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CASE2 お客様とヤカラの境界線
CASE2-13 「何故、伯爵様がハルマイラへ?」
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マイスが白獅子城に着いてから一週間後。
朝食の席に着いていたフリーヴォル伯爵に、執事が銀の盆に載せた一枚の封筒を差し出した。
「……セバスチャン、ボクは今食事中だよ。そういう無粋なものは、後で――」
「恐れ入りますが、ご主人様。火急の使いとの事でございまして……」
不機嫌そうに眉を顰める伯爵を前に、恐縮しながらも、執事セバスチャンは盆を引っ込めない。
「……火急? 一体、誰から――?」
訝しげに首を傾げながらも、盆の上から封筒を取り上げ、裏返して封蝋を一瞥する。
「――!」
その瞬間、彼の表情が一変した。
「……お兄様? それって、どなたからの書状ですの……?」
彼の表情の変化に目ざとく気付いたカミーヌが、ちぎりかけのパンを持ったまま、心配そうな顔で兄に問いかける。
伯爵は、カミーヌの方に視線を向けて安心させるように優しく微笑むが、その笑みはどこか不自然に引き攣っている。
「――いや、大丈夫だよ、カミーヌ。ちょっとした事だ……。カミーヌ、マイハニー、食事中だが、少し失礼するよ」
「伯爵様、私なら構いませんわ。お急ぎでしたら、その場でお開け下さいな」
マイスは、嫋やかな笑みを浮かべる。そんな彼女の様子を横目で睨んで、カミーヌも大きく頷く。
「も、もちろん、私も構いません! お兄様、ご遠慮なさらず!」
「……そうかい。すまないね、ふたりとも。――では、この場で失礼するよ」
伯爵は、そう言って微笑むと、執事から金のペーパーナイフを受け取り、手にした封筒の封を切っていく。
折られた便箋を開き、目を走らせる伯爵。――と、その表情が曇った。
「やれやれ……これは参ったね……」
「お兄様、何が書いてあったんですの?」
不安げな顔になるカミーヌに、伯爵は苦笑して首を横に振ってみせる。
「いやいや。それ程心配する事もないよ。――ただ、ちょっとこれから、ハルマイラまで行かなければならないようだね……」
「ハ――?」
「……ハルマイラへ……ですか?」
伯爵の言葉に目を剥くカミーヌと、訝しげな表情を浮かべるマイス。
「何故、伯爵様がハルマイラへ?」
「……お恥ずかしい話なのだが……どうやら、ある御方に、とある近衛騎士の不行跡が見咎められてしまった様なのだよ。で、その方がボクに、『一言言いたいから来い』とお呼び出しがかかった訳さ。――ボクは、王国の近衛騎士達を束ねる立場にあるからね……」
そう軽く言い放つ伯爵だったが、その表情には気鬱な影が見受けられた。
その話を聞いたカミーヌは、憤懣を隠さず、強い口調で言う。
「な――何ですの、その話は? お兄様を誰だと思っておりますの? ガイリア王家に代々仕えた名家中の名家、フリーヴォル家の当主にして、近衛騎士団総団長ですわよ! そんなお兄様を軽々に呼びつけようだなんて……そんな無礼者は、一体何者なんですの?」
「国王陛下……ではありませんよね? 勅令ならば、そんな封書一葉ではなくて、正式な勅使がおいでになるはずですものね」
「ご明察だよ、マイハニー」
マイスの推察に、ニコリと笑って頷く伯爵。彼は便箋を丁寧に畳み直しながら答えた。
「この手紙の送り主は――一言で言えば、王国軍のオブザーバー的な御方でね。現役の頃には王国騎士の中でも抜群の実力と人望を備え、周囲から次期総騎士団長になる事を嘱望されていたものの、要職に就く事を善しとせず、五十歳で引退なさった――栄誉と同じくらいに地位を求める騎士達の中では、かなり偏く……変わり者の御仁だよ」
伯爵は一旦言葉を切ると、卓上のグラスを飲み干し、再び言葉を継ぐ。
「有り難い事に、引退後も王国や騎士団の事を気にかけていらっしゃってね。度々、お気づきになった事を率直に伝えて頂けるのだけれど……。あまりにも率直すぎる感情をぶつけてこられるので、こちらとしては、少々耳が痛いというか、辟易するというか……」
そう言うと苦笑いを浮かべ、「まあ、悪い方ではないよ」と、言葉を締めた。
カミーヌは、伯爵の話を聞いて不安そうな表情を浮かべる。ここまで鬱々して落ち込んだ様子の兄を見るのは、初めてだった。
伯爵は、そんな彼女に拘泥する余裕も無いのか、そそくさとナプキンで口元を拭くと、椅子から立ち上がった。
「――では、大変申し訳無いのだが、ボクはここで失礼するよ。あ、マイハニーは引き続き、ゆるりと過ごすといい。カミーヌ、ボクが出掛けた後のマイハニーのお相手を頼むよ」
「は――はあっ? な、何故私が、この女狐の面倒を見ないといけないんですの?」
伯爵の言葉に激しく反発するカミーヌ。伯爵は困った顔で、彼女を説得しようと口を開くが、
「――伯爵様、差し支えなければ、私もハルマイラまでお連れ頂けないでしょうか?」
そう言って、マイスが手を挙げた。
彼女の言葉に、伯爵は目を丸くし、カミーヌの目が吊り上がる。
「も、もちろん差し支えないよ! 寧ろ、願ってもない! マイハニーと一緒に馬車で二人旅出来るなんて――」
「そ、そんな事は赦されませんわ! ダイサリィ! 下民の分際で、お兄様の馬車に相乗りしようなんて、何て図々しい事を!」
歓喜に弾む伯爵の声を遮ったカミーヌの金切り声が、広い部屋に響いた。
マイスは、穏やかな微笑みを浮かべて、カミーヌの方に顔を向けた。
「ひ――!」
振り返ったマイスの顔を見たカミーヌの喉から潰れた蛙の様な声が漏れる。
彼女に向けられたマイスの表情は、とても穏やかな微笑だったが、その細められた深紫の瞳には、極北のブリザードをも凌駕しそうな冷たい光が宿っていた。
気圧されて、椅子ごと後退るカミーヌにもう一度微笑みかけたマイスは、伯爵の方へと向き直った。
「……さすがに、一週間も店を空けてしまっておりますので、そろそろ戻りたいと思いまして……厚かましいお願いだとは重々承知の上で、お願い申し上げたいのですが……」
「あ、ああ! もちろん構わないよ! ……しかし、“アリエテルタの大戦槌”の修復の方は大丈夫なのかい?」
満面に喜色を湛えながらも、ふと思い出したように問いかける伯爵。マイスはその問いに対して、大きく頷いて答えた。
「ええ、そちらはご心配なく。ハアトネスツに任せておけば、全く心配ありませんわ」
「おお、それなら安心だね! じゃあ、早く支度をして、昼前には出掛けよう! ボクたちの婚前旅行へ!」
「そ――そんな事はさせませぇんわ!」
年甲斐も地位甲斐も無くはしゃぐ伯爵の狂喜乱舞に水を差したのは、カミーヌだった。
彼女は、顔を引き攣らせながら、自分を指さして叫んだ。
「今回のハルマイラ行き……この私も同行させて頂きますわッ!」
「え――ッ?」
思いもかけぬ妹の言葉に、伯爵は愕然とし、慌てて彼女を押し止めようと、口を開く。
「そ――それはダメだよ、カミーヌ! お前は、ボクが留守の間、この白獅子城を守っていてくれないと――」
「そんな事はどうでもいいです! 私は、お兄様の身が心配で――」
「あら、それは楽しそうですわ! 是非、一緒に参りましょう、カミーヌ様!」
「ま――マイハニーッ?」
伯爵の言葉は、今度はマイスによって遮られた。彼女は、ゴキゲンな顔で、捲し立てる。
「カミーヌ様がご一緒して頂けるのならば、私も嬉しいですわ! 女同士でお話ししたい事もたくさんございますし! あ、そうそう。カミーヌ様は、オクトル焼きってご存知でいらっしゃいますか? ……あら、ご存知ない! じゃ、一緒に食べに行きましょう。美味しいんですよ~♪」
そして、伯爵に向き直ると、上目遣いで、じっと顔を見つめる。
「……宜しいですよね? は・く・しゃ・く?」
――そう言って、マイスが片目を瞑ってみせた途端、伯爵の鼻の下がだらしなく伸びた。
「あ……ああ、もちろんだとも! キミが望むのなら、カミーヌの同行を許可しよう! 良かったな、カミーヌ!」
「……え、えと……ええ……まあ……?」
有頂天にはしゃぐ兄と、狐につままれたような釈然としない表情の妹を前に、
(……フッフッフッ、計算通り!)
と、穏やかな微笑みを浮かべながら、心の中でガッツポーズを取るマイスであった。
朝食の席に着いていたフリーヴォル伯爵に、執事が銀の盆に載せた一枚の封筒を差し出した。
「……セバスチャン、ボクは今食事中だよ。そういう無粋なものは、後で――」
「恐れ入りますが、ご主人様。火急の使いとの事でございまして……」
不機嫌そうに眉を顰める伯爵を前に、恐縮しながらも、執事セバスチャンは盆を引っ込めない。
「……火急? 一体、誰から――?」
訝しげに首を傾げながらも、盆の上から封筒を取り上げ、裏返して封蝋を一瞥する。
「――!」
その瞬間、彼の表情が一変した。
「……お兄様? それって、どなたからの書状ですの……?」
彼の表情の変化に目ざとく気付いたカミーヌが、ちぎりかけのパンを持ったまま、心配そうな顔で兄に問いかける。
伯爵は、カミーヌの方に視線を向けて安心させるように優しく微笑むが、その笑みはどこか不自然に引き攣っている。
「――いや、大丈夫だよ、カミーヌ。ちょっとした事だ……。カミーヌ、マイハニー、食事中だが、少し失礼するよ」
「伯爵様、私なら構いませんわ。お急ぎでしたら、その場でお開け下さいな」
マイスは、嫋やかな笑みを浮かべる。そんな彼女の様子を横目で睨んで、カミーヌも大きく頷く。
「も、もちろん、私も構いません! お兄様、ご遠慮なさらず!」
「……そうかい。すまないね、ふたりとも。――では、この場で失礼するよ」
伯爵は、そう言って微笑むと、執事から金のペーパーナイフを受け取り、手にした封筒の封を切っていく。
折られた便箋を開き、目を走らせる伯爵。――と、その表情が曇った。
「やれやれ……これは参ったね……」
「お兄様、何が書いてあったんですの?」
不安げな顔になるカミーヌに、伯爵は苦笑して首を横に振ってみせる。
「いやいや。それ程心配する事もないよ。――ただ、ちょっとこれから、ハルマイラまで行かなければならないようだね……」
「ハ――?」
「……ハルマイラへ……ですか?」
伯爵の言葉に目を剥くカミーヌと、訝しげな表情を浮かべるマイス。
「何故、伯爵様がハルマイラへ?」
「……お恥ずかしい話なのだが……どうやら、ある御方に、とある近衛騎士の不行跡が見咎められてしまった様なのだよ。で、その方がボクに、『一言言いたいから来い』とお呼び出しがかかった訳さ。――ボクは、王国の近衛騎士達を束ねる立場にあるからね……」
そう軽く言い放つ伯爵だったが、その表情には気鬱な影が見受けられた。
その話を聞いたカミーヌは、憤懣を隠さず、強い口調で言う。
「な――何ですの、その話は? お兄様を誰だと思っておりますの? ガイリア王家に代々仕えた名家中の名家、フリーヴォル家の当主にして、近衛騎士団総団長ですわよ! そんなお兄様を軽々に呼びつけようだなんて……そんな無礼者は、一体何者なんですの?」
「国王陛下……ではありませんよね? 勅令ならば、そんな封書一葉ではなくて、正式な勅使がおいでになるはずですものね」
「ご明察だよ、マイハニー」
マイスの推察に、ニコリと笑って頷く伯爵。彼は便箋を丁寧に畳み直しながら答えた。
「この手紙の送り主は――一言で言えば、王国軍のオブザーバー的な御方でね。現役の頃には王国騎士の中でも抜群の実力と人望を備え、周囲から次期総騎士団長になる事を嘱望されていたものの、要職に就く事を善しとせず、五十歳で引退なさった――栄誉と同じくらいに地位を求める騎士達の中では、かなり偏く……変わり者の御仁だよ」
伯爵は一旦言葉を切ると、卓上のグラスを飲み干し、再び言葉を継ぐ。
「有り難い事に、引退後も王国や騎士団の事を気にかけていらっしゃってね。度々、お気づきになった事を率直に伝えて頂けるのだけれど……。あまりにも率直すぎる感情をぶつけてこられるので、こちらとしては、少々耳が痛いというか、辟易するというか……」
そう言うと苦笑いを浮かべ、「まあ、悪い方ではないよ」と、言葉を締めた。
カミーヌは、伯爵の話を聞いて不安そうな表情を浮かべる。ここまで鬱々して落ち込んだ様子の兄を見るのは、初めてだった。
伯爵は、そんな彼女に拘泥する余裕も無いのか、そそくさとナプキンで口元を拭くと、椅子から立ち上がった。
「――では、大変申し訳無いのだが、ボクはここで失礼するよ。あ、マイハニーは引き続き、ゆるりと過ごすといい。カミーヌ、ボクが出掛けた後のマイハニーのお相手を頼むよ」
「は――はあっ? な、何故私が、この女狐の面倒を見ないといけないんですの?」
伯爵の言葉に激しく反発するカミーヌ。伯爵は困った顔で、彼女を説得しようと口を開くが、
「――伯爵様、差し支えなければ、私もハルマイラまでお連れ頂けないでしょうか?」
そう言って、マイスが手を挙げた。
彼女の言葉に、伯爵は目を丸くし、カミーヌの目が吊り上がる。
「も、もちろん差し支えないよ! 寧ろ、願ってもない! マイハニーと一緒に馬車で二人旅出来るなんて――」
「そ、そんな事は赦されませんわ! ダイサリィ! 下民の分際で、お兄様の馬車に相乗りしようなんて、何て図々しい事を!」
歓喜に弾む伯爵の声を遮ったカミーヌの金切り声が、広い部屋に響いた。
マイスは、穏やかな微笑みを浮かべて、カミーヌの方に顔を向けた。
「ひ――!」
振り返ったマイスの顔を見たカミーヌの喉から潰れた蛙の様な声が漏れる。
彼女に向けられたマイスの表情は、とても穏やかな微笑だったが、その細められた深紫の瞳には、極北のブリザードをも凌駕しそうな冷たい光が宿っていた。
気圧されて、椅子ごと後退るカミーヌにもう一度微笑みかけたマイスは、伯爵の方へと向き直った。
「……さすがに、一週間も店を空けてしまっておりますので、そろそろ戻りたいと思いまして……厚かましいお願いだとは重々承知の上で、お願い申し上げたいのですが……」
「あ、ああ! もちろん構わないよ! ……しかし、“アリエテルタの大戦槌”の修復の方は大丈夫なのかい?」
満面に喜色を湛えながらも、ふと思い出したように問いかける伯爵。マイスはその問いに対して、大きく頷いて答えた。
「ええ、そちらはご心配なく。ハアトネスツに任せておけば、全く心配ありませんわ」
「おお、それなら安心だね! じゃあ、早く支度をして、昼前には出掛けよう! ボクたちの婚前旅行へ!」
「そ――そんな事はさせませぇんわ!」
年甲斐も地位甲斐も無くはしゃぐ伯爵の狂喜乱舞に水を差したのは、カミーヌだった。
彼女は、顔を引き攣らせながら、自分を指さして叫んだ。
「今回のハルマイラ行き……この私も同行させて頂きますわッ!」
「え――ッ?」
思いもかけぬ妹の言葉に、伯爵は愕然とし、慌てて彼女を押し止めようと、口を開く。
「そ――それはダメだよ、カミーヌ! お前は、ボクが留守の間、この白獅子城を守っていてくれないと――」
「そんな事はどうでもいいです! 私は、お兄様の身が心配で――」
「あら、それは楽しそうですわ! 是非、一緒に参りましょう、カミーヌ様!」
「ま――マイハニーッ?」
伯爵の言葉は、今度はマイスによって遮られた。彼女は、ゴキゲンな顔で、捲し立てる。
「カミーヌ様がご一緒して頂けるのならば、私も嬉しいですわ! 女同士でお話ししたい事もたくさんございますし! あ、そうそう。カミーヌ様は、オクトル焼きってご存知でいらっしゃいますか? ……あら、ご存知ない! じゃ、一緒に食べに行きましょう。美味しいんですよ~♪」
そして、伯爵に向き直ると、上目遣いで、じっと顔を見つめる。
「……宜しいですよね? は・く・しゃ・く?」
――そう言って、マイスが片目を瞑ってみせた途端、伯爵の鼻の下がだらしなく伸びた。
「あ……ああ、もちろんだとも! キミが望むのなら、カミーヌの同行を許可しよう! 良かったな、カミーヌ!」
「……え、えと……ええ……まあ……?」
有頂天にはしゃぐ兄と、狐につままれたような釈然としない表情の妹を前に、
(……フッフッフッ、計算通り!)
と、穏やかな微笑みを浮かべながら、心の中でガッツポーズを取るマイスであった。
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