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【最終話】光
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目覚めてからと言うもの、グリファートは平和すぎる日々を送っていた。
酷く心配させてしまったのだろう、ロビンや子供たちには泣きながら抱きつかれ、ルドガには何故か怒られ、多くの人々には安静にするようにと促され、何とも穏やかに過ごしていたのだ。
実に二週間も眠りについていたそうで、その間の食事や水分補給はレオンハルトの魔力で補われていたそうだが、グリファート自身はそれほど長い眠りについた感覚はなかった。
ロビンたちは、もうグリファートが目覚めないのではないかという不安に駆られながらも、毎日交代で手作りの腕飾りに祈り続けてくれていたのだとか。
ルドガに至っては酷く狼狽えて何度もグリファートの様子を看に来ていたらしく、その話をキースは愉快そうにグリファートに教えてくれたのだった。
グリファートが深い眠りについている間の出来事はレオンハルトに教えて貰ったのだが、鉱山の浄化をリゼッタが施したのだと聞いた時は流石に驚いた。リゼッタの魔力が聖なるものである事はルドガから聞かされていたが、まさか聖女だったとは。
教会に取り残されていた人々も無事に救出されており、幸いにも死傷者はいなかったようである。
心に傷を抱えた者たちには生きるという選択は酷かもしれない。それでも拠り所はあるのだと言うことを忘れないで欲しいとグリファートは思った。
そしてロビンとリゼッタたちの関係だが、聞けば、今後親子としてしっかり向き合うことにしたらしい。
いざ対面したロビンたちの様子を見たグリファートからすれば、簡単に埋まる溝ではないなと感じたのが正直なところだった。
だがあの時、両親を助けて欲しいとロビンがグリファートに望んだのは確かな事であり、リゼッタたちもまたロビンと向き合う覚悟を決めた。身勝手に人生を終わらせる事を考え直したのだ。
互いが互いを向いているなら、少しずつでもこの先変わっていく事はできるだろう。
リゼッタの瞳は教会にいた頃のように逸らされる事はなく、恐れながらも静かに目の前のロビンを見つめていた。
そしてもう一つ、変わると言えばグリファートも。
「…どう?」
「う~~~~~~ん、じんわり、微妙に、何となく、効いてるような?気がする?」
「それ、効いてないって言うんだよモラン」
「まだやってるのか」
現在、グリファートはモランに作って貰った新しい家に移り住んでいた。
うつ伏せに寝転がったモランの肩や腰に手を翳して顰め面をするグリファートに対し、レオンハルトが声を掛ける。
かれこれ一時間はこんなやり取りをしていたので、流石にレオンハルトの声にも呆れが滲んでいた。
「魔力核は元に戻ったばかりでまだ不安定なんだ。無茶はするな」
「肩凝りを治すくらいで無茶って言ってたら何もできないでしょ」
砕けた魔力核は、レオンハルトたちの呼び掛けとグリファート自身の強い思いによって再構築された。その結果、瘴気を吸収する事なく本来の『聖職者』としてあるべき治癒を再び施す事ができるようになったのだ。
ただ、再構築された魔力核は不安定なのだそうで、負担の掛かるような魔力の使い方はできないとジョフに告げられている。放出量も、蓄えられる魔力量も少なく、現状モランの肩凝りさえまともに治癒できない状態であった。
「急ぐ必要はない。再構築された核は魔力を注いでいけば徐々に安定していくとジョフが言ってただろ。毎日俺がアンタに魔力を注いでるんだ、直に保有量も増えるし治癒も問題なく施せるようになる。心配しなくても誰もアンタを…………おい?聞いてるのか?」
「レオン……お前はやっぱり、もう少しデリカシーとか相手の羞恥心とか考えてやった方がいいと思うぞ」
「?」
首を傾げるレオンハルトと呆れた顔をするモランの横でグリファートがぶるぶると震えながら蹲る。その耳はいっそ憐れになるほど赤い。
「とにかく安心しろ、聖職者様。これからも俺が魔力を分け与えてやる」
「………あ、そ」
言い返す気力もないのか、口をもごつかせるグリファートを見てモランが「やれやれ、相変わらずだな二人とも」と言って笑う。
何ともこそばゆいが、これが幸せと言うものなのだろう。
「さて、俺はそろそろ仕事に戻るかな」
「ん、頑張って」
「おう。ありがとうな」
入り口までレオンハルトと二人でモランを見送る。ふと、こちらに振り向いたモランが穏やかな笑顔で言った。
「これからもよろしくな、グリフの兄さん」
グリファートはレオンハルトと共に、まだ復興の手が伸びていない教会の横を通り、人の気配の少ない裏手の丘へと向かった。
浄化されたオルフィスの街を眺めれば、家を建て直す人や畑を耕す人、遊び回る子供たちがあちこちに見える。蘇った大地には自然が生まれ、空を見上げれば鳥が羽ばたいている。
生きている、そんな実感がここにはあった。
「夢を見てるようだな」
ぽつりとレオンハルトが呟いた。
ここまでレオンハルトはオルフィスを背負い続けてきた。心が折れそうになりながらも、『護る者』として絶望の中で闘い続けてきたのだ。
目の前に広がるこの光景は、レオンハルトからすれば正に夢のような眩さなのだろうと思う。
そんな事を考えながら、ふとグリファートが隣立つレオンハルトを見上げれば、これまで何度見てきたかしれない水底色の瞳と視線が合った。
どきりと小さく心臓が跳ね、思わず目を逸らすも「どうしてこっちを見ないんだ?聖職者様」と横から可笑しそうな声で言われ頬が熱くなるのを感じる。
「………あのさ」
「何だ」
「君って、いつから俺のことそういうふうに見てたの」
この際だから、とグリファートは聞いてみた。
『そういうふうに』と言葉を濁してしまったのは臆病からではなく単なる恥ずかしさだ。
「いつから、か…そうだな。守護者という立場から惹かれたのはアンタがロビンを助けた時、美しいと思ったのはアンタが祈りを捧げていた時、抱きたいと思ったのはアンタに魔力を求められた時。好きだと思えた瞬間がいつかと聞かれたら、最初からだったようにも思うし、ごく最近気付けたようにも思う。ただ、」
レオンハルトはそこで一度言葉を切ると、視線を合わせないままのグリファートの頰に指先で軽く触れた。
「気付いたときには、アンタのそばにいたいと思った」
「…っ」
グリファートも同じようなものだったかもしれない。
いつから、なんて聞いておきながらグリファート自身も気付けばレオンハルトに惹かれていたのだ。きっかけも理由もきっと今さらなのだろう。
「グリファート」
変わった関係と、変わらない光景と。
何もかもを捨てかけていた『あの頃』であれば思いもしなかった願いをグリファートは胸に抱く。
もう二度と手放したくない、と。
「ん…、」
大きな手で頬を包まれ、そのまま唇を奪われる。
まるで女神が祝福でもするかのように、二人の間に柔らかな風が通り抜けた。
レオンハルトの熱を全身で感じながら、与えられる情を受け入れるようにおずおずと彼の背に手を回す。
「アンタからの情を受け取ったと思っていいか?」
「……いいんじゃない。欲しいなら、貰っておけば」
「そうだな」
今度は少しだけ深く、少しの距離も惜しむように抱き寄せられながら口付けられる。
「好きだ グリファート」
深い眠りの中で言われた、どうしようもなく心に響く言葉をグリファートは噛み締める。
ちらりと視線だけ見上げた先にあったのは、漆黒の瞳の中にうっすらと煌めく美しく優しい光だった。
酷く心配させてしまったのだろう、ロビンや子供たちには泣きながら抱きつかれ、ルドガには何故か怒られ、多くの人々には安静にするようにと促され、何とも穏やかに過ごしていたのだ。
実に二週間も眠りについていたそうで、その間の食事や水分補給はレオンハルトの魔力で補われていたそうだが、グリファート自身はそれほど長い眠りについた感覚はなかった。
ロビンたちは、もうグリファートが目覚めないのではないかという不安に駆られながらも、毎日交代で手作りの腕飾りに祈り続けてくれていたのだとか。
ルドガに至っては酷く狼狽えて何度もグリファートの様子を看に来ていたらしく、その話をキースは愉快そうにグリファートに教えてくれたのだった。
グリファートが深い眠りについている間の出来事はレオンハルトに教えて貰ったのだが、鉱山の浄化をリゼッタが施したのだと聞いた時は流石に驚いた。リゼッタの魔力が聖なるものである事はルドガから聞かされていたが、まさか聖女だったとは。
教会に取り残されていた人々も無事に救出されており、幸いにも死傷者はいなかったようである。
心に傷を抱えた者たちには生きるという選択は酷かもしれない。それでも拠り所はあるのだと言うことを忘れないで欲しいとグリファートは思った。
そしてロビンとリゼッタたちの関係だが、聞けば、今後親子としてしっかり向き合うことにしたらしい。
いざ対面したロビンたちの様子を見たグリファートからすれば、簡単に埋まる溝ではないなと感じたのが正直なところだった。
だがあの時、両親を助けて欲しいとロビンがグリファートに望んだのは確かな事であり、リゼッタたちもまたロビンと向き合う覚悟を決めた。身勝手に人生を終わらせる事を考え直したのだ。
互いが互いを向いているなら、少しずつでもこの先変わっていく事はできるだろう。
リゼッタの瞳は教会にいた頃のように逸らされる事はなく、恐れながらも静かに目の前のロビンを見つめていた。
そしてもう一つ、変わると言えばグリファートも。
「…どう?」
「う~~~~~~ん、じんわり、微妙に、何となく、効いてるような?気がする?」
「それ、効いてないって言うんだよモラン」
「まだやってるのか」
現在、グリファートはモランに作って貰った新しい家に移り住んでいた。
うつ伏せに寝転がったモランの肩や腰に手を翳して顰め面をするグリファートに対し、レオンハルトが声を掛ける。
かれこれ一時間はこんなやり取りをしていたので、流石にレオンハルトの声にも呆れが滲んでいた。
「魔力核は元に戻ったばかりでまだ不安定なんだ。無茶はするな」
「肩凝りを治すくらいで無茶って言ってたら何もできないでしょ」
砕けた魔力核は、レオンハルトたちの呼び掛けとグリファート自身の強い思いによって再構築された。その結果、瘴気を吸収する事なく本来の『聖職者』としてあるべき治癒を再び施す事ができるようになったのだ。
ただ、再構築された魔力核は不安定なのだそうで、負担の掛かるような魔力の使い方はできないとジョフに告げられている。放出量も、蓄えられる魔力量も少なく、現状モランの肩凝りさえまともに治癒できない状態であった。
「急ぐ必要はない。再構築された核は魔力を注いでいけば徐々に安定していくとジョフが言ってただろ。毎日俺がアンタに魔力を注いでるんだ、直に保有量も増えるし治癒も問題なく施せるようになる。心配しなくても誰もアンタを…………おい?聞いてるのか?」
「レオン……お前はやっぱり、もう少しデリカシーとか相手の羞恥心とか考えてやった方がいいと思うぞ」
「?」
首を傾げるレオンハルトと呆れた顔をするモランの横でグリファートがぶるぶると震えながら蹲る。その耳はいっそ憐れになるほど赤い。
「とにかく安心しろ、聖職者様。これからも俺が魔力を分け与えてやる」
「………あ、そ」
言い返す気力もないのか、口をもごつかせるグリファートを見てモランが「やれやれ、相変わらずだな二人とも」と言って笑う。
何ともこそばゆいが、これが幸せと言うものなのだろう。
「さて、俺はそろそろ仕事に戻るかな」
「ん、頑張って」
「おう。ありがとうな」
入り口までレオンハルトと二人でモランを見送る。ふと、こちらに振り向いたモランが穏やかな笑顔で言った。
「これからもよろしくな、グリフの兄さん」
グリファートはレオンハルトと共に、まだ復興の手が伸びていない教会の横を通り、人の気配の少ない裏手の丘へと向かった。
浄化されたオルフィスの街を眺めれば、家を建て直す人や畑を耕す人、遊び回る子供たちがあちこちに見える。蘇った大地には自然が生まれ、空を見上げれば鳥が羽ばたいている。
生きている、そんな実感がここにはあった。
「夢を見てるようだな」
ぽつりとレオンハルトが呟いた。
ここまでレオンハルトはオルフィスを背負い続けてきた。心が折れそうになりながらも、『護る者』として絶望の中で闘い続けてきたのだ。
目の前に広がるこの光景は、レオンハルトからすれば正に夢のような眩さなのだろうと思う。
そんな事を考えながら、ふとグリファートが隣立つレオンハルトを見上げれば、これまで何度見てきたかしれない水底色の瞳と視線が合った。
どきりと小さく心臓が跳ね、思わず目を逸らすも「どうしてこっちを見ないんだ?聖職者様」と横から可笑しそうな声で言われ頬が熱くなるのを感じる。
「………あのさ」
「何だ」
「君って、いつから俺のことそういうふうに見てたの」
この際だから、とグリファートは聞いてみた。
『そういうふうに』と言葉を濁してしまったのは臆病からではなく単なる恥ずかしさだ。
「いつから、か…そうだな。守護者という立場から惹かれたのはアンタがロビンを助けた時、美しいと思ったのはアンタが祈りを捧げていた時、抱きたいと思ったのはアンタに魔力を求められた時。好きだと思えた瞬間がいつかと聞かれたら、最初からだったようにも思うし、ごく最近気付けたようにも思う。ただ、」
レオンハルトはそこで一度言葉を切ると、視線を合わせないままのグリファートの頰に指先で軽く触れた。
「気付いたときには、アンタのそばにいたいと思った」
「…っ」
グリファートも同じようなものだったかもしれない。
いつから、なんて聞いておきながらグリファート自身も気付けばレオンハルトに惹かれていたのだ。きっかけも理由もきっと今さらなのだろう。
「グリファート」
変わった関係と、変わらない光景と。
何もかもを捨てかけていた『あの頃』であれば思いもしなかった願いをグリファートは胸に抱く。
もう二度と手放したくない、と。
「ん…、」
大きな手で頬を包まれ、そのまま唇を奪われる。
まるで女神が祝福でもするかのように、二人の間に柔らかな風が通り抜けた。
レオンハルトの熱を全身で感じながら、与えられる情を受け入れるようにおずおずと彼の背に手を回す。
「アンタからの情を受け取ったと思っていいか?」
「……いいんじゃない。欲しいなら、貰っておけば」
「そうだな」
今度は少しだけ深く、少しの距離も惜しむように抱き寄せられながら口付けられる。
「好きだ グリファート」
深い眠りの中で言われた、どうしようもなく心に響く言葉をグリファートは噛み締める。
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