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異世界転移って時限回廊を落ちること?
ミクロの異次元の精霊さんたち
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次元は、2方向ある。宇宙に広がっていく次元と、ミクロに広がっていく次元。宇宙は、我々にとって広すぎだ。我々は、太陽系からさえも出て行けない。太陽系など、銀河から比べたら、ただの光点にしかすぎず、その銀河系も宇宙から見れば、ただの島宇宙でしかない。
問題は、もう一方のミクロの世界。我々は、この世界に、干渉している。極小の世界から見たら、自分は、超巨大な存在だけど、スカスカで、霧のような集合体。そんなスカスカな世界のはずなのに、その体を保って移動しているし、物をつかむし、食事をする。空気を吸い、吐き出しているのだ。自分が、ミクロの世界に干渉しているのを実感できる。
我々が、更に、その深淵に干渉できれば、次元の異なった世界を見ることが出来る。超えなければいけない次元の壁は、11次元。内なる深淵を覗いた者は、何を見るのだろう。旅は一瞬で、見るものは、全ての根源。原子の壁を超えた世界だ。
子供のころ、親に無理難題を言って困らせた。
「ねえ、どうやったら魔法を使えるの?」
父さんも母さんも、ラノベやアニメが大好きで、そんなのばかり小さいころから見ていた。だから、自分も大きくなったら、魔法が使えるものだと思っていた。
「たーくん、ごめんね。この世界に魔法はないよの。その代わりに、科学があるじゃない。それが魔法の代わり」
困った母さんは、本当の事を話してくれた。しかし父さんは、もっとラノベ脳だった。
「たーくんが、科学を超えればいいんだよ。父さんたちの世界だと、魔法は、使えない。そんな次元を超えればいいだけだろ」
「どうやって?」
「だいたいは、事故で・・」
「おとうさん!」
「て、転生だよ。アストラル体は、ミクロの次元に干渉できるから、物をすり抜けられる。なら、ミクロの次元は、越えられる」
「たーくんに、アストラル体って言っても分からないわよ」
おれは、この父さんの訳わからない言葉を、小さいころから、ずっと覚えていた。なぜなら、小さいころから、訳の分からないものが見えていたからだ。こいつらが、「しーー」ってやるから、誰にも言った事はないけどね。
最近、こいつらが、うるさくなって来た。簡単に言うと、精霊たちは、母さんが言う、最も安定したおれらの世界から少しズレた世界にいる住人だ。おれがいる世界は、こいつらから見たら、安定しすぎていて、干渉できない、それが面白くないそうだ。それなのに、おれが、こいつらに触ることが出来るから、不公平だと言ってむくれる。聞く限りだと、永久の時を生きている精霊様なのに、「子供か!」と、言いたくなる。
ある日、おれは、彼、彼女たちに、とんでもないことを気付かせてしまった。
「もう、なんで、たーくんは触れるのに、私たちは触れないの!」
「「「そうよ、そうよ」」」
「わしは、無力じゃ」
聖霊王まで、へこんでいる。
「そんなことないだろ、ちゃんと、みんなの声が聞こえているよ」
「当たり前でしょ、話しているんだから」
「普通の人は、みんなの声なんか聞こえないよ。話せているんだから、おれに干渉できているってことだろ」
だって、うるさい。
「ふむ、そういう事か。タカシは、我々に触れる。つまり、タカシが、魔法を行使すれば、我々の世界に顕現すると言う事じゃな」
「精霊王様、超安定した世界の魔力は、無尽蔵です。やばくないですか」
なんせ自分たちは、ミクロのエネルギー世界。
「何を言う。わしらに、触っているぐらいの権限じゃろ。こっちも楽できるというもんじゃ。下々の世界なら、いざ知らず、ここは精霊界じゃぞ」
「つまり、タカシの世界の魔力が、我々の世界を潤すと」
「いい事じゃろうが」
「じゃあ、魔石を作り放題とか?」
「聖剣も?」
「面白そう」
それからは、小さいころから覚えたかった魔法をいっぱい教えてもらった。現実には何も起きていないけど、精霊界じゃあ、大変な盛り上がり。土魔法を教える代わりに城を作れだの、風魔法を教えるから、森を作れだの、闇魔法を教えるから、島を浮かせろだの、自分は、パソコンで、バーチャル世界を作っているようなものなのだが、向こうは、大変なファンタジー世界が構築されていった。
聖霊王は、浮島の風の城で、王座にデーンと座って、夢がかなったと泣き出すし、その娘たちは、魔石で作った宝石で、強力な魔法を行使できるものだから、以前以上にファッショナブルになり、綺麗になった。戦闘系の精霊は、武具が高性能になったから、強くなったと勘違いして、竜に挑んだり、魔王と魔法比べしたりして無茶しているが、いつも負けて、でも、なんでか相手と、仲良くなるから、良しとするか。みたいなことをやっている。
おれからするとミクロの世界だが、その世界の広がりは、無限に思えた。だいたい、精霊王が、彼の世界をおれの卓上に拡大展開して、そこでおれが魔法で、物を作ったり、物を作ったり、物を作っている。・・・やっぱりこき使われているのかな。でも楽しい。単に、精霊たちに使われている様な気もするけど、それでも、魔法が、精霊界を変えていくのは、とても楽しかった。おれは精霊たちと、とても仲良くなった。
本当に、彼らとは長い付き合いになった。ある日、妖精王が、以前父さんが言っていた様な事をぽろっと言って、おれと一番仲がいい娘に、たしなめられた。
「タカシ、わしゃ、貴殿に、恩を返せないぐらい良くしてもらった。そのうち、こっちに来んか。精霊界の飯はうまいぞ。娘たちも、貴殿を好いとる。楽しく暮らせるぞ」
「どうやって精霊界に行く?そりゃ、王が拡大してくれたら触れるけど・・」
「わしが間を挟んで、マーレと話すのは、いやか。プライベートがないもんの。ワハハハ」
この人、本当に、マーレのお父さんか?いいけど。マーレとは、幼馴染だ。この人を通してだけどね。他にも、王を通して、精霊界に、とても友達が多い。
「おれの父さんは、異世界に行く方法がない分けじゃないみたいなことは言ってたよ」
「そりゃあ、交通事故とか・・」
「お父さん!」
「すまんすまん。つまりじゃ、アストラル体になれば、次元を超えられる。そういう事じゃろ。普通は、輪廻に捕まっているから出来ない話じゃ。もし、タカシが、そんなことになったら、マーレ、面倒を見てやらんか」
「そんなことになったら、精霊界より落ちることになるに決まっているじゃない。今の方が・・・でも・・」
「マーレ」
「ごめんなさい、お母様」
「まっ、何じゃ。そんなことがあったらじゃ」
それから数日後、おれは、ラノベのテンプレでこそないが、あまり違わない状況にハマってしまった。もう、このとき、おれの魂は、この世の輪廻から切り離されていたんだと思う。
問題は、もう一方のミクロの世界。我々は、この世界に、干渉している。極小の世界から見たら、自分は、超巨大な存在だけど、スカスカで、霧のような集合体。そんなスカスカな世界のはずなのに、その体を保って移動しているし、物をつかむし、食事をする。空気を吸い、吐き出しているのだ。自分が、ミクロの世界に干渉しているのを実感できる。
我々が、更に、その深淵に干渉できれば、次元の異なった世界を見ることが出来る。超えなければいけない次元の壁は、11次元。内なる深淵を覗いた者は、何を見るのだろう。旅は一瞬で、見るものは、全ての根源。原子の壁を超えた世界だ。
子供のころ、親に無理難題を言って困らせた。
「ねえ、どうやったら魔法を使えるの?」
父さんも母さんも、ラノベやアニメが大好きで、そんなのばかり小さいころから見ていた。だから、自分も大きくなったら、魔法が使えるものだと思っていた。
「たーくん、ごめんね。この世界に魔法はないよの。その代わりに、科学があるじゃない。それが魔法の代わり」
困った母さんは、本当の事を話してくれた。しかし父さんは、もっとラノベ脳だった。
「たーくんが、科学を超えればいいんだよ。父さんたちの世界だと、魔法は、使えない。そんな次元を超えればいいだけだろ」
「どうやって?」
「だいたいは、事故で・・」
「おとうさん!」
「て、転生だよ。アストラル体は、ミクロの次元に干渉できるから、物をすり抜けられる。なら、ミクロの次元は、越えられる」
「たーくんに、アストラル体って言っても分からないわよ」
おれは、この父さんの訳わからない言葉を、小さいころから、ずっと覚えていた。なぜなら、小さいころから、訳の分からないものが見えていたからだ。こいつらが、「しーー」ってやるから、誰にも言った事はないけどね。
最近、こいつらが、うるさくなって来た。簡単に言うと、精霊たちは、母さんが言う、最も安定したおれらの世界から少しズレた世界にいる住人だ。おれがいる世界は、こいつらから見たら、安定しすぎていて、干渉できない、それが面白くないそうだ。それなのに、おれが、こいつらに触ることが出来るから、不公平だと言ってむくれる。聞く限りだと、永久の時を生きている精霊様なのに、「子供か!」と、言いたくなる。
ある日、おれは、彼、彼女たちに、とんでもないことを気付かせてしまった。
「もう、なんで、たーくんは触れるのに、私たちは触れないの!」
「「「そうよ、そうよ」」」
「わしは、無力じゃ」
聖霊王まで、へこんでいる。
「そんなことないだろ、ちゃんと、みんなの声が聞こえているよ」
「当たり前でしょ、話しているんだから」
「普通の人は、みんなの声なんか聞こえないよ。話せているんだから、おれに干渉できているってことだろ」
だって、うるさい。
「ふむ、そういう事か。タカシは、我々に触れる。つまり、タカシが、魔法を行使すれば、我々の世界に顕現すると言う事じゃな」
「精霊王様、超安定した世界の魔力は、無尽蔵です。やばくないですか」
なんせ自分たちは、ミクロのエネルギー世界。
「何を言う。わしらに、触っているぐらいの権限じゃろ。こっちも楽できるというもんじゃ。下々の世界なら、いざ知らず、ここは精霊界じゃぞ」
「つまり、タカシの世界の魔力が、我々の世界を潤すと」
「いい事じゃろうが」
「じゃあ、魔石を作り放題とか?」
「聖剣も?」
「面白そう」
それからは、小さいころから覚えたかった魔法をいっぱい教えてもらった。現実には何も起きていないけど、精霊界じゃあ、大変な盛り上がり。土魔法を教える代わりに城を作れだの、風魔法を教えるから、森を作れだの、闇魔法を教えるから、島を浮かせろだの、自分は、パソコンで、バーチャル世界を作っているようなものなのだが、向こうは、大変なファンタジー世界が構築されていった。
聖霊王は、浮島の風の城で、王座にデーンと座って、夢がかなったと泣き出すし、その娘たちは、魔石で作った宝石で、強力な魔法を行使できるものだから、以前以上にファッショナブルになり、綺麗になった。戦闘系の精霊は、武具が高性能になったから、強くなったと勘違いして、竜に挑んだり、魔王と魔法比べしたりして無茶しているが、いつも負けて、でも、なんでか相手と、仲良くなるから、良しとするか。みたいなことをやっている。
おれからするとミクロの世界だが、その世界の広がりは、無限に思えた。だいたい、精霊王が、彼の世界をおれの卓上に拡大展開して、そこでおれが魔法で、物を作ったり、物を作ったり、物を作っている。・・・やっぱりこき使われているのかな。でも楽しい。単に、精霊たちに使われている様な気もするけど、それでも、魔法が、精霊界を変えていくのは、とても楽しかった。おれは精霊たちと、とても仲良くなった。
本当に、彼らとは長い付き合いになった。ある日、妖精王が、以前父さんが言っていた様な事をぽろっと言って、おれと一番仲がいい娘に、たしなめられた。
「タカシ、わしゃ、貴殿に、恩を返せないぐらい良くしてもらった。そのうち、こっちに来んか。精霊界の飯はうまいぞ。娘たちも、貴殿を好いとる。楽しく暮らせるぞ」
「どうやって精霊界に行く?そりゃ、王が拡大してくれたら触れるけど・・」
「わしが間を挟んで、マーレと話すのは、いやか。プライベートがないもんの。ワハハハ」
この人、本当に、マーレのお父さんか?いいけど。マーレとは、幼馴染だ。この人を通してだけどね。他にも、王を通して、精霊界に、とても友達が多い。
「おれの父さんは、異世界に行く方法がない分けじゃないみたいなことは言ってたよ」
「そりゃあ、交通事故とか・・」
「お父さん!」
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「そんなことになったら、精霊界より落ちることになるに決まっているじゃない。今の方が・・・でも・・」
「マーレ」
「ごめんなさい、お母様」
「まっ、何じゃ。そんなことがあったらじゃ」
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