18 / 24
科学と魔法どっちが上
しおりを挟む
「ヒロ、余った者同士。話をしよう。なにか聞きたいことがあるか? 今、コーヒーを用意させるぞ」
「いただきます」
王の間の後ろに有る、喫茶室に案内された。ドレイク王も、大酒飲みだと思っていたが、意外と喫茶室には、本が置いてあって、読書家だとわかる。
「これでも、論文をいくつも書いているのだぞ。パグーは、魔法と、それに連なる知的生命体の宝庫じゃろ。研究には事欠かん」
「おれ、異世界人です。科学の方が先に進歩しました。魔法とどっちがいいですか」
「科学とか? そりゃあ、魔法だ。問題は、特定の個体が力を持ちすぎると、力社会になってしまうことだ。そこを打破しないと、真の進歩はない。時間は、かかるが火龍王達は旨くやっていると思うぞ。ヒロはこれからだな。自分で、空を飛んでみたいと思わないか」
「すっごく思います」
「では、ヒッグス粒子に、羽のような形にした電荷をぶつけてみなさい。飛べるから。反重力をものにしていたら、羽ばたけるぞ」
「おれ、飛べるんですか」
― レベル55すぎないと無理だ
「鳥や風竜のようにな。空を飛ぶと、世界が変わって見える」
「王様も飛べるんですか」
「今は、能力を封印している。わしらは機材でやるんじゃが、時期が来たらそうじゃ」
「フェーズ2とか3って、ガブが言ってたあれですか」
「そうじゃ。わしらは神の親民じゃ。必要以上の文明は持たん。世の中が、進歩した時、それを円滑にするのが我らの役目だからな。わしの民は、元々、酒とうまい飯を食っとれば、満足なんじゃ」
「そうなんですね」
「うーむ」
ドレイク王が、頭をかきながら、何か言いたそうにしている。
「さっきの、魔法の方がいいという話じゃがな。例えばじゃ。ヒロの碧の幻獣使いのレベルで言ったら120クラスのエネミーがいたとする」
「碧の幻獣使いが、分かるんですか」
「ニューロネットのリンク状態は、光で表せる。それを読めば、その技術が分かるじゃろ」
― この人も、我々より格上だぞ
ヌエの謎を聞きたい
「あの・・」
「まあ聞け、そのエネミーを科学の力で倒そうと思ったら、どんなことをすることになる?ただし、そのエネミーは、再生能力が半端ないとしてじゃぞ」
― メガトン級の水爆があればなんとかなるんじゃないか
「水爆ですか。でも、半端ない再生能力か1発じゃあ、きついかも」
「そうじゃ、メガトン級の水爆が2個必要になる。もしもじゃ、この星にそのようなエネミーが100体も200体もいたとする。そ奴らを倒すために、本当に、水爆を使ってよいか」
「まずいです。最悪地殻の変動が起きて、火山が、大噴火を起こします。水爆の死の灰どころか、惑星が、周囲20キロメートル級の小惑星に衝突されたのと同じ状態になり。生命の98%が、短期間で、滅亡します」
「魔法ならどうじゃ」
「えっ?」
「ヒロのライブラリーに聞いてみろ」
「コンピューター!」
― ものすごい、お宝が、大量にドロップするんじゃないか。それも再生アイテムだろ。この星は、一挙に進化するぞ
「滅亡するどころが、この星が、大発展するそうです。いったい何の話です?」
「エルフのことじゃ。この星に残ったエルフは、滅亡しとるじゃろ。それは、モロというエネミーを封印したためじゃ。そのため、みな、エネルギー体になってしもうた。もう、誰もエルフ様の声が聞こえん。フェーズ段階というのは、10段階ある。その中でも、フェーズ5は、モロとの対決を意味しとる。そのための今の世界じゃ。フェーズとは、1、狩猟、農耕からの自立発展。2、集落から、国への発展。そこで4属性の魔力の練りこむ。3、別れていた4属性全種族の交流による発展。言っていることがわかるか」
「じゃあ、王様たちは、フェーズ10の力を持っているということですか」
― そのフェーズ換算で行くと、このブルーサファイアのドワーフたちは、すくなくても、推定レベル256は、あるということになるぞ
「持っておらんよ。じゃが、それを与えられても、使いこなせる意識を持っとるそうなんじゃ。じゃから、エルフ様に選ばれた。実際、酒飲んで、飯食っとるだけの、わしらぐーたらの、どこがそんなに気にいったのかようわからんがな」
― わかる
「分かる気がします」
「なんで、こんな話をしたかというと。ミランダ姫のことじゃ。ヒロは、ミランダ姫の騎士なんじゃろ」〈はて、下僕って聞いたがの。この際じゃ〉
「自称ですけど」
「ここまで来たんじゃ。もっと胸を張れ。ミランダ姫なんじゃが、このままエルフとして生きていたら、必ず、エネルギー体になってしもうたエルフたちの声を聴くことになる。それは、大変重い話じゃろ。その時、傍にいてもらいたいんじゃ」
「はあ・・おれにも、とっても重い話だったんですけど」
「はは、そうじゃな。モロとの戦いは、レベル60になってやっと末席の戦士じゃ。最前線に出るんならレベル100はいる。どうせ、これから、海に出るのじゃろ。水竜たちは、この、モロの眷属と今も戦っとる。とにかくレベルをあげんといかん。最初は、セイレーンの町。海底遺跡に入りたいと水竜王に相談しなさい。レベルが格段に上がる。その前にわしの国で、鍛冶屋スキルをあげんとの。ロロの弟のロウガは、国一番の鍛冶屋じゃ。ロウガにいろいろ教えてもらいなさい」
「そのつもりでした。自分の狙いがわかっていましたか」
「それぐらい分からんと、一国の王は務まらん。そうは言ってもブルーサファイアは、1000人足らずの国じゃがな」
― レベル256の潜在能力を持った1000人って、どんだけモロの軍団は、強力なんだ。アメージングすぎるだろ
やっぱり、レベルの話を詳しく聞かせろよ
― それはできない。大体、私は、レベル120までしか分かっていない。そこからの、臆測にしか過ぎないことで驚いている
なんだか、楽しそうだな
― まあな
「すまん、コーヒーじゃったな。今、給仕を呼ぶ」
ドレイク王が、鈴(リン)を鳴らした。
コンピューターも推奨していたが、おれは、この、重すぎる話をミランダには、当分しないことにした。しかし・・・・
「王様、この話を火龍王にしていいですか。それが、フェーズ3の切っ掛けなのでしょう」
「モロの眷属との戦いを水竜王の水玉を通して見せてあげなさい。それが、切っ掛けだ」
「火龍王は、現在、その水竜の竜玉をひとつ、持っています」
「なんじゃと、詳しく聞かせろ」
ここから、王とおれは、酒宴のことをすっかり忘れるぐらい話し合うことになった。
「いただきます」
王の間の後ろに有る、喫茶室に案内された。ドレイク王も、大酒飲みだと思っていたが、意外と喫茶室には、本が置いてあって、読書家だとわかる。
「これでも、論文をいくつも書いているのだぞ。パグーは、魔法と、それに連なる知的生命体の宝庫じゃろ。研究には事欠かん」
「おれ、異世界人です。科学の方が先に進歩しました。魔法とどっちがいいですか」
「科学とか? そりゃあ、魔法だ。問題は、特定の個体が力を持ちすぎると、力社会になってしまうことだ。そこを打破しないと、真の進歩はない。時間は、かかるが火龍王達は旨くやっていると思うぞ。ヒロはこれからだな。自分で、空を飛んでみたいと思わないか」
「すっごく思います」
「では、ヒッグス粒子に、羽のような形にした電荷をぶつけてみなさい。飛べるから。反重力をものにしていたら、羽ばたけるぞ」
「おれ、飛べるんですか」
― レベル55すぎないと無理だ
「鳥や風竜のようにな。空を飛ぶと、世界が変わって見える」
「王様も飛べるんですか」
「今は、能力を封印している。わしらは機材でやるんじゃが、時期が来たらそうじゃ」
「フェーズ2とか3って、ガブが言ってたあれですか」
「そうじゃ。わしらは神の親民じゃ。必要以上の文明は持たん。世の中が、進歩した時、それを円滑にするのが我らの役目だからな。わしの民は、元々、酒とうまい飯を食っとれば、満足なんじゃ」
「そうなんですね」
「うーむ」
ドレイク王が、頭をかきながら、何か言いたそうにしている。
「さっきの、魔法の方がいいという話じゃがな。例えばじゃ。ヒロの碧の幻獣使いのレベルで言ったら120クラスのエネミーがいたとする」
「碧の幻獣使いが、分かるんですか」
「ニューロネットのリンク状態は、光で表せる。それを読めば、その技術が分かるじゃろ」
― この人も、我々より格上だぞ
ヌエの謎を聞きたい
「あの・・」
「まあ聞け、そのエネミーを科学の力で倒そうと思ったら、どんなことをすることになる?ただし、そのエネミーは、再生能力が半端ないとしてじゃぞ」
― メガトン級の水爆があればなんとかなるんじゃないか
「水爆ですか。でも、半端ない再生能力か1発じゃあ、きついかも」
「そうじゃ、メガトン級の水爆が2個必要になる。もしもじゃ、この星にそのようなエネミーが100体も200体もいたとする。そ奴らを倒すために、本当に、水爆を使ってよいか」
「まずいです。最悪地殻の変動が起きて、火山が、大噴火を起こします。水爆の死の灰どころか、惑星が、周囲20キロメートル級の小惑星に衝突されたのと同じ状態になり。生命の98%が、短期間で、滅亡します」
「魔法ならどうじゃ」
「えっ?」
「ヒロのライブラリーに聞いてみろ」
「コンピューター!」
― ものすごい、お宝が、大量にドロップするんじゃないか。それも再生アイテムだろ。この星は、一挙に進化するぞ
「滅亡するどころが、この星が、大発展するそうです。いったい何の話です?」
「エルフのことじゃ。この星に残ったエルフは、滅亡しとるじゃろ。それは、モロというエネミーを封印したためじゃ。そのため、みな、エネルギー体になってしもうた。もう、誰もエルフ様の声が聞こえん。フェーズ段階というのは、10段階ある。その中でも、フェーズ5は、モロとの対決を意味しとる。そのための今の世界じゃ。フェーズとは、1、狩猟、農耕からの自立発展。2、集落から、国への発展。そこで4属性の魔力の練りこむ。3、別れていた4属性全種族の交流による発展。言っていることがわかるか」
「じゃあ、王様たちは、フェーズ10の力を持っているということですか」
― そのフェーズ換算で行くと、このブルーサファイアのドワーフたちは、すくなくても、推定レベル256は、あるということになるぞ
「持っておらんよ。じゃが、それを与えられても、使いこなせる意識を持っとるそうなんじゃ。じゃから、エルフ様に選ばれた。実際、酒飲んで、飯食っとるだけの、わしらぐーたらの、どこがそんなに気にいったのかようわからんがな」
― わかる
「分かる気がします」
「なんで、こんな話をしたかというと。ミランダ姫のことじゃ。ヒロは、ミランダ姫の騎士なんじゃろ」〈はて、下僕って聞いたがの。この際じゃ〉
「自称ですけど」
「ここまで来たんじゃ。もっと胸を張れ。ミランダ姫なんじゃが、このままエルフとして生きていたら、必ず、エネルギー体になってしもうたエルフたちの声を聴くことになる。それは、大変重い話じゃろ。その時、傍にいてもらいたいんじゃ」
「はあ・・おれにも、とっても重い話だったんですけど」
「はは、そうじゃな。モロとの戦いは、レベル60になってやっと末席の戦士じゃ。最前線に出るんならレベル100はいる。どうせ、これから、海に出るのじゃろ。水竜たちは、この、モロの眷属と今も戦っとる。とにかくレベルをあげんといかん。最初は、セイレーンの町。海底遺跡に入りたいと水竜王に相談しなさい。レベルが格段に上がる。その前にわしの国で、鍛冶屋スキルをあげんとの。ロロの弟のロウガは、国一番の鍛冶屋じゃ。ロウガにいろいろ教えてもらいなさい」
「そのつもりでした。自分の狙いがわかっていましたか」
「それぐらい分からんと、一国の王は務まらん。そうは言ってもブルーサファイアは、1000人足らずの国じゃがな」
― レベル256の潜在能力を持った1000人って、どんだけモロの軍団は、強力なんだ。アメージングすぎるだろ
やっぱり、レベルの話を詳しく聞かせろよ
― それはできない。大体、私は、レベル120までしか分かっていない。そこからの、臆測にしか過ぎないことで驚いている
なんだか、楽しそうだな
― まあな
「すまん、コーヒーじゃったな。今、給仕を呼ぶ」
ドレイク王が、鈴(リン)を鳴らした。
コンピューターも推奨していたが、おれは、この、重すぎる話をミランダには、当分しないことにした。しかし・・・・
「王様、この話を火龍王にしていいですか。それが、フェーズ3の切っ掛けなのでしょう」
「モロの眷属との戦いを水竜王の水玉を通して見せてあげなさい。それが、切っ掛けだ」
「火龍王は、現在、その水竜の竜玉をひとつ、持っています」
「なんじゃと、詳しく聞かせろ」
ここから、王とおれは、酒宴のことをすっかり忘れるぐらい話し合うことになった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる