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第一章
年なんて取りたくない
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割と仕事に慣れてきたある日の事。
「えっとね、次のお仕事は歴史ある名家なんだけどね」
「そこの当主、かなりの高齢だったんだけどどうしても絶対に死にたくなかったらしくて、所謂外法に手を出しちゃったんだよね」
「まあ要するに若い子達の血肉を喰らったり色々酷い事して、無理矢理若返って寿命を延ばしてたみたいなの」
「で、その内結局露呈してすぐ処刑されたんだけど、悪霊になっちゃって今でも若い子達襲い続けてるんだってさ」
「うっわー、往生際悪いね」
「まあ僕達若い子な訳だし。早速退治しに行こうよ」
そんな訳で、早速。
「依頼受けて来ましたー」
「ああ、お越しいただき感謝いたします。私はここの現当主です」
「…先代は今も、彼の部屋に棲みついております」
「絶対に人を立ち寄らせないようにはしていますが、入ったばかりで事情を知らない者が迷い込んだり、人心を惑わせて引き寄せてしまうのです」
「…襲われたものは、生命力を吸い取られ目も当てられないありさまでした」
「…ひどいですね」
「ええ、皆、ずっと入院しています」
「早速向かいます。お任せください」
年季は入っているが整った広いその部屋には、あらゆる悪趣味な物があった。
「…また、儂の贄になる者が来たか」
「そんなのごめんだね」
「うん、討伐させてもらうよ」
俺は素早く動き回り、そいつの伸ばす触手をかわして呪符を叩きつけていったが、そいつもかなりすばしっこく、触手を数本突き立てられてしまった。
「うわ、いてて」
「ひひひ、若い者の命はまことに美味じゃのう」
「たっくんから吸わないで。殺すよ」
ゆうちゃんが素早く霊刀で触手をすべて叩き切っていった。
「はい、とどめ。地獄に落ちてね」
そう楽しそうに言って、男の眉間に深々と刀を突きたてる。
「い、嫌じゃ、死にとうないいいいい」
「もういい加減諦めろっての」
「よし、終わった。たっくん、大丈夫?」
「うー。大した事は無いけど、ちょっとだけしんどいかも。少しふらふらする」
「だよね。たっくんちょっとこっち向いて」
「ん、何?」
そう向き直した俺の唇に、優しく口付けるゆうちゃん。
「…いやいやいや、ゆうちゃん何してんの」
「ん、ほらこれで生命力補給出来るから」
「ちょ、ちょっと心の準備が。一言言って」
「あーごめんね、配慮足りなかったね。ごめん」
「…うん、まあ生命力分けてくれたし、俺ゆうちゃん好きだから良いけど」
「うん、僕もたっくん大好き!」
その後すぐに、吸われて可哀想になっていた人たちも回復した。
「えっとね、次のお仕事は歴史ある名家なんだけどね」
「そこの当主、かなりの高齢だったんだけどどうしても絶対に死にたくなかったらしくて、所謂外法に手を出しちゃったんだよね」
「まあ要するに若い子達の血肉を喰らったり色々酷い事して、無理矢理若返って寿命を延ばしてたみたいなの」
「で、その内結局露呈してすぐ処刑されたんだけど、悪霊になっちゃって今でも若い子達襲い続けてるんだってさ」
「うっわー、往生際悪いね」
「まあ僕達若い子な訳だし。早速退治しに行こうよ」
そんな訳で、早速。
「依頼受けて来ましたー」
「ああ、お越しいただき感謝いたします。私はここの現当主です」
「…先代は今も、彼の部屋に棲みついております」
「絶対に人を立ち寄らせないようにはしていますが、入ったばかりで事情を知らない者が迷い込んだり、人心を惑わせて引き寄せてしまうのです」
「…襲われたものは、生命力を吸い取られ目も当てられないありさまでした」
「…ひどいですね」
「ええ、皆、ずっと入院しています」
「早速向かいます。お任せください」
年季は入っているが整った広いその部屋には、あらゆる悪趣味な物があった。
「…また、儂の贄になる者が来たか」
「そんなのごめんだね」
「うん、討伐させてもらうよ」
俺は素早く動き回り、そいつの伸ばす触手をかわして呪符を叩きつけていったが、そいつもかなりすばしっこく、触手を数本突き立てられてしまった。
「うわ、いてて」
「ひひひ、若い者の命はまことに美味じゃのう」
「たっくんから吸わないで。殺すよ」
ゆうちゃんが素早く霊刀で触手をすべて叩き切っていった。
「はい、とどめ。地獄に落ちてね」
そう楽しそうに言って、男の眉間に深々と刀を突きたてる。
「い、嫌じゃ、死にとうないいいいい」
「もういい加減諦めろっての」
「よし、終わった。たっくん、大丈夫?」
「うー。大した事は無いけど、ちょっとだけしんどいかも。少しふらふらする」
「だよね。たっくんちょっとこっち向いて」
「ん、何?」
そう向き直した俺の唇に、優しく口付けるゆうちゃん。
「…いやいやいや、ゆうちゃん何してんの」
「ん、ほらこれで生命力補給出来るから」
「ちょ、ちょっと心の準備が。一言言って」
「あーごめんね、配慮足りなかったね。ごめん」
「…うん、まあ生命力分けてくれたし、俺ゆうちゃん好きだから良いけど」
「うん、僕もたっくん大好き!」
その後すぐに、吸われて可哀想になっていた人たちも回復した。
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