たっくんとゆうちゃん

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第三章

努力が足りないもっと頑張れ

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「ほいほい。今日はそんな難しくないからまた2人だけど、一応別の人付くからね」
「はーい」


現場の学校に着き、その人と出会った。

「どうも、君たち初めまして!」

20代そこそこくらいの、いかにも熱血体育会系といった感じのお兄さんだった。

「よろしくお願いしまーす」
「この人もなかなか強い方だよ」

「で、早速なんだが。相手は所謂熱血パワハラ教師で、生徒を何人か追い込んでしまい退職させられ、そのまま間もなく病死したんだが」
「自覚が無く教師が大好きだったので、死後も職場に憑りついて生徒達を追い込んでいるようだ」
「あー、それもまた最低な奴ですね」

「そんな訳で、さっそく倒しに行こう」

校庭のグラウンドにそいつはいた。

「ほらほら後20週!水なんて飲むんじゃないぞ」
「あー?無理休ませろ?泣き言言うな俺の時代はなぁ」
「頑張れ頑張れ努力が足りないぞ皆もっと苦労してるんだから頑張れ」

「うーわー。本当にどうしようも無いクソだな」
「んーなんだ君?俺がクソだと?」
「ってか君手足作り物じゃん。何可哀想ぶってんの。悲劇のヒロインぶるなっての時代錯誤だな」

「時代錯誤なクソはそっちだってーの。俺可哀想ぶったりしないし」
「そうだよたっくんはいつだって超前向きな元気な子だよ。最低なレッテル貼らないで」
「じゃ、早速行こうか。僕は肉弾戦派でね」

そうお兄さんは素早く駆けだし、的確にパワハラ教師に打撃を与えていった。
俺も容赦なくお札を投げ、ゆうちゃんも遠慮なく斬撃を加えて行った。

「これでとどめだよ。向こうで皆に謝ってくるんだね」
そうお兄さんは渾身の一撃をそいつに叩き込んだ。

「お、俺がクソなんて、認めないいいい」

「本当に最後までどうしようもない奴だったな」
「あの世でたっぷり罰を受けるんだね」

「君たち、お疲れ様。ほとんどケガしてなくて良かったよ」
「…君は、手足が切られて酷い目に遭ったのに、本当に元気でえらいね」
「どうも。もう俺、手足貰ってからは全然平気なので」
「うん。…僕は努力や苦痛は人それぞれだと思う。だから軽率に頑張れとか努力が足りないとは、絶対に言ってはいけないと思う」
「…ええ、そうですね」

「君はとても前向きで元気で優しい子だ。これからは、もうずっと幸せだと思うよ」

「はい、ありがとうございます!」

お兄さんと別れた後、俺達はのんびりお茶していた。

「あのお兄さん、すごく良い人だったね」
「うん、あの人熱血だけど優しいから、僕も好き」

「…たっくんさ、言ったら悪いけど、本当に可哀想じゃん。だから僕は少しは可哀想ぶったって全然良いと思うよ」

「んー、まあ確かに俺世間一般には十分可哀想だとは思うけどさ。何かあんまり可哀想と思われたくないんだよね」
「それにさ、手足貰ってゆうちゃんと仕事し始めてからは、もう最高に楽しいし!」
「そっか、そう思ってくれてるなら、本当に良かった!」
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