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幸福の王子になりたいけどかなり無理ゲー
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「あー、僕折角銅像だしあの名作童話みたいに幸福の王子になりたいんだよねーツバメ君」
「んーでもあんた、金メッキも何もされてない本当に貧相な銅像だし無理でしょ」
「う、うー。確かに。でもまあ心意気さえあれば何とかならないかなー」
「やーでも今どき銅なんて需要無いでしょ。言いたかないけどあんたの外見じゃ相当無理ゲーだし」
「…うん、まあ相当な面白フェイスだよね。どんな遺伝子なのってくらいの」
「まあ面白過ぎて良く写真は撮られるけどね。完全ネタ的な意味でだけど」
「…名前も権三郎とか相当終わってるし。昭和生まれとはいえ相当後期なのに今時どんなネーミングセンスなの」
「古風にも程があるよね」
「古風なら古風で歴史上の偉人みたいなかっこいいのなら良かったのに。しかも苗字は早乙女でギャップ凄まじいし」
「狙ったのってくらいギャップ凄いよね」
「…別にすごい偉業を成し遂げたとかでもなくて、32歳でバナナの皮で滑って階段転落して死んだとかアホ過ぎな最後だし。生前に何が何でも銅像建ててって言い残してたから家族も渋々建てたけどやっぱ嫌々だから材質も相当低クオリティだし」
「ある意味ダーウィン賞ものだよね」
「ノミネートされて良い所まで行ったけど残念ながら受賞は出来なかったんだよね」
「リアルデーモンコアくんごっこして消し飛んだ科学者のアホな息子がインパクト強すぎて受賞しちゃったんだよね」
「デーモンコアくんには負けるよね」
「…うー、にしても僕生まれ呪われすぎでしょ。折角だし社会貢献したいんだけど。ツバメ君もあの話みたいに命を賭してなんとかしてよ」
「えーやだ。僕は自分のためだけに生きるのー」
「えー、ツバメなんだし自己犠牲の精神とか無いの。もっと愛を持とうよ」
「えー、この世界なんて殺すか殺されるかでしょ」
「そんなどこぞのクソ花みたいな」
「この世知辛い世界で他人の事なんて考えてる暇無いでしょ。僕野生動物だし」
「うー、救いが無い。僕どうすればいいの。自壊も出来ないし」
「まあどうせ嫌々建てられてるしまともなメンテナンスもされないだろうし、しばらくすれば朽ち果てるでしょ」
「うー、それはそれで悲しい」
そんな感じでしくしくと(残念クオリティ銅像なので泣けないけど)毎日過ごしていたが、ある日突然勃発したマジキチな独裁者がおっぱじめた戦争で僕の周辺地域に激しく空爆が落とされた。
逃げ惑う住民が面白いからって事でとりあえず僕の周辺に集まり偶然その周辺だけ空爆から免れ、住民は僕の面白フェイスに感謝した。
まもなくマジキチ独裁者がアメリカ軍に処刑され戦争は終わり、感謝した住民は僕の銅像を立派な金メッキに建て直した。
だが面白いので面白フェイスはそのままなのが非常に残念だった。
ツバメ君は毎シーズンイケてるメスとつがいになり大家族を築き幸せになった。
「んーでもあんた、金メッキも何もされてない本当に貧相な銅像だし無理でしょ」
「う、うー。確かに。でもまあ心意気さえあれば何とかならないかなー」
「やーでも今どき銅なんて需要無いでしょ。言いたかないけどあんたの外見じゃ相当無理ゲーだし」
「…うん、まあ相当な面白フェイスだよね。どんな遺伝子なのってくらいの」
「まあ面白過ぎて良く写真は撮られるけどね。完全ネタ的な意味でだけど」
「…名前も権三郎とか相当終わってるし。昭和生まれとはいえ相当後期なのに今時どんなネーミングセンスなの」
「古風にも程があるよね」
「古風なら古風で歴史上の偉人みたいなかっこいいのなら良かったのに。しかも苗字は早乙女でギャップ凄まじいし」
「狙ったのってくらいギャップ凄いよね」
「…別にすごい偉業を成し遂げたとかでもなくて、32歳でバナナの皮で滑って階段転落して死んだとかアホ過ぎな最後だし。生前に何が何でも銅像建ててって言い残してたから家族も渋々建てたけどやっぱ嫌々だから材質も相当低クオリティだし」
「ある意味ダーウィン賞ものだよね」
「ノミネートされて良い所まで行ったけど残念ながら受賞は出来なかったんだよね」
「リアルデーモンコアくんごっこして消し飛んだ科学者のアホな息子がインパクト強すぎて受賞しちゃったんだよね」
「デーモンコアくんには負けるよね」
「…うー、にしても僕生まれ呪われすぎでしょ。折角だし社会貢献したいんだけど。ツバメ君もあの話みたいに命を賭してなんとかしてよ」
「えーやだ。僕は自分のためだけに生きるのー」
「えー、ツバメなんだし自己犠牲の精神とか無いの。もっと愛を持とうよ」
「えー、この世界なんて殺すか殺されるかでしょ」
「そんなどこぞのクソ花みたいな」
「この世知辛い世界で他人の事なんて考えてる暇無いでしょ。僕野生動物だし」
「うー、救いが無い。僕どうすればいいの。自壊も出来ないし」
「まあどうせ嫌々建てられてるしまともなメンテナンスもされないだろうし、しばらくすれば朽ち果てるでしょ」
「うー、それはそれで悲しい」
そんな感じでしくしくと(残念クオリティ銅像なので泣けないけど)毎日過ごしていたが、ある日突然勃発したマジキチな独裁者がおっぱじめた戦争で僕の周辺地域に激しく空爆が落とされた。
逃げ惑う住民が面白いからって事でとりあえず僕の周辺に集まり偶然その周辺だけ空爆から免れ、住民は僕の面白フェイスに感謝した。
まもなくマジキチ独裁者がアメリカ軍に処刑され戦争は終わり、感謝した住民は僕の銅像を立派な金メッキに建て直した。
だが面白いので面白フェイスはそのままなのが非常に残念だった。
ツバメ君は毎シーズンイケてるメスとつがいになり大家族を築き幸せになった。
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