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第三章
24時間働けます
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「ほい、今回も2人やけど、結構難しめなんで割と強い人付けるからね」
「はいはーい」
「今度はどんな人?」
「あー、見た目によらず強い人だよ」
「ああ、君たち。来ていただきありがとうございます」
「…ど、どうも」
その人は俺の父さんと同じくらいの40そこそこの、言っちゃ悪いが典型的なバーコードハゲの冴えないサラリーマンだった。
(…ゆうちゃん、この人本当に大丈夫なの?)
(うん、意外と強い人だから平気だよ)
「あ、上司から電話だ。ちょっと失礼します。 …はい、私です。え、今何をって。すみません。お伝えした副業が入りまして。2時間程度で帰れるかと思いますので、どうかお願いいたします。申し訳ございません」
そう見えもしないのにぺこぺこと頭を下げるその人。
「…はい、失礼しました。では早速向かいましょう」
「…は、はい」
「それで、本日の業務なのですが。ここも所謂一つの結構なブラック企業でして。で、相当なパワハラ上司が何人もいじめ殺してしまいまして」
「で、その殺した人達に祟り殺されたのですが、自覚がなく、今もここに居ついて社員をいびっているのです」
「殺された人達は、祟った後皆成仏いたしました」
「うわー、本当に最低ですね」
「うん、許せないね」
「そういう訳で、早速業務に当たりましょう」
「…オラオラ、さっさとしろ。3分以内だ。あ?何だお前、俺様に口答えするのか」
「何だお前この文章は。小学生からやり直して来い。ってか速攻辞めろクズが」
「お前クソ不細工なくせしてなに化粧して気取ってんのうっぜえな。女は顔だろ」
「あーもーどいつもこいつもクズしかいねえよなこの会社」
「うっわー。本当に最悪なパワハラ上司だなこいつ」
「あ?俺がパワハラだと?てめえクソガキの癖してもっかい言って見ろ」
「上等だ何度も言ってやんよばーか。このパワハラー!」
「では、始業いたします」
そう言って、スーツとビジネスシューズなのにとんでもない勢いで糞上司に駆けだすリーマンさん。
「は、早」
「わたくし、こういう者でございます」
そう言って無数の名刺を取り出し手裏剣のように投げるその人。
「次はこちらを使わせてもらいます」
今度はどこにしまっていたのか何百本ものポールペンをミサイルのように叩きつけた。
「それでは、これにて終業させていただきます」
そう言って、外したネクタイを刀のように変化させ、糞上司の首を叩き切った。
「い、いやだああああ。退職したくないいいい」
「お前なんて強制退職だってーの」
「あの世でも永遠に無職でいてね」
そう未練がましく糞上司は消えて行った。
「ほ、ほんとに強い」
「でしょ。意外と強いでしょこの人」
「あ、また電話だ。すみませんまた失礼します。 …はい。あ、部長。はい、今終わりました。すぐに直帰いたしますので、もう少々お待ちください。申し訳ございません。ぺこぺこ」
「…はい、失礼いたしました。皆様方、本当にありがとうございました」
「い、いえ。俺今回ほとんど何もしていませんし」
そうして、ビルの前でリーマンさんと別れた。リーマンさんはとんでもない勢いで走っていった。
「…ほ、ほんとに見た目によらないね」
「うん、見た目によらないでしょ」
「…うん、今後は見た目で判断しないように気を付ける」
「はいはーい」
「今度はどんな人?」
「あー、見た目によらず強い人だよ」
「ああ、君たち。来ていただきありがとうございます」
「…ど、どうも」
その人は俺の父さんと同じくらいの40そこそこの、言っちゃ悪いが典型的なバーコードハゲの冴えないサラリーマンだった。
(…ゆうちゃん、この人本当に大丈夫なの?)
(うん、意外と強い人だから平気だよ)
「あ、上司から電話だ。ちょっと失礼します。 …はい、私です。え、今何をって。すみません。お伝えした副業が入りまして。2時間程度で帰れるかと思いますので、どうかお願いいたします。申し訳ございません」
そう見えもしないのにぺこぺこと頭を下げるその人。
「…はい、失礼しました。では早速向かいましょう」
「…は、はい」
「それで、本日の業務なのですが。ここも所謂一つの結構なブラック企業でして。で、相当なパワハラ上司が何人もいじめ殺してしまいまして」
「で、その殺した人達に祟り殺されたのですが、自覚がなく、今もここに居ついて社員をいびっているのです」
「殺された人達は、祟った後皆成仏いたしました」
「うわー、本当に最低ですね」
「うん、許せないね」
「そういう訳で、早速業務に当たりましょう」
「…オラオラ、さっさとしろ。3分以内だ。あ?何だお前、俺様に口答えするのか」
「何だお前この文章は。小学生からやり直して来い。ってか速攻辞めろクズが」
「お前クソ不細工なくせしてなに化粧して気取ってんのうっぜえな。女は顔だろ」
「あーもーどいつもこいつもクズしかいねえよなこの会社」
「うっわー。本当に最悪なパワハラ上司だなこいつ」
「あ?俺がパワハラだと?てめえクソガキの癖してもっかい言って見ろ」
「上等だ何度も言ってやんよばーか。このパワハラー!」
「では、始業いたします」
そう言って、スーツとビジネスシューズなのにとんでもない勢いで糞上司に駆けだすリーマンさん。
「は、早」
「わたくし、こういう者でございます」
そう言って無数の名刺を取り出し手裏剣のように投げるその人。
「次はこちらを使わせてもらいます」
今度はどこにしまっていたのか何百本ものポールペンをミサイルのように叩きつけた。
「それでは、これにて終業させていただきます」
そう言って、外したネクタイを刀のように変化させ、糞上司の首を叩き切った。
「い、いやだああああ。退職したくないいいい」
「お前なんて強制退職だってーの」
「あの世でも永遠に無職でいてね」
そう未練がましく糞上司は消えて行った。
「ほ、ほんとに強い」
「でしょ。意外と強いでしょこの人」
「あ、また電話だ。すみませんまた失礼します。 …はい。あ、部長。はい、今終わりました。すぐに直帰いたしますので、もう少々お待ちください。申し訳ございません。ぺこぺこ」
「…はい、失礼いたしました。皆様方、本当にありがとうございました」
「い、いえ。俺今回ほとんど何もしていませんし」
そうして、ビルの前でリーマンさんと別れた。リーマンさんはとんでもない勢いで走っていった。
「…ほ、ほんとに見た目によらないね」
「うん、見た目によらないでしょ」
「…うん、今後は見た目で判断しないように気を付ける」
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