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【17】充足感*
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「ん、ふッ…ぅ、んっ、ん……んん…っ」
ちゅぷ、じゅぷ…と口内に招き入れたものに必死で舌を這わす様は聖職者としてあるまじき姿であろう。
グリファートの舌使いは性感とはかけ離れたはっきり言って拙いものであったが、幸いにもレオンハルトに萎えた様子はなく、相変わらず大きな掌をグリファートの頭に添えて悪戯に耳裏を撫でて弄んでいた。
口の中のものがじわりじわりと昂っている事は感じ取れるが、グリファートの欲している熱がそこから吐き出される気配は残念ながらまだない。
「ん、ちゅ…んっ…ッは、レオン、ハルト…っ」
「…どうした」
「俺、へた…っ、だから…おねが、ぃ…っぁ、教えて…言われた通りやる、から」
「…………」
精液欲しさにしゃぶる方法を教えて下さいと言外に告げてしまったようなものなのだが、グリファート本人は全く気付いていない。その危うさと聖職者とは思えぬふしだらさにレオンハルトはぐうと眉根を寄せて耐えた。
何を──など言うまでもない。目の前の存在を手篭めにしてしまいそうになる男の本能に対してである。
「はあ……無理はするなよ聖職者様」
「ん、…っ?ぅ、」
ため息と共にグリファートの耳裏を擽っていたレオンハルトの掌が後頭部に回った。差し込まれた指にくしゃりと髪の毛が絡んだと思うと、そのままゆっくりと頭を押さえ付けられる。
喉奥目掛けぐぐ、と入り込んできた肉棒に苦しさを覚えるが、眉根を寄せるとすぐに力は緩まった。
「そのまま、ゆっくりでいい。頭を動かしながら吸って、舌も、出来れば唾液を…含ませて、…そう、くそ…説明する方が恥ずかしくないか……?」
途中でぶつぶつと独り言に入ってしまったレオンハルトを咎めるように見上げれば、片手で顔を覆いながら項垂れる姿が目に入る。
その耳が赤く染まっているのを見てしまったせいか、熱が移ったようにグリファートまで頬が熱くなった。
誤魔化すように頭を上下に動かし、唾液を纏った舌先で丁寧に舐め上げれば頭上で小さく息を飲む気配がする。
「ん…ぅ、んっ…んん…ッ」
「…ッ、聖職者様、」
「ん、ん…っぢゅ…ん、ん…ッぢゅるっ、ちゅ、ん」
「はッ……くそ…!」
荒々しく言いながら、レオンハルトの熱い掌が後頭部から頸、首を伝って頬へと順に触れていく。物言いとは裏腹にその手付きに乱暴さはなく、頬を包み込んだまま、まるで「上手だ」と褒めるように親指の平で米神を撫でられた。
そんな事をされてしまえば、グリファートも夢中でレオンハルトのものを愛でたくなってしまうではないか。
そうしているうちにそれは凶暴なまでに膨れ上がり、気付けばグリファートの口内を限界まで占領し切っていた。
「…ッ、聖職者、様…っ、アンタ、本当にいいのか……ッ」
もう限界だぞ、と唸るレオンハルトをちらりと見上げる。
眉間に皺を寄せ最後の足掻きとばかりに耐える獅子の姿は、獰猛な雄そのものでくらりと目眩がする。
絡み合った視線の先、漆黒の瞳の中に揺らめく情欲の熱が見て取れた。
この行為と、そして相手がグリファートである事に対し、レオンハルトも『悪くない』と思ってくれているのだろうか。
そう思うと妙に安堵してしまい、グリファートは柔らかく目を細めた。
「ッ、!ぐっ……く、そ…ッ────!!」
「!」
レオンハルトが目を瞑ると同時にドプドプッ!と粘液が吐き出される。予期はしていたが、そのあまりの勢いと熱さにグリファートの肩も驚きで跳ね上がった。
「んぷっ…ぅ、んん……っ」
しっかりと咥え込んでいたために放たれた熱は余す事なく喉奥に叩き込まれていく。
粘つきうまく飲み込めないそれを何とか飲み込めば、腹の奥底で待ち望んでいたものがじわりと溜まっていく感覚がした。
「はあ…ッ大丈夫か聖職者様……」
「んっ……ぅ、ん…」
ドッと疲れた様子のレオンハルトを見上げながらグリファートは小さく頷く。
だがまだどこか足りない。
いや、飢えていたところに望みのものが与えられ、貪欲になってしまっているのだろうか。
見ればレオンハルトのものも一度精を吐き出した事で落ち着きを取り戻してはいるが、それでも触れればまだ熱く滾りそうな名残りがある。
グリファートはごくりと生唾を飲み込むとのそのそと起き上がり、レオンハルトの上に跨るように膝立ちになった。
祭服の白い裾を持ち上げ、もう片方の手でずり…と下穿きを膝まで下ろす。恥ずかしい格好ではあるが捲し上げた祭服の下で、太腿と首を擡げたグリファートのそれが露わになった。
「っ、おい聖職者様。アンタまさか……」
レオンハルトが何か言う前に彼のものを後ろ手でこすこすと擦り上げる。途端ビキビキッと硬度を持つそれにグリファートは内心でホッとしながら、ゆっくりとそこに腰を落としていった。
「んっ、ぁ…ん…っ、……」
「おいッ…!」
出来ればそのまま中へ招き入れてしまいたい、とグリファートは思っていたのだが熱棒の先端は中々窄まりに導かれてはくれなかった。
ぬるぬると行き来するだけのもどかしさにグリファートはどうして、と声を上げる。
「ん、はいん ない…ッ、ぁ、なんで…っあ、ん!」
「当たり前だ…!無茶するな聖職者様!」
「や、だ…ッなかで、中で欲し…ぃっ」
「………ッ、慣らすのに時間がかかるだろ」
だから駄目だと言わんばかりに頬を撫でられて、グリファートは絶望したように嫌々と首を振った。
まだ足りないのだ。こんなところでお預けを喰らったらどうにかなってしまう。
「あ、やだ…っ、おねが、あッ、れ、おん…ッれおん…はると…っ」
「…こういう時ばかりは名前を呼ぶんだなアンタ」
恨めしく吐かれたと思うとぐい、と引き寄せられ唇を奪われた。喰らい尽くすような口付けと共にレオンハルトの手が露わになったグリファートの太腿に触れる。
肉付きを確かめるように這われていた掌は腰へと移動し、そのまま反応を示していたグリファートの前へと伸びてくる。
「んッ!ん、ぁん、ん、んんー……っ」
口を肉厚な舌でいっぱいに塞がれたままレオンハルトに前を弄られ、グリファートは悩ましげな顔で腰をくねらせた。
レオンハルトの掌に押し付けるように腰を動かしてしまうが、レオンハルトは数度グリファートのものをちゅこちゅこと扱くと、つうと垂れてきた先走りを掬って手を離してしまう。
グリファートが縋るようにレオンハルトを見つめると同時、水気を纏った指が尻の間へと滑り込んできた。
「…っは、息を詰めるなよ聖職者様」
レオンハルトは口付けの合間にそう言うと、窄まったそこを指の腹で数度撫ぜ、窺うようににゅぷりと人差し指を潜り込ませた。
「ッ、ぁ、ん…ん、ぅ…っ」
「…苦しいか」
「ぁ、だいじょ…ッぶ、んんっ……」
レオンハルトの指は体格に見合った男らしい太さを持っていて、人差し指一本といえど圧迫感がある。だがグリファートの中はレオンハルトの指を構わずきゅうきゅうと包み込んだ。
にゅぷ、にゅぷ、ぬぷ、と生々しい音を立てながら指が出し入れされグリファートの尻もそれに合わせるようにゆらゆらと揺れる。
「ぁ、あ、あ…っあ、ん、あ…あー……っ」
自分のものとは思えない甘い声をひっきりなしに漏らしながら、グリファートは目の前のレオンハルトの首に腕を回し、すりすりと頭を擦り付けた。
気持ちがいいよ、という思いがレオンハルトにも伝わったのか。一瞬動きを止めたあと、指をもう一本増やされ少し大胆に中を掻き回される。
「あっ、あぁ、あッ、れお、んッあ、あ、あ、も、もう…っ」
充分解されたそこに熱い昂りを挿れて欲しくて、訴えるようにレオンハルトを見上げる。
それと同時に後ろを塞いでいた二本の指がぐぽっと抜けていった。
グリファートのすぐ下にあるレオンハルトの肉棒も、これでもかと膨れ上がってすっかり凶暴な形に仕上がっている。
グリファートは喉を鳴らし、ゆっくりと腰を沈めようとした。
「待て。腰は落とすな聖職者様」
「ッ、なん、で…」
「アンタ、全部挿れる気でいるだろ。流石にそれは無理だ」
言ってレオンハルトはグリファートの後孔の縁を指でぐにりと広げると、凶悪な肉棒の先端を慎重に潜り込ませた。
ぐにゅりと押し入る圧迫感と燃えるような熱を感じて身体が震える。
そのまま奥まで、と思いきや一向に中へは入って来ず。見ればレオンハルトの手がグリファートの腰をがっちりと掴んでそれ以上落ちないよう支えているようだった。
「あ、っぁ、あ、あ…っ、あ、なんで、ッ?もっと、いれて」
「駄目だ」
「ぁ、ひど、ぃ、レオンハルトっ……!」
グリファートの涙の訴えも頑強な壁の前では効かないのか、レオンハルトは先端を後孔の入り口に引っ掛けた状態のまま自身の竿をゴシゴシと片手で擦る。
男らしい扱きに思わず目を奪われていれば、限界はすぐにやってきたのかレオンハルトは眉根を寄せて背を丸めた。
「ッ、く────!!」
「んァ、…っ」
ビュルルッとグリファートの体内に熱い粘液が直接注がれていく。喉奥に受け止めた時よりもずっと濃厚で確かな充足感に、グリファートの表情も蕩けたものになる。
「あ、あ、ぁッぁ、すご、きて、るっ…、熱いの、きて…っ」
「…ッ、満足したか?聖職者様」
「ン…っ、ぁ、うん……」
ああ、溜まっていく。
グリファートが余韻に浸っていれば、ぬぽりとレオンハルトの先端が引き抜かれベッドに寝かされた。
ゆっくりと中で魔力が滲んでいくのを感じる。
心地よい疲労とともに眠気がやってきて、自然に瞼が落ちていった。
「もういい、寝てろ」
大きな掌がさらりと髪をすくように頭を撫でる。碌な返事もできないままグリファートはそっと眠りについた。
ちゅぷ、じゅぷ…と口内に招き入れたものに必死で舌を這わす様は聖職者としてあるまじき姿であろう。
グリファートの舌使いは性感とはかけ離れたはっきり言って拙いものであったが、幸いにもレオンハルトに萎えた様子はなく、相変わらず大きな掌をグリファートの頭に添えて悪戯に耳裏を撫でて弄んでいた。
口の中のものがじわりじわりと昂っている事は感じ取れるが、グリファートの欲している熱がそこから吐き出される気配は残念ながらまだない。
「ん、ちゅ…んっ…ッは、レオン、ハルト…っ」
「…どうした」
「俺、へた…っ、だから…おねが、ぃ…っぁ、教えて…言われた通りやる、から」
「…………」
精液欲しさにしゃぶる方法を教えて下さいと言外に告げてしまったようなものなのだが、グリファート本人は全く気付いていない。その危うさと聖職者とは思えぬふしだらさにレオンハルトはぐうと眉根を寄せて耐えた。
何を──など言うまでもない。目の前の存在を手篭めにしてしまいそうになる男の本能に対してである。
「はあ……無理はするなよ聖職者様」
「ん、…っ?ぅ、」
ため息と共にグリファートの耳裏を擽っていたレオンハルトの掌が後頭部に回った。差し込まれた指にくしゃりと髪の毛が絡んだと思うと、そのままゆっくりと頭を押さえ付けられる。
喉奥目掛けぐぐ、と入り込んできた肉棒に苦しさを覚えるが、眉根を寄せるとすぐに力は緩まった。
「そのまま、ゆっくりでいい。頭を動かしながら吸って、舌も、出来れば唾液を…含ませて、…そう、くそ…説明する方が恥ずかしくないか……?」
途中でぶつぶつと独り言に入ってしまったレオンハルトを咎めるように見上げれば、片手で顔を覆いながら項垂れる姿が目に入る。
その耳が赤く染まっているのを見てしまったせいか、熱が移ったようにグリファートまで頬が熱くなった。
誤魔化すように頭を上下に動かし、唾液を纏った舌先で丁寧に舐め上げれば頭上で小さく息を飲む気配がする。
「ん…ぅ、んっ…んん…ッ」
「…ッ、聖職者様、」
「ん、ん…っぢゅ…ん、ん…ッぢゅるっ、ちゅ、ん」
「はッ……くそ…!」
荒々しく言いながら、レオンハルトの熱い掌が後頭部から頸、首を伝って頬へと順に触れていく。物言いとは裏腹にその手付きに乱暴さはなく、頬を包み込んだまま、まるで「上手だ」と褒めるように親指の平で米神を撫でられた。
そんな事をされてしまえば、グリファートも夢中でレオンハルトのものを愛でたくなってしまうではないか。
そうしているうちにそれは凶暴なまでに膨れ上がり、気付けばグリファートの口内を限界まで占領し切っていた。
「…ッ、聖職者、様…っ、アンタ、本当にいいのか……ッ」
もう限界だぞ、と唸るレオンハルトをちらりと見上げる。
眉間に皺を寄せ最後の足掻きとばかりに耐える獅子の姿は、獰猛な雄そのものでくらりと目眩がする。
絡み合った視線の先、漆黒の瞳の中に揺らめく情欲の熱が見て取れた。
この行為と、そして相手がグリファートである事に対し、レオンハルトも『悪くない』と思ってくれているのだろうか。
そう思うと妙に安堵してしまい、グリファートは柔らかく目を細めた。
「ッ、!ぐっ……く、そ…ッ────!!」
「!」
レオンハルトが目を瞑ると同時にドプドプッ!と粘液が吐き出される。予期はしていたが、そのあまりの勢いと熱さにグリファートの肩も驚きで跳ね上がった。
「んぷっ…ぅ、んん……っ」
しっかりと咥え込んでいたために放たれた熱は余す事なく喉奥に叩き込まれていく。
粘つきうまく飲み込めないそれを何とか飲み込めば、腹の奥底で待ち望んでいたものがじわりと溜まっていく感覚がした。
「はあ…ッ大丈夫か聖職者様……」
「んっ……ぅ、ん…」
ドッと疲れた様子のレオンハルトを見上げながらグリファートは小さく頷く。
だがまだどこか足りない。
いや、飢えていたところに望みのものが与えられ、貪欲になってしまっているのだろうか。
見ればレオンハルトのものも一度精を吐き出した事で落ち着きを取り戻してはいるが、それでも触れればまだ熱く滾りそうな名残りがある。
グリファートはごくりと生唾を飲み込むとのそのそと起き上がり、レオンハルトの上に跨るように膝立ちになった。
祭服の白い裾を持ち上げ、もう片方の手でずり…と下穿きを膝まで下ろす。恥ずかしい格好ではあるが捲し上げた祭服の下で、太腿と首を擡げたグリファートのそれが露わになった。
「っ、おい聖職者様。アンタまさか……」
レオンハルトが何か言う前に彼のものを後ろ手でこすこすと擦り上げる。途端ビキビキッと硬度を持つそれにグリファートは内心でホッとしながら、ゆっくりとそこに腰を落としていった。
「んっ、ぁ…ん…っ、……」
「おいッ…!」
出来ればそのまま中へ招き入れてしまいたい、とグリファートは思っていたのだが熱棒の先端は中々窄まりに導かれてはくれなかった。
ぬるぬると行き来するだけのもどかしさにグリファートはどうして、と声を上げる。
「ん、はいん ない…ッ、ぁ、なんで…っあ、ん!」
「当たり前だ…!無茶するな聖職者様!」
「や、だ…ッなかで、中で欲し…ぃっ」
「………ッ、慣らすのに時間がかかるだろ」
だから駄目だと言わんばかりに頬を撫でられて、グリファートは絶望したように嫌々と首を振った。
まだ足りないのだ。こんなところでお預けを喰らったらどうにかなってしまう。
「あ、やだ…っ、おねが、あッ、れ、おん…ッれおん…はると…っ」
「…こういう時ばかりは名前を呼ぶんだなアンタ」
恨めしく吐かれたと思うとぐい、と引き寄せられ唇を奪われた。喰らい尽くすような口付けと共にレオンハルトの手が露わになったグリファートの太腿に触れる。
肉付きを確かめるように這われていた掌は腰へと移動し、そのまま反応を示していたグリファートの前へと伸びてくる。
「んッ!ん、ぁん、ん、んんー……っ」
口を肉厚な舌でいっぱいに塞がれたままレオンハルトに前を弄られ、グリファートは悩ましげな顔で腰をくねらせた。
レオンハルトの掌に押し付けるように腰を動かしてしまうが、レオンハルトは数度グリファートのものをちゅこちゅこと扱くと、つうと垂れてきた先走りを掬って手を離してしまう。
グリファートが縋るようにレオンハルトを見つめると同時、水気を纏った指が尻の間へと滑り込んできた。
「…っは、息を詰めるなよ聖職者様」
レオンハルトは口付けの合間にそう言うと、窄まったそこを指の腹で数度撫ぜ、窺うようににゅぷりと人差し指を潜り込ませた。
「ッ、ぁ、ん…ん、ぅ…っ」
「…苦しいか」
「ぁ、だいじょ…ッぶ、んんっ……」
レオンハルトの指は体格に見合った男らしい太さを持っていて、人差し指一本といえど圧迫感がある。だがグリファートの中はレオンハルトの指を構わずきゅうきゅうと包み込んだ。
にゅぷ、にゅぷ、ぬぷ、と生々しい音を立てながら指が出し入れされグリファートの尻もそれに合わせるようにゆらゆらと揺れる。
「ぁ、あ、あ…っあ、ん、あ…あー……っ」
自分のものとは思えない甘い声をひっきりなしに漏らしながら、グリファートは目の前のレオンハルトの首に腕を回し、すりすりと頭を擦り付けた。
気持ちがいいよ、という思いがレオンハルトにも伝わったのか。一瞬動きを止めたあと、指をもう一本増やされ少し大胆に中を掻き回される。
「あっ、あぁ、あッ、れお、んッあ、あ、あ、も、もう…っ」
充分解されたそこに熱い昂りを挿れて欲しくて、訴えるようにレオンハルトを見上げる。
それと同時に後ろを塞いでいた二本の指がぐぽっと抜けていった。
グリファートのすぐ下にあるレオンハルトの肉棒も、これでもかと膨れ上がってすっかり凶暴な形に仕上がっている。
グリファートは喉を鳴らし、ゆっくりと腰を沈めようとした。
「待て。腰は落とすな聖職者様」
「ッ、なん、で…」
「アンタ、全部挿れる気でいるだろ。流石にそれは無理だ」
言ってレオンハルトはグリファートの後孔の縁を指でぐにりと広げると、凶悪な肉棒の先端を慎重に潜り込ませた。
ぐにゅりと押し入る圧迫感と燃えるような熱を感じて身体が震える。
そのまま奥まで、と思いきや一向に中へは入って来ず。見ればレオンハルトの手がグリファートの腰をがっちりと掴んでそれ以上落ちないよう支えているようだった。
「あ、っぁ、あ、あ…っ、あ、なんで、ッ?もっと、いれて」
「駄目だ」
「ぁ、ひど、ぃ、レオンハルトっ……!」
グリファートの涙の訴えも頑強な壁の前では効かないのか、レオンハルトは先端を後孔の入り口に引っ掛けた状態のまま自身の竿をゴシゴシと片手で擦る。
男らしい扱きに思わず目を奪われていれば、限界はすぐにやってきたのかレオンハルトは眉根を寄せて背を丸めた。
「ッ、く────!!」
「んァ、…っ」
ビュルルッとグリファートの体内に熱い粘液が直接注がれていく。喉奥に受け止めた時よりもずっと濃厚で確かな充足感に、グリファートの表情も蕩けたものになる。
「あ、あ、ぁッぁ、すご、きて、るっ…、熱いの、きて…っ」
「…ッ、満足したか?聖職者様」
「ン…っ、ぁ、うん……」
ああ、溜まっていく。
グリファートが余韻に浸っていれば、ぬぽりとレオンハルトの先端が引き抜かれベッドに寝かされた。
ゆっくりと中で魔力が滲んでいくのを感じる。
心地よい疲労とともに眠気がやってきて、自然に瞼が落ちていった。
「もういい、寝てろ」
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