涙が枯れて雨が降るとき

早月川 兎喪

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2.神社と彼女

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キーンコーンカーンコーン

授業が終わり上村奈美にこの水女村(ミズメムラ)を案内することになった。

この村の人口はここ最近減少している。案内するほどの建物がないが、改札には人のいないレトロな感じの駅、学校から数キロ先にあるおばあちゃんが経営しているコンビニ、広くも狭くもない一階建ての図書館。そして最後はこの村に一つしか存在しない神社、水門かむやしろ(水門神社)を案内した。

「村の名前とこの神社のどっちにも"水''ってついてるけど昔水害とかにあったの?」

「いや、その逆なんだ。遥か昔、この街は川もなく雨も少なく、生活するには難しい土地だった。
そんな時1人の美人な女の人が現れて、四年に一度生贄を捧げることで雨を降らせ川を作ると言ったらしい。
初めて村人は困ったそうだがその時の状況を考えれば受け入れざるを得なかった。
それ以降この村は水関係で困らなくなったんだ。あくまで言い伝えだけどね」

「じゃあ、ここにその女の人がまつられてるの?」

「そういうこと」

彼女は女の人が神社の本堂の中にいるんじゃないかと、鳥居をぬけ神社の本堂の扉を覗き込んだ。

ガタンッ

その時の急に扉が外れ、本堂の中が丸見えになった。

「ばか、何してんだよ。」

「どうしよう、呪われたりする?」

「それはないと思うけどとりあえず扉を付け直して帰るぞ」

僕たちは扉を直し急いで帰った。


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