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第二章
たっくんの電話
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前も話したが、うちはド貧乏なので一切電話が無かった。
なので仕事でハイスペックスマホが支給されて、本当に嬉しかった。
初めての電話なので電話対応が慣れるまで少し大変だったが、ビジネスではもしもし、と言ってはいけない等両親から教えてもらい(父は時々取引先にうっかりしもしもーとか言ってしまい超怒られてたが)、それ程しないうちにちゃんとした電話対応が出来るようになった。
お金を無駄遣いしたくないのでガチャや課金はしなかったが、ゲームも色々遊んでいた。
クラスメイトの話題に乗れるようになったのは本当に嬉しかった。
よく推しキャラや性能について話すようになった。
義手は超高性能だったのでタップやスワイプも問題なく出来た。
よくゆうちゃんや職場の皆とLINEしたり、カメラで日常風景を写真に撮ってTwitterやインスタに上げていた。
結構フォロワーも増えて嬉しかった。
義肢については基本触れなかったが、たまに察した人から優しい言葉をかけてもらい嬉しかった。
そんな訳で俺はスマホが大好きだった。
「ねーたつま、じゃないごめんたっくん。この前新キャラ実装されたよね」
「あーうんかなり前から匂わせてたアレね。ついに来たよね」
「うん、まさかあの絵師さん連れてくるとは思わなかった」
「ねー、声優さんも超大御所で意外だった」
「ガチャ渋いしストーリー加入かなり大変だけど、超強いしね」
「うん、かなりの壊れ性能だよね」
「闇深くて良いよね」
「うん、過去超重いよねー」
そんな感じで今日も楽しくクラスメイトと雑談を終え、俺は職場へ向かった。
「えっとね、今度の現場は、携帯ショップ」
「へー、珍しいですね」
「うん、所謂呪いのスマホが時々混入しちゃうみたいで、ショップ店員さんから相談が来たの」
「それでお客さんにはお出ししないように皆気を付けてるんだけど、どうしても紛れちゃう時があるみたいなのね」
「で、それ使っちゃうと、お金かかる通話止められなくなったり、破産寸前まで課金したり、やばいアプリ登録しちゃいたくなったりするんやって」
「うわー。めっちゃ呪われてますね」
「そういう訳で、速攻破壊してきて。まあそんな難しくないと思うから、今回は2人でいいでしょ」
「…行ってらっしゃい」
「俺達は別任務してきますねー」
そんな訳で俺とゆうちゃんはそのショップへやってきた。
「あー来てくれてありがとう。君たち若いのに偉いね」
「お気遣いなく。俺達結構強いので」
「うん、で、例のやつなんだけど今また混入してるんだ。ほらアレ」
「へー、真っ赤で綺麗ですね」
「うん、可愛いしつい手に取っちゃいそう」
「そう。見つけ次第すぐ奥にしまうようにしてるんだけどね。隙を突いては棚に並んじゃうの」
「お客さんにはすぐ止めるように言うんだけど。まあ魔性なのか、どうしても契約しちゃう人もいるんだよね」
「じゃあすぐに処分します。お任せ下さい」
「うん、よろしくね。お客さんしばらくお店に入れないようにしておくから」
「よし、早速行こうか」
「うん。僕も一応刀抜いとくね」
俺は義手でスマホを手に取る。
「ん、着信来てる。出てみるか。―はい、どなたですか」
「…たっくん。僕だよ、僕」
いつも聞きなれた声がスピーカーからした。
「ねえ、このスマホすごく可愛いでしょ。今の奴も性能良いけど地味だし、買い替えなよ」
「あー悪いけど俺今の奴超気に入ってるから。じゃーね。っていうか成りすましすんな」
そう言ってさっさと通話を切る俺。その後も鬼電が来たが無視して着拒した。
「あ、なんかアプリ勝手に入ってるし。一応やってみるか」
見た事のないそのゲームアプリは、とてもストーリーは面白く神曲揃いでキャラも美麗で魅力的だった。
ただ、事あるごとにえげつない金額の課金を進めてきた。
「悪いけど俺無課金派なんでー」
そう言ってとりあえずチュートリアルを終えたら速攻アプリ削除した。
「はいはいゴミ箱っと。んー何、Twitterも勝手に起動してるし」
そう俺のTLを確認すると、普段優しい人たちから罵詈雑言のリプが飛んできていた。
「だーかーら、成りすましすんなっての。フォロワーさん皆優しいのにそんな事言う訳ないじゃん」
とっととTLを閉じると、今度はLINEが勝手に立ち上がった。
ゆうちゃんのトーク履歴を見ると、お前なんか大嫌い義肢すぐ返せ仕事辞めろ一生絶交だとか書いてあった。
「もーほんと、ゆうちゃんがそんな事いう訳ないじゃん。ばーか」
さっさと携帯を初期化し電源を落とし、べったりとお札を叩きつけた。
「はいゆうちゃん、とどめお願い」
「ほいっと」
ざっくりとスマホに深々と霊刀を突きさし液晶を割り、完全に破壊した。
「よし、こんだけやっておけばもう大丈夫でしょ」
「じゃあ店員さん呼んでくるね。これ渡しておく」
「いやあ、君たち本当にすごいね。ありがとうね」
「流石にスマホは無理だけど、良かったらストラップとか付属品好きなの持って行って」
「わーい、ありがとうございます!」
「あーこのストラップ可愛い。これもらおっと」
こうしてたくさん可愛い付属品を貰い、俺達は店を後にした。
「あー、俺今のスマホ大好きだし使いやすいし当分は良いけど、いつかは機種編もしてみたいなー」
「うん。僕も数年は十分だけど、たまには他の使いたいかも」
「じゃあその時はまた一緒にこのお店来ようよ!」
「うん、そうしよ!」
なので仕事でハイスペックスマホが支給されて、本当に嬉しかった。
初めての電話なので電話対応が慣れるまで少し大変だったが、ビジネスではもしもし、と言ってはいけない等両親から教えてもらい(父は時々取引先にうっかりしもしもーとか言ってしまい超怒られてたが)、それ程しないうちにちゃんとした電話対応が出来るようになった。
お金を無駄遣いしたくないのでガチャや課金はしなかったが、ゲームも色々遊んでいた。
クラスメイトの話題に乗れるようになったのは本当に嬉しかった。
よく推しキャラや性能について話すようになった。
義手は超高性能だったのでタップやスワイプも問題なく出来た。
よくゆうちゃんや職場の皆とLINEしたり、カメラで日常風景を写真に撮ってTwitterやインスタに上げていた。
結構フォロワーも増えて嬉しかった。
義肢については基本触れなかったが、たまに察した人から優しい言葉をかけてもらい嬉しかった。
そんな訳で俺はスマホが大好きだった。
「ねーたつま、じゃないごめんたっくん。この前新キャラ実装されたよね」
「あーうんかなり前から匂わせてたアレね。ついに来たよね」
「うん、まさかあの絵師さん連れてくるとは思わなかった」
「ねー、声優さんも超大御所で意外だった」
「ガチャ渋いしストーリー加入かなり大変だけど、超強いしね」
「うん、かなりの壊れ性能だよね」
「闇深くて良いよね」
「うん、過去超重いよねー」
そんな感じで今日も楽しくクラスメイトと雑談を終え、俺は職場へ向かった。
「えっとね、今度の現場は、携帯ショップ」
「へー、珍しいですね」
「うん、所謂呪いのスマホが時々混入しちゃうみたいで、ショップ店員さんから相談が来たの」
「それでお客さんにはお出ししないように皆気を付けてるんだけど、どうしても紛れちゃう時があるみたいなのね」
「で、それ使っちゃうと、お金かかる通話止められなくなったり、破産寸前まで課金したり、やばいアプリ登録しちゃいたくなったりするんやって」
「うわー。めっちゃ呪われてますね」
「そういう訳で、速攻破壊してきて。まあそんな難しくないと思うから、今回は2人でいいでしょ」
「…行ってらっしゃい」
「俺達は別任務してきますねー」
そんな訳で俺とゆうちゃんはそのショップへやってきた。
「あー来てくれてありがとう。君たち若いのに偉いね」
「お気遣いなく。俺達結構強いので」
「うん、で、例のやつなんだけど今また混入してるんだ。ほらアレ」
「へー、真っ赤で綺麗ですね」
「うん、可愛いしつい手に取っちゃいそう」
「そう。見つけ次第すぐ奥にしまうようにしてるんだけどね。隙を突いては棚に並んじゃうの」
「お客さんにはすぐ止めるように言うんだけど。まあ魔性なのか、どうしても契約しちゃう人もいるんだよね」
「じゃあすぐに処分します。お任せ下さい」
「うん、よろしくね。お客さんしばらくお店に入れないようにしておくから」
「よし、早速行こうか」
「うん。僕も一応刀抜いとくね」
俺は義手でスマホを手に取る。
「ん、着信来てる。出てみるか。―はい、どなたですか」
「…たっくん。僕だよ、僕」
いつも聞きなれた声がスピーカーからした。
「ねえ、このスマホすごく可愛いでしょ。今の奴も性能良いけど地味だし、買い替えなよ」
「あー悪いけど俺今の奴超気に入ってるから。じゃーね。っていうか成りすましすんな」
そう言ってさっさと通話を切る俺。その後も鬼電が来たが無視して着拒した。
「あ、なんかアプリ勝手に入ってるし。一応やってみるか」
見た事のないそのゲームアプリは、とてもストーリーは面白く神曲揃いでキャラも美麗で魅力的だった。
ただ、事あるごとにえげつない金額の課金を進めてきた。
「悪いけど俺無課金派なんでー」
そう言ってとりあえずチュートリアルを終えたら速攻アプリ削除した。
「はいはいゴミ箱っと。んー何、Twitterも勝手に起動してるし」
そう俺のTLを確認すると、普段優しい人たちから罵詈雑言のリプが飛んできていた。
「だーかーら、成りすましすんなっての。フォロワーさん皆優しいのにそんな事言う訳ないじゃん」
とっととTLを閉じると、今度はLINEが勝手に立ち上がった。
ゆうちゃんのトーク履歴を見ると、お前なんか大嫌い義肢すぐ返せ仕事辞めろ一生絶交だとか書いてあった。
「もーほんと、ゆうちゃんがそんな事いう訳ないじゃん。ばーか」
さっさと携帯を初期化し電源を落とし、べったりとお札を叩きつけた。
「はいゆうちゃん、とどめお願い」
「ほいっと」
ざっくりとスマホに深々と霊刀を突きさし液晶を割り、完全に破壊した。
「よし、こんだけやっておけばもう大丈夫でしょ」
「じゃあ店員さん呼んでくるね。これ渡しておく」
「いやあ、君たち本当にすごいね。ありがとうね」
「流石にスマホは無理だけど、良かったらストラップとか付属品好きなの持って行って」
「わーい、ありがとうございます!」
「あーこのストラップ可愛い。これもらおっと」
こうしてたくさん可愛い付属品を貰い、俺達は店を後にした。
「あー、俺今のスマホ大好きだし使いやすいし当分は良いけど、いつかは機種編もしてみたいなー」
「うん。僕も数年は十分だけど、たまには他の使いたいかも」
「じゃあその時はまた一緒にこのお店来ようよ!」
「うん、そうしよ!」
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