2 / 17
異世界転移って時限回廊を落ちること?
勇者タカシ
しおりを挟む
クリスタルワールドという、ネットRPGがある。親の理解もあって、オレは小さいころから、このゲームをやりこんでいた。主に、精霊との関係で、鍛冶屋や建築士をここで練習していたわけだが、戦闘でなくても、レベルもステータスも攻略組と変わらない状態になっていた。このゲームは、魔石がストーリーの鍵に良くなるので、鍛冶屋で魔石をよく使うおれは、余計そうなったのかもしれない。
あるイベントで、戦闘職でないおれが、攻略組に組み込まれることになってしまった。24人のレイドを組んでの攻略。無理やりおれを組み込んできたそのパーティーは、自滅の道をたどることになる。せっかくボスの階まで来たのだからと、おれは一人ボス部屋に向かった。そのボス部屋の前には、有名な女魔導士がいるだけ。入るのをためらっていた。おれは、戦闘で、情報だけでも得て、次回に生かせばいいやと思って、一人扉を開けた。その時、彼女は、部屋に入ってこなかった。
1000万人が、おれたちのボス戦を見守ったクリスタルワールドオンライン。ラスボスを倒した瞬間、最後にちょっとだけ加勢してくれた女魔導士がおれを殺した。
「タカシ君、死んで」
この時、コンピューターがバグったに違いない。オレは、メインコンピューターの一部になり、全てのデーターにアクセスし、その時、全てを知ったが、ゲームのエンディングに引き戻されて、最後は、強制ログアウトになる。
気がつけば、いつもの部屋。オレは、すぐクリスタルワールドに戻った。
ラスボスを倒したときの、ドロップアイテムは、ちゃんと落ちていたし、ポイントもしっかりついていた。クリスタルワールドがバージョンアップしない限り、最終ボスの石碑に、おれ等レイドチーム24人以外の、名前が刻まれることはない。
あれっ?オレの名前がない
レイドメンバーは24。24名いるはずの石碑に、おれの名前がない。
なんで、おれの名前がない。オレは、深い闇の中に堕ちて行った。
おれは、精霊と付き合っていて、とっくに輪廻の輪から外れていた。このとき、魂は、この世界と接触していた精霊界にとどまることが出来ず、更に深い次元に落ちて行く。
そこは、暗闇で、夜空の星を見ているように、陽子の光がいっぱい見えて・・・・
「お父様!!!!!」
「わかっとる。むぅダメじゃ、皆も力を貸さんか。あまり深い次元に落ちると、もうタカシに会えんようになるぞ」
聖霊王の言葉は、精霊界にこだました。タカシの魂は、精霊界より、更に更に深い次元で、やっと定着することが出来た。
「はーー、タカシの魂は、安定した。神域の下じゃ。前世と同じ人間界に転生する」
「同じって・・・」
「大丈夫じゃ。タカシだぞ」
大多数の精霊は、また会えると、留飲を下げた。
おれは、ずっと、みんな〈精霊たち〉の声が聞こえていた。
聖霊王、無茶するよな。輪廻の輪に留まれず、次元回廊を落ちて行くおれを無理やり引き留めた。おれは、精霊界からすると、その世界と同じ分量を持ったエネルギー体である。現実世界で言うと、惑星世界のエネルギー体(精霊)が、別の惑星を引き留めたようなものだ。
それでも、今まで、オレが、息をするように外部エネルギーを精霊界に注いでいた性で、エネルギーだけは、有り余っていたはずだ。でも、それを、どれぐらい使った事やら。次元回廊をおれは、エネルギーで出来ている精霊界と、それを利用する神界を突き抜けてしまった。おれには、もう上位の世界を感知することは出来ない。
ミクロの世界に落ちるほど、不安定な世界になるんだったっけ。おれみたいに、超安定している魂が、留まっていいところなのかな。生前の意識もそのままあるし。
まいったなー
ミクロの世界を11次元突っ切ってしまうより、知り合いに会える方がよっぽどありがたいのが本音。なんせ、その先は、未知の領域だ。消滅すらありうる。
しかし、おれが再び意識を取り戻した時には、それら記憶をすべて喪失していた。それを知った精霊たちは、途方にくれた。
そして、神域の下にある人界は、大きな変化に沸くことになる。
勇者タカシの実態を国の人々は、ほとんど知らされていない。それは、王や貴族も同じだ。なぜならタカシは、いきなり魔王を撃破して、このアナム王国に平和をもたらしたからだ。アナム王や国民たちは、魔王軍が、元いた下層次元深くに、引き返したのを知って、初めて魔王が滅せられたことを悟った。
しかし、魔王を倒した勇者がいない。そこは、勇者タカシを魔王城に案内した案内人だと名乗るヤタの魔導士の言葉を信じるしかなかった。そのヤタの魔導士も、アナム王にそのことを告げて霧散している。王は、魔王軍に占領された土地に聖騎士の調査隊を送って、事実であると確認するしかなかった。
聖騎士団は、魔王城に一番近くの村にいた青年を救い出して、彼を王城に招き入れた。聖騎士団団長のサンダー将軍は、その青年をいたく気に入った。彼のステータスには、名前が無かった。レベル1でしかないその少年は、横柄な口を利く聖騎士団員を地上にひれ伏した。このときサンダー将軍は、彼が素晴らしい素質を持っていると確信した。
サンダー将軍は、アナム王に断わり、勇者にあやかって、その青年に「タカシ」と名付けた。その時タカシは、サンダー将軍を親と慕うようになっていた。
タカシは、サンダー将軍が住まうクナの里で養生することになる。このときタカシは、言葉も記憶も覚えていなかった。それなのに知的な目をサンダー将軍に向ける。彼は、必ず治る。タカシは、魔王城近くの村にいた性で、その毒素を受けて、全ての記憶を忘れただけで、養生すれば思い出すと、タカシの知的な目を見て確信していた。
それから1年が流れた。タカシは、サンダー将軍を義父と認め、言葉を取り戻したが、記憶はあいまいで、未だにこの世界になじんでいない。ただ、生活魔法を見る度に興奮し、興味を示す。サンダー将軍としては、自分の部下を退けたその武術にあっぱれと思っていたので聖騎士にしようと思っていたが、考えを変えた。結婚せず、子供もいなかったサンダーにとって、実の息子同然のタカシの好きにさせてやりたい。だから、家政婦を師匠と呼ぶタカシに、家庭教師をつけることにした。魔法使いになりたいなら、それでもいいと思ったからだ。
アナム王国にいる魔導士は、火、水、風、土の魔法使いに分かれる。どの属性魔導士も付けてやることはできるのだが、タカシは、この時、全ての生活魔法を使えるようになっていた。そこで、全ての属性魔法を使うことができる魔法使いをタカシに付けることにした。その魔導士は、隠匿された一族。その辺境種族は、先の魔王軍との戦いにおいて王の招集に応じなかった種族である。しかし、今は亡き勇者タカシを魔王城に導き魔王を討伐せしめ魔王軍を地上から廃するのに貢献したヤタの魔導士がいる種族である。
サンダーは、家人の者をヤタ族に遣わし、タカシの家庭教師を派遣してくれとお願いした。王にも従わなかったヤタ族なのに、彼らは、サンダーの召喚に、二つ返事で、タカシの家庭教師を送ってくれた。来たのは、生活魔法がすべてできる可愛い家政婦だった。彼女は、4属性の魔法が使え、その上複合魔法が使える。サンダー将軍は、その点が気に入り、彼女を雇い入れた。彼女がサンダーに見せた複合魔法は、溶岩流。彼女が作った小さな火の雫は、溶けた燃え盛る土の水だった。サンダー将軍は、その溶岩流に内包された物質を見て驚いた。それは、鉄の粒ではないか。この少女に尋常ならざる魔法の素質を見い出し、これならと、大喜びした。
あるイベントで、戦闘職でないおれが、攻略組に組み込まれることになってしまった。24人のレイドを組んでの攻略。無理やりおれを組み込んできたそのパーティーは、自滅の道をたどることになる。せっかくボスの階まで来たのだからと、おれは一人ボス部屋に向かった。そのボス部屋の前には、有名な女魔導士がいるだけ。入るのをためらっていた。おれは、戦闘で、情報だけでも得て、次回に生かせばいいやと思って、一人扉を開けた。その時、彼女は、部屋に入ってこなかった。
1000万人が、おれたちのボス戦を見守ったクリスタルワールドオンライン。ラスボスを倒した瞬間、最後にちょっとだけ加勢してくれた女魔導士がおれを殺した。
「タカシ君、死んで」
この時、コンピューターがバグったに違いない。オレは、メインコンピューターの一部になり、全てのデーターにアクセスし、その時、全てを知ったが、ゲームのエンディングに引き戻されて、最後は、強制ログアウトになる。
気がつけば、いつもの部屋。オレは、すぐクリスタルワールドに戻った。
ラスボスを倒したときの、ドロップアイテムは、ちゃんと落ちていたし、ポイントもしっかりついていた。クリスタルワールドがバージョンアップしない限り、最終ボスの石碑に、おれ等レイドチーム24人以外の、名前が刻まれることはない。
あれっ?オレの名前がない
レイドメンバーは24。24名いるはずの石碑に、おれの名前がない。
なんで、おれの名前がない。オレは、深い闇の中に堕ちて行った。
おれは、精霊と付き合っていて、とっくに輪廻の輪から外れていた。このとき、魂は、この世界と接触していた精霊界にとどまることが出来ず、更に深い次元に落ちて行く。
そこは、暗闇で、夜空の星を見ているように、陽子の光がいっぱい見えて・・・・
「お父様!!!!!」
「わかっとる。むぅダメじゃ、皆も力を貸さんか。あまり深い次元に落ちると、もうタカシに会えんようになるぞ」
聖霊王の言葉は、精霊界にこだました。タカシの魂は、精霊界より、更に更に深い次元で、やっと定着することが出来た。
「はーー、タカシの魂は、安定した。神域の下じゃ。前世と同じ人間界に転生する」
「同じって・・・」
「大丈夫じゃ。タカシだぞ」
大多数の精霊は、また会えると、留飲を下げた。
おれは、ずっと、みんな〈精霊たち〉の声が聞こえていた。
聖霊王、無茶するよな。輪廻の輪に留まれず、次元回廊を落ちて行くおれを無理やり引き留めた。おれは、精霊界からすると、その世界と同じ分量を持ったエネルギー体である。現実世界で言うと、惑星世界のエネルギー体(精霊)が、別の惑星を引き留めたようなものだ。
それでも、今まで、オレが、息をするように外部エネルギーを精霊界に注いでいた性で、エネルギーだけは、有り余っていたはずだ。でも、それを、どれぐらい使った事やら。次元回廊をおれは、エネルギーで出来ている精霊界と、それを利用する神界を突き抜けてしまった。おれには、もう上位の世界を感知することは出来ない。
ミクロの世界に落ちるほど、不安定な世界になるんだったっけ。おれみたいに、超安定している魂が、留まっていいところなのかな。生前の意識もそのままあるし。
まいったなー
ミクロの世界を11次元突っ切ってしまうより、知り合いに会える方がよっぽどありがたいのが本音。なんせ、その先は、未知の領域だ。消滅すらありうる。
しかし、おれが再び意識を取り戻した時には、それら記憶をすべて喪失していた。それを知った精霊たちは、途方にくれた。
そして、神域の下にある人界は、大きな変化に沸くことになる。
勇者タカシの実態を国の人々は、ほとんど知らされていない。それは、王や貴族も同じだ。なぜならタカシは、いきなり魔王を撃破して、このアナム王国に平和をもたらしたからだ。アナム王や国民たちは、魔王軍が、元いた下層次元深くに、引き返したのを知って、初めて魔王が滅せられたことを悟った。
しかし、魔王を倒した勇者がいない。そこは、勇者タカシを魔王城に案内した案内人だと名乗るヤタの魔導士の言葉を信じるしかなかった。そのヤタの魔導士も、アナム王にそのことを告げて霧散している。王は、魔王軍に占領された土地に聖騎士の調査隊を送って、事実であると確認するしかなかった。
聖騎士団は、魔王城に一番近くの村にいた青年を救い出して、彼を王城に招き入れた。聖騎士団団長のサンダー将軍は、その青年をいたく気に入った。彼のステータスには、名前が無かった。レベル1でしかないその少年は、横柄な口を利く聖騎士団員を地上にひれ伏した。このときサンダー将軍は、彼が素晴らしい素質を持っていると確信した。
サンダー将軍は、アナム王に断わり、勇者にあやかって、その青年に「タカシ」と名付けた。その時タカシは、サンダー将軍を親と慕うようになっていた。
タカシは、サンダー将軍が住まうクナの里で養生することになる。このときタカシは、言葉も記憶も覚えていなかった。それなのに知的な目をサンダー将軍に向ける。彼は、必ず治る。タカシは、魔王城近くの村にいた性で、その毒素を受けて、全ての記憶を忘れただけで、養生すれば思い出すと、タカシの知的な目を見て確信していた。
それから1年が流れた。タカシは、サンダー将軍を義父と認め、言葉を取り戻したが、記憶はあいまいで、未だにこの世界になじんでいない。ただ、生活魔法を見る度に興奮し、興味を示す。サンダー将軍としては、自分の部下を退けたその武術にあっぱれと思っていたので聖騎士にしようと思っていたが、考えを変えた。結婚せず、子供もいなかったサンダーにとって、実の息子同然のタカシの好きにさせてやりたい。だから、家政婦を師匠と呼ぶタカシに、家庭教師をつけることにした。魔法使いになりたいなら、それでもいいと思ったからだ。
アナム王国にいる魔導士は、火、水、風、土の魔法使いに分かれる。どの属性魔導士も付けてやることはできるのだが、タカシは、この時、全ての生活魔法を使えるようになっていた。そこで、全ての属性魔法を使うことができる魔法使いをタカシに付けることにした。その魔導士は、隠匿された一族。その辺境種族は、先の魔王軍との戦いにおいて王の招集に応じなかった種族である。しかし、今は亡き勇者タカシを魔王城に導き魔王を討伐せしめ魔王軍を地上から廃するのに貢献したヤタの魔導士がいる種族である。
サンダーは、家人の者をヤタ族に遣わし、タカシの家庭教師を派遣してくれとお願いした。王にも従わなかったヤタ族なのに、彼らは、サンダーの召喚に、二つ返事で、タカシの家庭教師を送ってくれた。来たのは、生活魔法がすべてできる可愛い家政婦だった。彼女は、4属性の魔法が使え、その上複合魔法が使える。サンダー将軍は、その点が気に入り、彼女を雇い入れた。彼女がサンダーに見せた複合魔法は、溶岩流。彼女が作った小さな火の雫は、溶けた燃え盛る土の水だった。サンダー将軍は、その溶岩流に内包された物質を見て驚いた。それは、鉄の粒ではないか。この少女に尋常ならざる魔法の素質を見い出し、これならと、大喜びした。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
傭兵アルバの放浪記
有馬円
ファンタジー
変わり者の傭兵アルバ、誰も詳しくはこの人間のことを知りません。
アルバはずーっと傭兵で生きてきました。
あんまり考えたこともありません。
でも何をしても何をされても生き残ることが人生の目標です。
ただそれだけですがアルバはそれなりに必死に生きています。
そんな人生の一幕
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる