たっくんとゆうちゃん

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第三章

自殺サークル

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「えーと、今回は久々に結構難しそうなんで、4人で頼むわ」

「わー、ほんとに久しぶりですね」


「事務所の皆でのお仕事久しぶりなんで、なんか嬉しい」
「だよねー」
「ああ、楽しいな」
「4人チームも良いですよねー」


「えーっと、今回はまた学校か」
「…うん、所謂自殺サークルみたいなので集まっちゃってね、複数人で飛び降りちゃったみたい」
「…そうか」
「…かわいそうですね」

「…で、飛び降りた後もやっぱり寂しくて、飛び降り仲間募っちゃってるみたいなの」
「…なるほどね」
「早く、止めないとな」
「そうだね、行こう!」


そうして、深夜の屋上で。

「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」
「今生を呪う者同士、仲良く飛び降りましょう」
「こんな最低な人生を終わりにして、楽になりましょう」
「どうか、来世では幸せになりますように」


「あら、貴方たちも来てくれたの?」
「じゃあ、早速一緒に飛び降りましょう」
「皆で逝けば、怖くないですよ」
「じゃあ早速、1.2の3で、はい」


「…すみませんが、俺は行けません」
「うん、僕達最高に今が楽しいんで」
「…辛い事もあったが、今を生きたい」
「うん、今生で頑張りたい」

彼らは強い念動力でフェンスを跳ね飛ばし、引き寄せ飛び降りを誘って来るが、かぐやが呪法で対抗してくれた。
俺達はゆっくりと歩み寄り、彼らにお札を貼り付けていった。

「…ああ、どうして、どうして君、そんなにしんどいのに」
「…手足が無いのに、どうしてそんなに幸せそうなの」
「…なんでそんなに、最高そうなの」
「…僕達は、間違っていたの」

彼らは悲しそうに消えて行った。

「…すみませんが、俺、手足無いけど、今最高に幸せなんで」
「…来世や天国では、きっと幸せになれるよ」

「…じゃ、帰ろっか」
「…あのさ、たっくん」
「ん、何?」
「…ごめん、しんどい事聞いちゃうけどさ。アレされてたり、保護されて僕と会うまで、死にたいと思った事とかないの?」

「…あー、うん。アレの時は、あの子がいてくれたし。…保護された後は、正直何度も死のうと思って、しばらくご飯食べなかったり、舌噛もうとした事もあったんだけどさ」

「…でもやっぱり、残念だけど良い人達だから。親悲しませたくなくて」

「…そっか。たっくんは、本当偉いね」
「…頑張ったな」
「…しんどかったですよね」

「…でもさ、割とそのすぐ後、ゆうちゃんと会って、この手足貰えたし」
「だからやっぱり、俺あの時死ななくて本当に良かったーって思ってる!」

「うん、たっくん死ななくて、本当に良かった!」
「よかったな」
「良かったですね!」

「じゃーさ、またどっかファミレス寄って帰ろ!」
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