96 / 176
第八章 ある日、湖上で
湖賊とアジト
しおりを挟む
ナバアル湖の真ん中に浮かぶ、名前さえない小さな島。5年前までは、人は近づく事すら出来なかった。
何故なら、この島を根城にする水龍の群れが、人間の接近を決して許さなかったからだ。
だが、圧倒的な力を持つ水龍は、湖を侵そうとする者には容赦が無かったが、自ら湖の外域に出てきて人や村を襲う事は無かった。
湖に住まう水龍と、その周辺に居住する人間達。二つの異なる生き物は、湖の中と外で、長年棲み分けて共存していたのだ。
――そう、5年前までは。
「5年前、ひとりの男が、水龍の縄張りに侵入り込み、彼らを手なずけた。――それが、湖賊の頭領、ウィローモ様よ!」
湖面を進む小舟の揺れに身を任せながら、カーバラは目の前で震え続けている三人の娘達に、自慢げに演説を打っていた。
「頭領は、オレたち、傭兵崩れや盗賊の端くれどもを集めて、あの島にアジトを作り上げた。――湖という天然の水堀に囲まれ、その上、水龍どもが、優秀で強力な門番となるんだ。この世のどんな要塞よりも堅牢なんだぜ!」
「へ……へぇ~、凄いんですね、湖賊の皆様って……」
一番年上の女が、愛想笑いを浮かべながら、お追従を述べる。
アニキは、「そうだろうそうだろう!」と、上機嫌で大笑すると、小舟の脇の水面を指差した。
「――ほれ! 噂をすれば何とやら……オレらの城の門番達だぜ!」
「え? ……うわあああっ!」
アニキの指の先を覗き込もうとした末の娘の鼻先に、巨大な蛇の様な顎が現れ、彼女は思わず悲鳴を上げた。
「がはははは! 驚えたか? まるで男みたいな悲鳴を上げちまいやがってよぉ!」
「お……オホホホホ! もう……この子はいつまでもガサツさが抜けなくて……困ってますわぁ」
「も――もう! いやねぇ……うふふふふ!」
アニキの言葉に、慌てた様子で言い繕う姉ふたり。暗闇で、顔が見えないからいいものの、ふたりの顔は、湖の水を被ったかのように汗ダラダラだ。
「……で、でも、大丈夫なんですか? ――水龍達が間違えて襲ってきたりとか?」
「がははは! そんな心配は要らねえぜ! お前らが考えるより、ずっと頭が良いからよ、コイツらは!」
アニキは豪快に笑うと、湖面から長い首を突き出した、水龍の顔の前に己の腕を差し出した。
水龍の首がムクリと鎌首を上げる。
「あ――あぶな――!」
三女が悲鳴を上げる――
が、水龍は「キュルル」と甘えたような声を出すと、アニキの腕に首を絡ませて、頬を擦りつけた。
「……いや、ネコかよ! ……じゃない、ネコみたいで……カワイイデスネエ……オホホ」
長女が目を剥いて口走り――慌ててお淑やかな口調に言い換え、笑って誤魔化した。
幸い、アニキ達湖賊の耳には届かなかったようだ。湖賊達は、忙しく甲板を動き回っている。
彼らを差配しながら、アニキは娘達に目配せして言った。
「――さて、そろそろ到着だ。揺れるから、気をつけろよ、お嬢ちゃん達」
◆ ◆ ◆ ◆
湖賊達のアジトは、小島の湖岸から然程離れていない場所に建てられていた。
板葺きの屋根に板張りの壁――言ってしまえば、ファジョーロの宿屋とそう変わらないレベルの荒ら屋だった。
三人娘は、意外にも慎ましい湖賊の本拠地の有様に、困惑した顔を見合わせる。
彼女たちは、周りを湖賊達に物々しく囲まれながら、建物の中に通される。
だだっ広い部屋の中で床に直に座らされているものの、縄で縛られる事も無く、人質や生贄らしからぬ扱いに、三人娘は逆に気味の悪いものを感じていた。
「……じきに頭領が御出になるから、それまで、じっと待ってろ」
ここまで彼女たちを連行してきたカーバラは、それだけ言うと、さっさと部屋から出て行ってしまった。
部屋には、三人の娘だけが取り残された。
「……何か、妙ね」
と、二番目の姉――に扮したアザレアが囁いた。
「……確かにな。拘束もしないで、俺たちを部屋にほったらかしにしとくとか……。扱いが、普通の客人に対するそれみたいだよな」
長女の変装のままだらしなく胡座をかくジャスミンが、そう言って首を傾げる。
「……でも、ここは孤立無援の小島ですから……。どうせ逃げられないから、とタカをくくっているのかもしれないですよ」
三女に扮したパームが、キョロキョロと部屋の中を見回しながら言う。
「――どうする? 計画よりも早いけど……今からでも暴れ始める?」
アザレアが、そう尋ね、ロングスカートの裏地に仕込んだ長鞭の柄をそっと握る。
「――いや」
しかし、ジャスミンは首を横に振った。
「……折角だから、もう少し様子を見ようぜ。ここのボスがどういうヤツなのか、ちょっと興味が出てきた」
「『興味が出てきた』……って、面白がってる場合じゃ無いでしょう。遊びじゃないんですよ……」
「無駄よ、パームくん。この人がこうなったら、頑として他人の言う事を聞かなくなるから……。昔っからそう」
呆れ顔のパームと、諦め顔のアザレア。
ジャスミンが、ふたりに反論しようと口を開こうとした時、
アザレアの眉がピクリと跳ねた。
「――誰か来たわ! ほら、ジャス! 脚をちゃんとして! ――パームくんも、スカートを直して……!」
ふたりに口早に注意すると、自分も衣服の乱れを調える。
彼女たちの背後の扉が、ギイ……と軋む音を立てて開いたのが感じられた。
三人達は、跪いたまま、床に前髪が付くくらいに深々と頭を下げる。
彼らの傍らを、誰かが通り過ぎる衣擦れの音がした。――どうやら、部屋に入ってきたのは一人だけのようだ。
そして、前に置かれていた椅子に誰かが腰掛けたような、スプリングの軋む音が、彼女たちの耳朶を打つ。
「……ええと、どうぞ、頭を上げて下さい」
そして、三人の予想とは全く異なる、細い男の声が、彼女らにかけられた。
「……?」
胡乱げな表情を隠せないまま、三人は頭を上げ、眼前に腰掛ける男の顔を見た。
椅子にちょこんと腰掛ける男は――、
「あ……初めまして。ぼ……僕……あ、いや――お、オレは――ウィローモと申します……ぜ」
困り眉で、頬には青白いそばかすが浮いた、いかにも気弱そうな顔の痩せぎすの男だった。
何故なら、この島を根城にする水龍の群れが、人間の接近を決して許さなかったからだ。
だが、圧倒的な力を持つ水龍は、湖を侵そうとする者には容赦が無かったが、自ら湖の外域に出てきて人や村を襲う事は無かった。
湖に住まう水龍と、その周辺に居住する人間達。二つの異なる生き物は、湖の中と外で、長年棲み分けて共存していたのだ。
――そう、5年前までは。
「5年前、ひとりの男が、水龍の縄張りに侵入り込み、彼らを手なずけた。――それが、湖賊の頭領、ウィローモ様よ!」
湖面を進む小舟の揺れに身を任せながら、カーバラは目の前で震え続けている三人の娘達に、自慢げに演説を打っていた。
「頭領は、オレたち、傭兵崩れや盗賊の端くれどもを集めて、あの島にアジトを作り上げた。――湖という天然の水堀に囲まれ、その上、水龍どもが、優秀で強力な門番となるんだ。この世のどんな要塞よりも堅牢なんだぜ!」
「へ……へぇ~、凄いんですね、湖賊の皆様って……」
一番年上の女が、愛想笑いを浮かべながら、お追従を述べる。
アニキは、「そうだろうそうだろう!」と、上機嫌で大笑すると、小舟の脇の水面を指差した。
「――ほれ! 噂をすれば何とやら……オレらの城の門番達だぜ!」
「え? ……うわあああっ!」
アニキの指の先を覗き込もうとした末の娘の鼻先に、巨大な蛇の様な顎が現れ、彼女は思わず悲鳴を上げた。
「がはははは! 驚えたか? まるで男みたいな悲鳴を上げちまいやがってよぉ!」
「お……オホホホホ! もう……この子はいつまでもガサツさが抜けなくて……困ってますわぁ」
「も――もう! いやねぇ……うふふふふ!」
アニキの言葉に、慌てた様子で言い繕う姉ふたり。暗闇で、顔が見えないからいいものの、ふたりの顔は、湖の水を被ったかのように汗ダラダラだ。
「……で、でも、大丈夫なんですか? ――水龍達が間違えて襲ってきたりとか?」
「がははは! そんな心配は要らねえぜ! お前らが考えるより、ずっと頭が良いからよ、コイツらは!」
アニキは豪快に笑うと、湖面から長い首を突き出した、水龍の顔の前に己の腕を差し出した。
水龍の首がムクリと鎌首を上げる。
「あ――あぶな――!」
三女が悲鳴を上げる――
が、水龍は「キュルル」と甘えたような声を出すと、アニキの腕に首を絡ませて、頬を擦りつけた。
「……いや、ネコかよ! ……じゃない、ネコみたいで……カワイイデスネエ……オホホ」
長女が目を剥いて口走り――慌ててお淑やかな口調に言い換え、笑って誤魔化した。
幸い、アニキ達湖賊の耳には届かなかったようだ。湖賊達は、忙しく甲板を動き回っている。
彼らを差配しながら、アニキは娘達に目配せして言った。
「――さて、そろそろ到着だ。揺れるから、気をつけろよ、お嬢ちゃん達」
◆ ◆ ◆ ◆
湖賊達のアジトは、小島の湖岸から然程離れていない場所に建てられていた。
板葺きの屋根に板張りの壁――言ってしまえば、ファジョーロの宿屋とそう変わらないレベルの荒ら屋だった。
三人娘は、意外にも慎ましい湖賊の本拠地の有様に、困惑した顔を見合わせる。
彼女たちは、周りを湖賊達に物々しく囲まれながら、建物の中に通される。
だだっ広い部屋の中で床に直に座らされているものの、縄で縛られる事も無く、人質や生贄らしからぬ扱いに、三人娘は逆に気味の悪いものを感じていた。
「……じきに頭領が御出になるから、それまで、じっと待ってろ」
ここまで彼女たちを連行してきたカーバラは、それだけ言うと、さっさと部屋から出て行ってしまった。
部屋には、三人の娘だけが取り残された。
「……何か、妙ね」
と、二番目の姉――に扮したアザレアが囁いた。
「……確かにな。拘束もしないで、俺たちを部屋にほったらかしにしとくとか……。扱いが、普通の客人に対するそれみたいだよな」
長女の変装のままだらしなく胡座をかくジャスミンが、そう言って首を傾げる。
「……でも、ここは孤立無援の小島ですから……。どうせ逃げられないから、とタカをくくっているのかもしれないですよ」
三女に扮したパームが、キョロキョロと部屋の中を見回しながら言う。
「――どうする? 計画よりも早いけど……今からでも暴れ始める?」
アザレアが、そう尋ね、ロングスカートの裏地に仕込んだ長鞭の柄をそっと握る。
「――いや」
しかし、ジャスミンは首を横に振った。
「……折角だから、もう少し様子を見ようぜ。ここのボスがどういうヤツなのか、ちょっと興味が出てきた」
「『興味が出てきた』……って、面白がってる場合じゃ無いでしょう。遊びじゃないんですよ……」
「無駄よ、パームくん。この人がこうなったら、頑として他人の言う事を聞かなくなるから……。昔っからそう」
呆れ顔のパームと、諦め顔のアザレア。
ジャスミンが、ふたりに反論しようと口を開こうとした時、
アザレアの眉がピクリと跳ねた。
「――誰か来たわ! ほら、ジャス! 脚をちゃんとして! ――パームくんも、スカートを直して……!」
ふたりに口早に注意すると、自分も衣服の乱れを調える。
彼女たちの背後の扉が、ギイ……と軋む音を立てて開いたのが感じられた。
三人達は、跪いたまま、床に前髪が付くくらいに深々と頭を下げる。
彼らの傍らを、誰かが通り過ぎる衣擦れの音がした。――どうやら、部屋に入ってきたのは一人だけのようだ。
そして、前に置かれていた椅子に誰かが腰掛けたような、スプリングの軋む音が、彼女たちの耳朶を打つ。
「……ええと、どうぞ、頭を上げて下さい」
そして、三人の予想とは全く異なる、細い男の声が、彼女らにかけられた。
「……?」
胡乱げな表情を隠せないまま、三人は頭を上げ、眼前に腰掛ける男の顔を見た。
椅子にちょこんと腰掛ける男は――、
「あ……初めまして。ぼ……僕……あ、いや――お、オレは――ウィローモと申します……ぜ」
困り眉で、頬には青白いそばかすが浮いた、いかにも気弱そうな顔の痩せぎすの男だった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
転生弁護士のクエスト同行記 ~冒険者用の契約書を作ることにしたらクエストの成功率が爆上がりしました~
昼から山猫
ファンタジー
異世界に降り立った元日本の弁護士が、冒険者ギルドの依頼で「クエスト契約書」を作成することに。出発前に役割分担を明文化し、報酬の配分や責任範囲を細かく決めると、パーティ同士の内輪揉めは激減し、クエスト成功率が劇的に上がる。そんな噂が広がり、冒険者は誰もが法律事務所に相談してから旅立つように。魔王討伐の最強パーティにも声をかけられ、彼の“契約書”は世界の運命を左右する重要要素となっていく。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる