たっくんとゆうちゃん

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第三章

その日

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仇討ちと共闘した少し後の、ある日の夜俺の自室にて。

「…んっ。…あー、シャワー浴びなきゃ」

「…ゆうちゃん、大好きだな」


少し後の日。

「ほい、今回も難しめだから、5人で行って来てね」
「はーい、頑張って来まーす」

俺達はまた電車やバスを乗り継ぎ、数時間かけて現場に着いた。

「えーっと今回は。超曰く付きの山奥のホテルか」
「まあ相当色々出て元々やばい所だったんだけど、ある冬の長期休業中に臨時管理人の売れない小説家の男がおかしくなっちゃったんだよね」
「で、奥さんと子供と従業員皆殺しにして、奥さんと相討ちになったんだけど、死んだ後も憑りついてホテルに出るんだって」
「あー、ありがちな感じのやつね」

「もともとかなり出る所だったけど、その男憑いてからはさらにやばくなってるみたいだから、皆頑張ろうね」

「うん、頑張ろ!」

そんな訳でいかにもなホテルに俺達は乗り込んだ。

廊下で不気味な双子の姉妹に会ったり、鏡におぞましい血文字が書かれていたりなど様々な心霊現象が発生した。

道中で出くわした、犠牲になった奥さんや子供や従業員を優しく鎮めて行き、ついに一室でそいつに出くわした。

「あああ気が狂う。気が狂う。私の作品が認められないのは世間が狂っているせいだ。私は天才だ」
「あーあーみっともないなー身の程を知れっての」
「お前天才でもなんでも無いっての」

「うるさいうるさいクソガキども。ぶっ殺してやる。小説のネタにしてやる」
「やれるもんならやってみろ!」
「こっちがぶっ殺してやる!」

そう、タイプライターをいくつもぶん投げたり斧で襲い掛かる男に俺達は的確に応戦する。
かぐやの呪法やアカネの射撃、かんばせの毒液や酸で確実に男にダメージを与えていった。


「ううう、貴様ら、これでぶっ殺してやる」

そう苦しそうに呻く男は斧を手に俺とゆうちゃんを追って来た。

「あーアレしたいのね」
「あーうんアレね。まあ大丈夫だけど一応僕達逃げておくね」
「はーい、お気をつけて」
「…俺達は外で待機している」

そうして逃げ込んだ一室のドアを斧でぶち破り、男が顔を出した。
「おコンバンハ」
「あーはいおコンバンハ」
「はいはいおコンバンハ」

そうしてもう良いだろと俺達は男にとどめを刺した。

「ぎゃあああああ」

「はい終わりー。あー、今日も意外と楽勝だったね」
「うん、もう僕達相当強いもんね!…あのさたっくん」
「ん、何?」


「ほらここさせっかく綺麗なホテルな訳だし、たっくんこの前そういう事したいって言ってたじゃん。今しない?」
「え、ちょ、まあしたいけどさ。俺まだ15だし、ちょっと早くない?」
「まあでもお互い間違いなく大好きな訳だし良いじゃん。ほら僕なんか10歳くらいだし」
「あー、まあ、そう言われれば確かにそうか」

「じゃあほら、早速しようよ」
「うん。…でもごめん。俺あんまりやり方詳しくない」
「スマホで調べればいいじゃん」
「あーうんそうだね。じゃ、寝ようか。優しくするから」
「うん、よろしく!」


2時間くらい後。

「あれー、なんかずいぶん時間かかりましたね。どうかしたんですか?」
「あーうんまあ、大した事無かったんだけど、まあちょっと色々あって」
「んー、お二人なんか雰囲気が違うような。 あー、おめでとうございます」
「…おめでとう」
「おめでとう」

「うん、ありがと!」
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