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第一章
ゆうちゃんの仕事名
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すっかり慣れたある日の事。
「次のお仕事は、結構危険そうだから合同だよ」
「へー、そういうのもあるんだ」
「うん。素質あるとは言ってもたっくん新人だから、初めの頃は簡単めなお仕事選んでたんだけど、もうたっくんすっかり慣れたから、これからはこういうのもあるよ」
「ふーん。確かにかなり慣れて来たし、頑張るね」
「じゃ、早速行こうか。あと今回はちょっと遠くて隣県だよ」
俺ははじめてゆうちゃんと電車に乗り、現場に向かった。
「どうも、久しぶりだね、本組み」
「ん、本組みって?」
「あーいわゆる、僕のコードネーム的なやつ」
「へー、そうなんだ」
「うん、僕はゆうちゃんの方が好きだけどね」
「じゃあ、君もよろしくね」
そう、穏やかな青年と一緒に現場の洋館に入って行く俺達。
「で、今回のターゲットだけど、小さいうちに病気で死んじゃった外国人の女の子」
「自分の境遇を受け入れられなくて、悪霊になって何人か呪い殺しちゃったんだよね」
「そっか、殺すのは良くないけど、その子も可哀想だね」
「うん、止めようとしたお父さんとお母さんも、殺しはしなかったけどそうとう酷い事したみたい」
「まあ犯した罪により地獄にはしばらく落ちるだろうけど、ちゃんと祓ってあげたいよね」
そうして、彼女の部屋に入った。
「もう、何で私がこんな目にあわなきゃならないの。パパとママも私の事分かってくれないし、皆大嫌い」
「…パパとママも、分かってたと思うよ」
「うるさい、うるさい。皆死んじゃえ」
そう長く金髪を伸ばした彼女の巻き起こすポルターガイストをかわしながら、俺達は攻撃を加えていく。
「うわ、ほんとに結構強いな。お札切れちゃった」
俺は義肢の攻撃と数珠の祓いに切り替え応戦していく。
ゆうくんも素早く動き回り斬撃を叩き込み続けていた。
「もう、しつっこいな。これで死んじゃえ」
彼女がぶん投げて来た花瓶が、頭にぶつかってしまった。
「痛ったー。流石に生身部分にやられるときつい」
「いくら可哀想でも、たっくんに酷い事したら、許さないよ」
そう、彼女の胸に霊刀を深々と突きたてるゆうちゃん。
「気の毒だけど、これでとどめだよ」
そう言って、ゆうちゃんより少し短い西洋剣で、彼女の首を青年ははねた。
「いや、いや。そんなのいや」
そう言い残し彼女は消えて行った。
「地獄から出れた後は、幸せになれるといいね」
「うん、たっくんに酷い事したのは許せないけど、そうだね」
「まあ、閻魔様もそこまで鬼じゃないから、多少の恩情はくれるだろう」
「さ、帰ろ。たっくん」
青年と別れた後、また電車に揺られ帰る俺達。
「…あのさたっくん。ちょっとだけど今回ケガしちゃったじゃん」
「うん、少しコブ出来たけど、平気」
「別に強制じゃないし、義肢返してもらったりもしないし。たっくんが嫌なら、仕事辞めてもいいんだからね」
「…ううん。俺この体貰えたのすごく感謝してるし、仕事やりがいあって、楽しいし」
「それにゆうちゃんと仕事してるとさ、本当に楽しいから」
「今日もゆうちゃんの事知れたし、一緒に電車乗れて嬉しかったし、これからもっと一緒に色んな所行けると思うと凄くわくわくするから」
「だから、絶対辞めたりしないよ」
「…うん、そう言ってもらえると、本当に嬉しい!」
「じゃあ、早く帰ろ!今日のお仕事ちょっと難しかったし、きっといつもよりお賃金良いよ!」
「次のお仕事は、結構危険そうだから合同だよ」
「へー、そういうのもあるんだ」
「うん。素質あるとは言ってもたっくん新人だから、初めの頃は簡単めなお仕事選んでたんだけど、もうたっくんすっかり慣れたから、これからはこういうのもあるよ」
「ふーん。確かにかなり慣れて来たし、頑張るね」
「じゃ、早速行こうか。あと今回はちょっと遠くて隣県だよ」
俺ははじめてゆうちゃんと電車に乗り、現場に向かった。
「どうも、久しぶりだね、本組み」
「ん、本組みって?」
「あーいわゆる、僕のコードネーム的なやつ」
「へー、そうなんだ」
「うん、僕はゆうちゃんの方が好きだけどね」
「じゃあ、君もよろしくね」
そう、穏やかな青年と一緒に現場の洋館に入って行く俺達。
「で、今回のターゲットだけど、小さいうちに病気で死んじゃった外国人の女の子」
「自分の境遇を受け入れられなくて、悪霊になって何人か呪い殺しちゃったんだよね」
「そっか、殺すのは良くないけど、その子も可哀想だね」
「うん、止めようとしたお父さんとお母さんも、殺しはしなかったけどそうとう酷い事したみたい」
「まあ犯した罪により地獄にはしばらく落ちるだろうけど、ちゃんと祓ってあげたいよね」
そうして、彼女の部屋に入った。
「もう、何で私がこんな目にあわなきゃならないの。パパとママも私の事分かってくれないし、皆大嫌い」
「…パパとママも、分かってたと思うよ」
「うるさい、うるさい。皆死んじゃえ」
そう長く金髪を伸ばした彼女の巻き起こすポルターガイストをかわしながら、俺達は攻撃を加えていく。
「うわ、ほんとに結構強いな。お札切れちゃった」
俺は義肢の攻撃と数珠の祓いに切り替え応戦していく。
ゆうくんも素早く動き回り斬撃を叩き込み続けていた。
「もう、しつっこいな。これで死んじゃえ」
彼女がぶん投げて来た花瓶が、頭にぶつかってしまった。
「痛ったー。流石に生身部分にやられるときつい」
「いくら可哀想でも、たっくんに酷い事したら、許さないよ」
そう、彼女の胸に霊刀を深々と突きたてるゆうちゃん。
「気の毒だけど、これでとどめだよ」
そう言って、ゆうちゃんより少し短い西洋剣で、彼女の首を青年ははねた。
「いや、いや。そんなのいや」
そう言い残し彼女は消えて行った。
「地獄から出れた後は、幸せになれるといいね」
「うん、たっくんに酷い事したのは許せないけど、そうだね」
「まあ、閻魔様もそこまで鬼じゃないから、多少の恩情はくれるだろう」
「さ、帰ろ。たっくん」
青年と別れた後、また電車に揺られ帰る俺達。
「…あのさたっくん。ちょっとだけど今回ケガしちゃったじゃん」
「うん、少しコブ出来たけど、平気」
「別に強制じゃないし、義肢返してもらったりもしないし。たっくんが嫌なら、仕事辞めてもいいんだからね」
「…ううん。俺この体貰えたのすごく感謝してるし、仕事やりがいあって、楽しいし」
「それにゆうちゃんと仕事してるとさ、本当に楽しいから」
「今日もゆうちゃんの事知れたし、一緒に電車乗れて嬉しかったし、これからもっと一緒に色んな所行けると思うと凄くわくわくするから」
「だから、絶対辞めたりしないよ」
「…うん、そう言ってもらえると、本当に嬉しい!」
「じゃあ、早く帰ろ!今日のお仕事ちょっと難しかったし、きっといつもよりお賃金良いよ!」
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