たっくんとゆうちゃん

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第一章

ゆうちゃんの実年齢

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「えっとね、今回の任務は、おもちゃ工場」

「歴史あるおもちゃ工場なんだけどね、たまーに変なおもちゃが出来ちゃうの」

「まあ具体的に言うと、人を襲ったり子供さらっちゃったりするの」

「気の毒だけど、何人か助からなかった子もいるみたい」

「うわー。超不良品だね」

「そういう訳で、今回もやや難しめだけど頑張ろうね」

「うん、行こう!」

そうして、広いおもちゃ工場にやってきて、事情を知る従業員に案内される。

「工場中を徘徊していますが、主にこの保管庫周りに集まります」

「分かりました」
「そういう奴らを引き寄せる、結界を貼っておきますね」

そうして従業員に避難してもらい、俺達は奴らを迎え撃つ。

「ひよっ子どもめが。ワシは製造50年のアンティークじゃぞ」
「僕は縫われて15年くらい」
「私はできたてほやほや!でも強いよ」
「そーれ、轢き殺してやるー」

そう、ブリキのロボットやら巨大なぬいぐるみやら着せ替え人形やらミニカーなど色々なおもちゃが集まってくる。

「たっくん、気を付けてね」
「うん、今日はお札いっぱい持ってきたし、数珠も強化してもらったから、たぶん平気」
「じゃあ、行こう!」

そう、広い保管庫を駆け回り、俺達は危険なおもちゃを一体ずつ処理していく。
怪我する事はあまり無かったが、数が多く次々に増援が来るため、なかなか決着が付かなかった。

「うー、身体能力上がってるとはいえ、こんなに長丁場だと少し疲れてくるなー」
ちょっと俺の動きのキレが無くなって来た頃。

「ケッケケケ、切り裂いてやる」

小型のチェーンソーを持った殺人人形の攻撃をゆうちゃんが防いだ時。

「…あっ、ちょっとだけど、刃こぼれしちゃった」

「ケーケケケケケ、真っ二つだ~」

「…ゆうちゃんに、触るな!」

俺は殺人人形に強烈な蹴りを叩き込み、呪符を貼り付けた。

「…これで、終わったかな」
「…いや、まだだね」

スクラップにしたおもちゃたちが融合し、巨大なガラクタの人型になった。

「あー、大ボスか」
「まあ寄せ集めだし、なんとかなるよ」

俺とゆうちゃんは同時にそいつに強烈な攻撃を叩き込み、完全にスクラップにした。

「よーし、終わり!」
「たっくん、怪我してない?」

「うん、今回はほとんどしてないよ」
「そっか、良かった。ありがとねたっくん」

「いいよ。あ、製造年数で思い出したけどさ、ゆうちゃんって実際何歳なの?」
「あー僕?確か造られて大体10年くらいだよ」
「え、そうなの?結構年下なんだね」
「うんまあ、戸籍の年齢もっと上だし、外見と精神年齢はたっくんと同じくらいだけどね」
「へー、そういうものなんだ」

「じゃ、従業員さんに伝えて、帰ろ!」
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