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第五章 田中天狼のシリアスな日常・怪奇?編
矢的杏途龍のシリアスな失踪
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微かに軋む音をたてながら、部室の扉が開いていく。俺は咄嗟に、傍らに転がっていたパイプ椅子の下に潜り込み、身体を縮こまらせた。
引き戸が全開となり、同時に眩しい光が俺の目に飛び込んできた――!
もう……ダメだ――!
「にゃ――ん」
「あー! ネコちゃんはっけーん!」
「あー、ご飯食べてたんですね~」
俺の耳朶を打ったのは、キャピキャピした若い女の声だった……!
……あれ? この声……?
「アンディせんぱ~い、シリウスく~ん。遊びに来たよ~」
「差し入れも持ってきました~」
「春夏秋冬と、黒木さんかよ……!」
俺は、思わず脱力した。
「あ、そこに居たんだ、シリウスくん。……て、何でそんな格好?」
「へ――――? ……あ、これは……」
パイプ椅子の下で丸まっていた格好を、手にした懐中電灯で照らされて、ツッコまれた俺は……
「……あ、コレは……ちょっと……何か急にパイプ椅子の下のスペースに体が納まるのか試してみたくなってさ―――! いや、やっぱりキツいね~! アハ、アハハハハハハ!」
自分で言っといてナンだけど、何てヒドい誤魔化し方……。アレ? 何かデジャヴ……。
「そ、それより! ど……どうしたの、二人して?」
俺は、追及を逸そうと、話題を変えた。
「さっきも、ルナちゃんが言ってたじゃない。お腹空いてないかな~って思って、差し入れ持ってきたんだよ~」
「……あ、あと、怪奇現象が起こってないかな……って気になって……」
「ねえねえ、聞いた? ルナちゃんって、物凄くオカルトが好きなんだって! いろんな怪談とか噂とか聞かせてもらったよ! 例えば――、的町交差点を午前2時に横断しようとすると、隣に――」
「……ごめん、春夏秋冬。この場所とシチュエーションで、怪談話はちょっと……」
いや、ホント勘弁して下さい。そんな百物語を披露されたら、お呼びでない何かが、本当にお邪魔しに来かねない……。
「そ……それより、差し入れって?」
「あ、はい! こんな物なんですけど」
俺の問いに、黒木さんが手に提げたコンビニ袋を差し出す。
中には、菓子パンやお茶のペットボトル、チョコスナックなどが、ギッシリと詰まっていた。
「おー! ありがとう!」
俺は、思わず歓声を上げる。地獄に仏……いや女神とはこの事か!
……あ、でも、ポテトチップス類は、もう結構です……。
「でも、こんなに沢山……結構したでしょ? ……今は持ち合わせ無いんだけど、後で払うから――」
「あ、大丈夫です! これは生徒会予算の雑費で落としますんで!」
「彩女センパイにちゃんと言ってあるから、大丈夫だよー」
ああ……マジで天使か、君ら。
「あ、ネコちゃんにもお土産あるんだよ~。ほら!」
「にゃ~ん♪」
春夏秋冬が、取り出した猫缶のフタを開けると、暗闇の向こうから甘えた鳴き声が聞こえた。
でも、決して近づいては来ない。……まだ警戒してるのかな?
春夏秋冬が、アルミの猫皿に缶の中身を出し、ネコの目の前に置く。
ネコは、少しの間様子を窺ってから、ソロソロと近寄ってきて、モシャモシャと食べ始めた。
「か~わ~い~い~!」
猫皿にむしゃぶりつくネコを見て、文字通り黄色い悲鳴を上げる春夏秋冬。俺は、その様子を見て、この上なく和む。――ネコと女子高生……イイネ!
と、黒木さんが、首を傾げて尋ねた。
「……ところで、矢的先輩さんはどうしたんですか? 姿が見えないようですけど」
……そういえば、すっかり忘れていた。
「さっき、自販機で水買ってくるって言って、出ていったんだけど……。そういえば、遅いな……」
「自販機って、購買の所の?」
「うん。多分……」
「え……おかしいですね」
俺の言葉に、眉根を寄せる黒木さん。
「私達、購買の横を通ってきましたけど、先輩は見かけませんでしたよ……ですよね?」
「うん……そうだね。購買に行くなら、絶対に途中でぶつかるのに……会ってないなぁ」
春夏秋冬と黒木さんは、顔を見合わせて首を傾げる。
嫌な沈黙が広がる……。
「た……多分!」
長い沈黙に耐えられなくなったのは――俺だった。
「多分さ、購買に寄ったついでに、トイレに行ったんだよ……た、多分……いや、そうだ! そうに違いないっ!」
半分、自分に言い聞かせるように、早口で捲し立てる。
(……それにしても遅過ぎる)という、不穏な考えが脳裏を掠めるが、頭をブンブンと振って、それを全力で頭の中から追い出す。
「うーん……そうか、そうかもね」
「暗くて迷子になってるだけかもしれませんね」
「かもねー」
そう言って、お互いに頷くと、ふたりは立ち上がった。
「じゃ、そろそろあたし達帰るねー」
「え…………?」
「私達は、差し入れを届けに来ただけなんで……本当は、私も一緒に部室を見張りたいんですけど、あまり遅くなると、親に叱られてしまうので……残念ですが」
「あ……そうか……いや……」
「じゃ、シリウスくん、頑張って! アンディ先輩によろしくね~」
「田中さん、くれぐれも気をつけて……。万が一の時には、清めの塩とファブリーズを入れておいたので、頑張って切り抜けて下さい!」
「あ――! ちょ、ちょっと待って!」
俺は、帰ろうとするふたりを、慌てて引き止める。また、一人でこの部屋に残るのは――絶対にイヤだ!
「ね、ねえ! もう少し……もう少しだけ、ここに、い……居てくれない?」
「えーと……でも……」
「いや、ホントに少しだけ……! 矢的先輩が戻ってくるまでの間だけでいいから――!」
必死の形相の俺を前にして、ふたりは困ったように顔を見合わせる。
「どうしようか……」
「わ、私は……うん。あと30分くらいなら残れると思います」
「あたしは……」
と、その時、
カツーン…………カツーン……
廊下の向こうから、足音が聞こえてきた。
「あ! 矢的先輩、戻ってきたじゃん」
「やっぱりトイレだったんですかね……?」
「ほ……」
安心して、力が抜ける俺。
ホッとしたら、矢的先輩に対して、フツフツと怒りが沸いてきた。――あの野郎……俺を一人っきりで真っ暗な部室に残したまま、どこで油を売ってやがったんだ! と。
そして、俺はあるアイデアを閃いた。
「な、春夏秋冬、黒木さん。……ちょっと、矢的先輩を驚かせてやらないか?」
俺は、ふたりに切り出した。
「え? 驚かせるって?」
「どういう風に、ですか?」
「ランタン消して、俺たちは机の下に隠れて、ヤツを待ち構えるんだ。先輩が部屋に入ったら、一斉に大声あげて飛びかかる、ってのはどうかな?」
「わー! 面白そう!」
俺の提案に、黒木さんと春夏秋冬は、瞳を輝かせる。
そう言っている間にも、足音はだんだんと大きくなってきた。
俺たちは、三方に分かれて、机の下に潜り込み、ランタンを消した。たちまち、部室の中は漆黒の闇に沈む。
ますます近づく足音。
――そして、足音は部室のドアの前で止まった。
俺たちは、息を殺して、扉が開くのを待つ。
…………ガチガチ……ガチンッ
と、金属音が響く。ドアの向こうで鍵を挿して、回した音だ。
続いて、ガキッという、開けようとしたら鍵に引っ掛かった音。――そりゃそうだ。俺たちが中にいるんだから、元々鍵は開いていたのだ。鍵を回せば、施錠される。
……ガチガチ……ガチンッ
もう一度鍵を入れて回す音が鳴る。
いよいよ、扉が開く――俺はすぐに飛び出せる様、体を緊張させる。
その時、ズボンのポケットに手が当たり、硬い物に触れた。
これは――矢的先輩から、持っておけと渡された、213号室のマスターキー。
…………あれ?
俺は、ある矛盾に気付いた。
(何で、一つしかない部室のマスターキーを俺が持っているのに、矢的先輩は鍵を回せたんだろう……?)
その矛盾に思い当たった次の瞬間、部室のドアは軋みながら、ゆっくりと開いたのだった――!
引き戸が全開となり、同時に眩しい光が俺の目に飛び込んできた――!
もう……ダメだ――!
「にゃ――ん」
「あー! ネコちゃんはっけーん!」
「あー、ご飯食べてたんですね~」
俺の耳朶を打ったのは、キャピキャピした若い女の声だった……!
……あれ? この声……?
「アンディせんぱ~い、シリウスく~ん。遊びに来たよ~」
「差し入れも持ってきました~」
「春夏秋冬と、黒木さんかよ……!」
俺は、思わず脱力した。
「あ、そこに居たんだ、シリウスくん。……て、何でそんな格好?」
「へ――――? ……あ、これは……」
パイプ椅子の下で丸まっていた格好を、手にした懐中電灯で照らされて、ツッコまれた俺は……
「……あ、コレは……ちょっと……何か急にパイプ椅子の下のスペースに体が納まるのか試してみたくなってさ―――! いや、やっぱりキツいね~! アハ、アハハハハハハ!」
自分で言っといてナンだけど、何てヒドい誤魔化し方……。アレ? 何かデジャヴ……。
「そ、それより! ど……どうしたの、二人して?」
俺は、追及を逸そうと、話題を変えた。
「さっきも、ルナちゃんが言ってたじゃない。お腹空いてないかな~って思って、差し入れ持ってきたんだよ~」
「……あ、あと、怪奇現象が起こってないかな……って気になって……」
「ねえねえ、聞いた? ルナちゃんって、物凄くオカルトが好きなんだって! いろんな怪談とか噂とか聞かせてもらったよ! 例えば――、的町交差点を午前2時に横断しようとすると、隣に――」
「……ごめん、春夏秋冬。この場所とシチュエーションで、怪談話はちょっと……」
いや、ホント勘弁して下さい。そんな百物語を披露されたら、お呼びでない何かが、本当にお邪魔しに来かねない……。
「そ……それより、差し入れって?」
「あ、はい! こんな物なんですけど」
俺の問いに、黒木さんが手に提げたコンビニ袋を差し出す。
中には、菓子パンやお茶のペットボトル、チョコスナックなどが、ギッシリと詰まっていた。
「おー! ありがとう!」
俺は、思わず歓声を上げる。地獄に仏……いや女神とはこの事か!
……あ、でも、ポテトチップス類は、もう結構です……。
「でも、こんなに沢山……結構したでしょ? ……今は持ち合わせ無いんだけど、後で払うから――」
「あ、大丈夫です! これは生徒会予算の雑費で落としますんで!」
「彩女センパイにちゃんと言ってあるから、大丈夫だよー」
ああ……マジで天使か、君ら。
「あ、ネコちゃんにもお土産あるんだよ~。ほら!」
「にゃ~ん♪」
春夏秋冬が、取り出した猫缶のフタを開けると、暗闇の向こうから甘えた鳴き声が聞こえた。
でも、決して近づいては来ない。……まだ警戒してるのかな?
春夏秋冬が、アルミの猫皿に缶の中身を出し、ネコの目の前に置く。
ネコは、少しの間様子を窺ってから、ソロソロと近寄ってきて、モシャモシャと食べ始めた。
「か~わ~い~い~!」
猫皿にむしゃぶりつくネコを見て、文字通り黄色い悲鳴を上げる春夏秋冬。俺は、その様子を見て、この上なく和む。――ネコと女子高生……イイネ!
と、黒木さんが、首を傾げて尋ねた。
「……ところで、矢的先輩さんはどうしたんですか? 姿が見えないようですけど」
……そういえば、すっかり忘れていた。
「さっき、自販機で水買ってくるって言って、出ていったんだけど……。そういえば、遅いな……」
「自販機って、購買の所の?」
「うん。多分……」
「え……おかしいですね」
俺の言葉に、眉根を寄せる黒木さん。
「私達、購買の横を通ってきましたけど、先輩は見かけませんでしたよ……ですよね?」
「うん……そうだね。購買に行くなら、絶対に途中でぶつかるのに……会ってないなぁ」
春夏秋冬と黒木さんは、顔を見合わせて首を傾げる。
嫌な沈黙が広がる……。
「た……多分!」
長い沈黙に耐えられなくなったのは――俺だった。
「多分さ、購買に寄ったついでに、トイレに行ったんだよ……た、多分……いや、そうだ! そうに違いないっ!」
半分、自分に言い聞かせるように、早口で捲し立てる。
(……それにしても遅過ぎる)という、不穏な考えが脳裏を掠めるが、頭をブンブンと振って、それを全力で頭の中から追い出す。
「うーん……そうか、そうかもね」
「暗くて迷子になってるだけかもしれませんね」
「かもねー」
そう言って、お互いに頷くと、ふたりは立ち上がった。
「じゃ、そろそろあたし達帰るねー」
「え…………?」
「私達は、差し入れを届けに来ただけなんで……本当は、私も一緒に部室を見張りたいんですけど、あまり遅くなると、親に叱られてしまうので……残念ですが」
「あ……そうか……いや……」
「じゃ、シリウスくん、頑張って! アンディ先輩によろしくね~」
「田中さん、くれぐれも気をつけて……。万が一の時には、清めの塩とファブリーズを入れておいたので、頑張って切り抜けて下さい!」
「あ――! ちょ、ちょっと待って!」
俺は、帰ろうとするふたりを、慌てて引き止める。また、一人でこの部屋に残るのは――絶対にイヤだ!
「ね、ねえ! もう少し……もう少しだけ、ここに、い……居てくれない?」
「えーと……でも……」
「いや、ホントに少しだけ……! 矢的先輩が戻ってくるまでの間だけでいいから――!」
必死の形相の俺を前にして、ふたりは困ったように顔を見合わせる。
「どうしようか……」
「わ、私は……うん。あと30分くらいなら残れると思います」
「あたしは……」
と、その時、
カツーン…………カツーン……
廊下の向こうから、足音が聞こえてきた。
「あ! 矢的先輩、戻ってきたじゃん」
「やっぱりトイレだったんですかね……?」
「ほ……」
安心して、力が抜ける俺。
ホッとしたら、矢的先輩に対して、フツフツと怒りが沸いてきた。――あの野郎……俺を一人っきりで真っ暗な部室に残したまま、どこで油を売ってやがったんだ! と。
そして、俺はあるアイデアを閃いた。
「な、春夏秋冬、黒木さん。……ちょっと、矢的先輩を驚かせてやらないか?」
俺は、ふたりに切り出した。
「え? 驚かせるって?」
「どういう風に、ですか?」
「ランタン消して、俺たちは机の下に隠れて、ヤツを待ち構えるんだ。先輩が部屋に入ったら、一斉に大声あげて飛びかかる、ってのはどうかな?」
「わー! 面白そう!」
俺の提案に、黒木さんと春夏秋冬は、瞳を輝かせる。
そう言っている間にも、足音はだんだんと大きくなってきた。
俺たちは、三方に分かれて、机の下に潜り込み、ランタンを消した。たちまち、部室の中は漆黒の闇に沈む。
ますます近づく足音。
――そして、足音は部室のドアの前で止まった。
俺たちは、息を殺して、扉が開くのを待つ。
…………ガチガチ……ガチンッ
と、金属音が響く。ドアの向こうで鍵を挿して、回した音だ。
続いて、ガキッという、開けようとしたら鍵に引っ掛かった音。――そりゃそうだ。俺たちが中にいるんだから、元々鍵は開いていたのだ。鍵を回せば、施錠される。
……ガチガチ……ガチンッ
もう一度鍵を入れて回す音が鳴る。
いよいよ、扉が開く――俺はすぐに飛び出せる様、体を緊張させる。
その時、ズボンのポケットに手が当たり、硬い物に触れた。
これは――矢的先輩から、持っておけと渡された、213号室のマスターキー。
…………あれ?
俺は、ある矛盾に気付いた。
(何で、一つしかない部室のマスターキーを俺が持っているのに、矢的先輩は鍵を回せたんだろう……?)
その矛盾に思い当たった次の瞬間、部室のドアは軋みながら、ゆっくりと開いたのだった――!
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