女學生のお嬢さまはヤクザに溺愛され、困惑しています

真風月花

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三章

9、好きすぎて【2】

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 俺は、絲さんの胸の膨らみをてのひらで撫でて、その先端の尖りを口に含む。それだけで彼女の腰が跳ねた。そのせいで、敷物になった着物が乱れて。絲さんは、また畳に視線を向けた。

「ほら、気が散っとう」
「や……ぁん、んんっ」
「集中するって言うたやろ?」
「い、いいま、した」
「じゃあ、なんで出来へんのかなぁ? 悪い子ぉにはお仕置きせなあかんで」

 彼女の膝に手をかけて、足を開かせる。舌先で胸を弄びながら、俺は絲さんの秘所に指を這わせた。
 湿って柔らかなその場所に指で触れるだけで、喜びが湧き上がってくる。
 早く一つになりたい。そればかりが頭を占める。だが、痛みを与えたくはない。
 
「んぅ……んん、っ」
「もっと声出し。飴を舐めとうから、大丈夫やろ」
「や……恥ずかしいんですもの」
「何を今更」

 俺が小さく笑ったせいで、絲さんはまた両手で顔を隠してしもた。ほんまに困った子ぉや。
 しゃあないから、その辺に落としてある帯で彼女の両手首を頭上で縛る。

「な、何をなさるの?」
「こうせな、顔を見せてくれへんやろ」
「見せますから。外して」
「あかんな。絲さんの言葉は信じられへん。柱に縛り付けられるより、ましやろ」

 絲さんは今にも泣きそうに眉根を寄せて「ヤクザ……」と呟いた。そんな当たり前のことを今更言われてもなぁ。
 観念しぃ。お兄さんは、ほんまに悪い人なんやで。

 縛り上げられた絲さんの両腕を俺は右手で押さえて、左手で彼女の腰を持ち上げる。
 勿論、絲さんは無駄な抵抗をする。

「ええんか? いつまでも俺を受け入れへんかったら、恋文が読まれへんで」
「そ、それは……や、あぁ」

 甘美な刺激を受けながらなので、絲さんの言葉はちゃんとした受け答えになっていない。

「どうしよなぁ。俺の気が変わって『やっぱりあれ捨てるわ』ってなったら。まぁ俺は恥ずかしい恋文を永遠に葬ることができて、ええんやけど」
「読み、たいの」
「せやなぁ。読みたいよなぁ」

 指先と舌で散々翻弄され、絲さんは身をよじりながら「読ませて……」なんて、艶のある声で訴えてくる。
 うん、その言葉が「読ませて」やのうて「激しくして」とかやったら、もっと嬉しいんやけどな。

 俺を受け入れた絲さんは、苦しそうに眉根を寄せる。なのに、その濡れた唇は半開きになって小さく呻く声を上げ、さらに俺を煽ってくる。

「や、あぁ……無理、です」
「力抜き。その方が楽やで」

 両手を縛り上げとうせいで、何にも掴まることができへんから、絲さんの白い足が畳の上に敷いた紬を盛大に乱す。
 やんちゃな彼女の膝を、俺は手で押さえて開いた。
そのせいで、さらに深いところまで穿ってしまう。

「あぁ……ふぁ、あ……ぁ、だめぇ」
「絲さんの『だめ』は『ええ』やな」
「ちが……う、ちがうの」
「違わへん」

 喋ってはいるが、俺も今日は余裕があらへんから、彼女を気遣うことができない。
 
 俺が掴んでいる彼女の脚は、しっとりと汗ばみ。その白く嫋やかな肌は、薄紅に染まっていく。
 まるで酔芙蓉やと思た。
 俺だけの為に咲き、俺の前でだけ染まっていく美しい花や。
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