはありません。
わたしは、首を振りました。
「まぁ、そういうことや」と、わたしの胸の尖りを口に含みながら仰るので、声の振動が胸に伝わってきます。
「ひ……ぁ、きゃあっ」
突然、思いもよらぬところを触れられて、わたしは跳び上がりそうになりました。もちろん、蒼一郎さんに肩を押さえられているので、跳ねたりはしませんでしたが。
「そ、そこは違います」
「違うって? どこのことを指してるんや?」
ご存じのはずなのに、蒼一郎さんは顔を上げてにやりと口の端を上げるんです。
しかもその手は、わたしのお尻を撫でているの。
それだけならまだしも……彼の両手でお尻を左右に開かされるから。
だめ、もうこれ以上は。
「俺は絲さんの全部に触れたい。そう思うんは悪いことかな?」
違うの、そんな哀れさを誘うような眼差しで見ないで。
あなた、さっきまでとても狡猾そうな笑みを浮かべていたじゃないですか。
分かってるんですよ。わたしを翻弄して、籠絡しようとしていることは。
「こんな強欲な俺のことは、絲さんは嫌いになるかもしれへんなぁ」
「嫌いになんてなりません」
「けど、絲さんは触らしてもくれへん」
「だって……」
それとこれとは違うんです。でも、どう説明していいのか分からないんです。
「はーぁ」と、蒼一郎さんは盛大にため息をつきました。裸のわたしを腕に抱えたままで。
「ああ、困ったなぁ。絲さんに嫌われることを、強要してしもた。俺はほんまにあかんなぁ。せっかく絲さんが好きやと言うてくれるのに、その気持ちを無下にしてしもた」
え? なんだか話がおかしな方向に流れています。
「俺は、絲さんに嫌われてしまうんやろな」
ちらっと蒼一郎さんが、わたしを窺います。
違うんです。蒼一郎さんのことが嫌いなんじゃなくて、触れられたくないところもあるの。
でも、それって蒼一郎さんを拒むことになるのかしら。
「どこもかしこもこんなに可愛いのに。触れさせてももらえへん」
「あ、あの」
困りました。どうしたらいいんでしょう。
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