たっくんとゆうちゃん

kromin

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第三章

チョコレート工場の秘密

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「あー今回な。結構危険そうやから、5人全員で行って来てや」

「現場はね、某県の有名チョコレート工場。まあ前の悪趣味パティシエとは別ベクトルやけど、やっぱり相当えげつない代物使っててね。まあギリ法に触れるもんやないから罪には問われなかったんやけど、割と若いうちに亡くなった後も工場に憑りつき続けてえげつないチョコ作っとるの」

「そんな訳で、気を付けて行って来てね」

「はーい!」

「また5人任務かー。楽しみだね」
「また皆で高速バス乗れたしね。楽しい!」
「気を引き締めて行かねばならないが楽しいな」
「だよね。楽しいけど!」
「…そうだな」

そうして、カラフルに彩られた工場の門をくぐる俺達。

「ミラクル・チョコレート ミラクル・チョコレート 一口食べれば やめられない美味さ」
「未来永劫 ミラクル・チョコレートだけをお食べ♪」

配下の不気味な小人のような悪霊たちが、軽快だが、どこか不穏な歌を歌い踊る。

「うっわー。いかにもヤバそうな工場」
「そんなチョコ食べたくないね」
「…呪言を唱えておく」
「俺も頑張りますねー」
「酸を出す」

俺達は歌いながら襲い来る小人達を的確に倒して行く。

邪悪な小人を全て倒したころ、工場の床が開き、秘密の地下室に落とされた。

「…いってててて」
「固い床にいきなりはちょっと痛いなー」


「君たち、ようこそ。私の秘密の研究室へ」

その奇妙奇天烈な衣装を着込んだ工場長は挨拶した。

「私は工場長でチョコレート研究者のウィルバー。この依存性抜群のカカオ豆を使ったチョコレートをお食べ」
「一口食べれば最後。もう栄養過多で死ぬまでこれしか食べられなくなるよ」

「そんなチョコ中毒はごめんだね」
「キマりたくないね」

「ならば仕方ない。君たちチョコまみれにして、固めてあげよう」

そう、全身から邪悪なチョコを噴き出す悪霊。

俺達はちょっとチョコにかかりながらもなんとかかわし、どうにか工場長に全員同時に攻撃を叩き込んだ。

「私のチョコが、嫌いだなんてええええ」

「だいっきらいだね、ばーか」

美味しいチョコの匂いを残し、そいつは消えて行った。

「終わった終わった。うわー義肢チョコまみれ。すぐ掃除しないと」
「あーそれ、水洗いできるし全然平気だよ」
「俺も髪の毛がベタベタになった」
「あー俺も武器お手入れしないと」
「…だが楽しいな」

皆でチョコまみれになりながら笑って地下室を後にした。

「わーい、今回もお礼にってちゃんとしたチョコたくさん貰えて嬉しいな」
「うん。ほら俺さ、ド貧乏だったから学校以外でほとんど甘いもの食べた事無かったんだよね。だから仕事初めてからいっぱい食べられて本当嬉しい」
「良かったな」

「じゃ、シャワー浴びさせてもらったし帰ろ!」
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