たっくんとゆうちゃん

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第二章

ゆうちゃんの好きなお菓子

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「はーい皆。今日のお仕事なんやけどね」

「まあ有名ですごく腕の良い菓子職人さんやったんやけど、ストイック過ぎてね。要するにいけない素材に手を出しちゃったんよ」
「で、まあその内原材料がバレて捕まって、失業したまま亡くなったんやけど、ストイックやから跡地に建った別のお店で働いちゃってるんよね」

「そういう訳で、今回も簡単めだからよろしくね」

「はーい」


「ここがそのお店かー」
「小さいけど可愛くて結構繁盛しているね」
「どれも美味そうだ」

「すいませーん。お仕事で来ましたー」

可愛い制服を来た若い店員さんが対応してくれた。

「あー、君たち来てくれて本当にありがとうございます。うち、お話の通りたびたび彼が出ちゃってヤバいお菓子売りつけてて困ってるんです」
「すみませんがお願いします。たぶんパターン上そろそろ出ると思うんで」

「はーい、かしこまりました」
「すぐ対応しますね」
「結界も貼っておきます」


「いらっしゃいませ。自慢のケーキをお食べ下さい。可愛いピンク色で綺麗でしょう。新鮮な血を練り込んであります」
「ゼリーも美味しいですよ。脳味噌と目玉を入れてあります」
「爪をトッピングしたクッキーもどうぞ。歯ごたえが良いですよ」
「歯を砕いて砂糖と混ぜたお砂糖菓子も絶品ですよ。どうぞすべてお召し上がり下さい」
「臓物を煮詰めて作ったババロアももうすぐ仕上がりますよ」


「うっわー、趣味悪すぎ」
「超カニバだね」
「猟奇的だな」

「こんな最低な奴さっさと除霊しよう」

「君たち、僕のお菓子を食べてくれないのかい。なら君たちもお菓子にしちゃうよ」

そう言って、のし棒やら包丁やらをぶっ飛ばし、ポルターガイストで熱々のオーブンに押し込もうとする。
お菓子になるのはごめんなので、俺達は霊力で対抗し悪趣味パティシエにとどめを刺した。


「そ、そんな。私のお菓子が認められないなんて」

「認められるわけ無いだろばーか」
「完全に犯罪だし」
「保健所案件だ」


「終わりましたよー。ちょっと厨房散らかっちゃいましたけどすみません」
「ありがとー!このくらいすぐ片付くし平気だよ」

「いやーこれからは安心して営業出来るよ。本当ありがとうね。お土産にお菓子たくさん持って帰ってね」
「やったー!ありがとうございます」

「わー、どれも可愛くてすごく美味しそうだね」
「事務所戻ったら皆で食べようね」
「紅茶も入れよう」

「あ、そういえばさ、ゆうちゃんってどんなお菓子が好きなの?」
「んー。僕割と何でも好きだけど、集中する事が多いし特に甘いものが好きかな」
「あー、なるほどね。俺は何でも好き。昔貧乏だったころは学校以外でほとんど甘いもの食べられなかったし」
「あーそれはお気の毒に」
「…あいつにアレされてた頃は、食事はちゃんと与えられてたし、甘いものも貰ってたけど。やっぱり全然嬉しくなかったな」
「…うん、そりゃそうだよね。今は普通に甘いもの食べられるようになって良かったね」

「うん、だから俺今すごく幸せ!」
「…俺も割と幅広く好きだが特に和菓子が好きだ」

「じゃ、帰って早速皆でお茶会しよう!」
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