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お兄さんのお墓参りと配信者になったわけ
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僕がお兄さんに買われて、1年半くらいが経ったある日の事。
「あ、お盆の時期ちょっと過ぎちゃったけど、私ちょっと実家のお墓参り行って来るね」
「え、お兄さんのご家族まだ結構若いと思うけど、亡くなられた人いるんだ?」
「うん、大半はまだ元気なんだけど父方の祖母がね。残念だけどかなり若いうちに、大変な病気になって死んじゃったんだ」
「…そっか、病気なら仕方ないけど大変だったね。超凄腕の闇医者とかもいるアレな世界なのに残念だね」
「まあ、その頃は私もごく普通の子供だったし、家族はみんな闇世界とも関わりの無い一般人だし仕方ないよ。昔は同居してて、私の事ずっと可愛がってくれてたから死んじゃった時はすごく悲しかったけどね」
「…そうなんだ。僕は母親がアレで絶縁されてたから祖父母と会った事すら無いけど、辛かっただろうね」
「うん、もう一週間ぐらいずっと泣いてたね。当時まだ小学校低学年くらいだったし。流石に死の概念は分かってたけど、奇跡が起きて生き返ってくれないかなとかずっと思ってたよ」
「…うん、僕も普通に可愛がってくれてた家族が死んじゃったら、同じだったと思う」
「まあ、マッドサイエンティストだの普通にいるアレな世界とはいえ死者の蘇生は流石に無理だろうし、おばあちゃんもきっと運命だから仕方ないって言ってたから、私も子供なりにしばらくしたらどうにか受け入れたけどね」
「…そっか、小さかったのに偉いね。じゃあ、僕もご挨拶したいし一緒にお参りに行きたいんだけどいい?」
「うん、全然良いよ。おばあちゃんもきっと喜ぶよ。じゃあ、どこかでお供えとお花買って行こうね」
そんな訳で僕とお兄さんは道中で花やお菓子、線香などを買い、お兄さんの実家から少し離れた所にある立派な霊園に向かった。
「僕、家族がアレだったからお墓参りなんて初めてだな。おばあさんに失礼の無いようにしなきゃ」
「あー、親族みんなアレだし当然そうだよね。もふお、基本礼儀正しい良い子だから大丈夫だよ。まあ年の差や同性愛とかはかなり理解ある人だったけど、私との馴れ初め知ったら引くだろうけどね」
「…う、うんそりゃそうだろうね。むしろ引かない方が怖い」
「でも、流石にすぐ公開したら絶対引かれるだろうしもう少しもふおが年取ってからだけど、ずっと隠しっぱなしも良くないと思うからいつかは健在な私の家族にもちゃんと紹介しようね。当然アレなペットとして買ったのは伏せて、手足の件は適当に事故とか病気って説明するけどさ」
「う、うーん。まあ籍も入れてるし僕も礼儀としてご挨拶したいのはやまやまだけど。いくつになっても16そこらで天涯孤独な訳あり過ぎる子と結婚したとか絶対引かれると思うけど大丈夫かなあ」
「まあ、闇世界とは縁の無い一般人だけど私の親だけあって両親もなかなかアレな部分あるし、最終的には分かってくれると思うよ。特に父さんなんて私と同じか下手したらそれ以上にアレ欲旺盛だし。まあ私生まれてるから当然女性の方が好きだけどね。あ、でも良識は家族みんなちゃんとあるから安心してね」
「…そ、そうなんだ。流石血筋というかなんというか。というか今更だけど、僕お兄さんの家族構成とかちゃんと聞いた事無かったな。僕と違って仲は悪く無いんだよね?」
「うん、おばあちゃん以外も家族仲は悪く無かったよ。実家は父方の祖父母と同居で、あとは両親と少し年の離れた妹が一人いたね。祖父は高齢なのもあって数年前にちょっと体悪くしちゃって、今は老人ホーム暮らしだけど」
「あー、そうなんだ。一般的な感じだね。自宅介護も大変だろうし、それならプロの人に任せた方が良いかもね」
「うん、私の実家も特別裕福じゃ無いけど稼ぎは安定してるし、ちゃんとしたホームに入れてるから大丈夫だよ。頻繁に両親も会いに行ってるしね。私は編集や収録忙しくて、最近あんまり会えてなくて申し訳無いけど」
「うーん、まあ仲良くても社会人なら仕方ないんじゃないのかな。お兄さんも闇とはいえしっかり仕事してて、ある意味決まった休みとか無いわけだし」
「そうだねー。でも時々電話したり、実家に介護や生活費の足しにしてってある程度仕送りしてるけどね。当然闇配信者やってるのは言えないから、適当に動画編集系の自営業って誤魔化してるけどね」
「まあ当然そうなるよね。でも、ちゃんと仕送りしてて偉いね」
「うん、大学まで行かせてもらったし、私はちゃんと愛されて育ててもらったからせめてもの恩返しにね。あ、うちのお墓見えて来たよ。あの木の下のお墓だよ」
お兄さんが指さした先には紅葉しつつある大きな桜の木があり、その下の一角に綺麗に手入れされた墓石があった。
「へー、桜の木の下って良い所だね。お墓も新しめで綺麗だし」
「うん、先祖代々のお墓だけど少し前に新しく建て直したから。小さい頃何も出来なかったからせめてお墓だけでも綺麗にしてあげたいなと思って、闇配信者で稼げるようになってから費用の大半私が出してリフォームしてもらったの」
「そっか、お兄さん本当おばあちゃんっ子だったんだね。闇配信で稼いでるのはちょっとアレだけど、おばあさんもきっと喜んでるよ」
「ありがとね。そうだと良いな。じゃあちょっと前に家族が来てやってくれたと思うけど、一応墓石お掃除しておこうか」
そして霊園に入る際に借りた柄杓と手桶で、僕とお兄さんは墓石を清め、お菓子や花を供えた。
「もふお、手伝ってくれてありがとね。一人でやるよりずっと早く済んだよ」
「どういたしまして。じゃあ、あとはお線香だよね」
「うん、じゃあ火点けてっと。じゃあ、私の後にもふおもこれ立てて、後は手を合わせてね」
「うん、分かった」
そうして、僕はお兄さんに倣って線香を供え、義手を静かに合わせた。
「…おばあちゃん、ちょっと久しぶり。最近色々忙しくてお墓参り来れなくてごめんね。天国から見てくれてたかもしれないけど、実は私結婚したんだ。隣にいるこの子。まだ若いけどすごく苦労してて、しっかりした良い子だよ」
「…ええと、初めまして。もふおです。本名は色々事情があってあまり言いたくないので、お兄さんが付けてくれたあだ名ですみません。…えっと、きっかけは相当アレでしたがお兄さんには本当に色々助けてもらって、すごく感謝しています。だいぶ若かったり手足アレで心配だと思いますが、死ぬまでずっとお兄さんに恩返ししたいと思ってますし、本当にこの人の事を愛していますので。どうか見守っていて下さい」
「うん、おばあちゃんも昔の人の割にかなり柔軟だったしきっと大丈夫だよ。この世界かなり前からなかなかアレな所あったしさ。流石にアレなペットここまで流行りだしたのは割と最近だけど」
「…う、うん。いやいつの時代でもこんなペット流行るのはどうかと思うけど」
「じゃあ、掃除とご挨拶も終わったし帰ろうか。あ、お供えの食べ物はここ各自で持ち帰るようになってるから、帰ったらありがたく頂こうね」
「そうなんだ、分かった。じゃあ僕のバッグに入れておくね」
そして僕達は供え物のお菓子を回収し、静かにその場を後にした。
そのままのんびり景色の良い霊園を歩き、そろそろ出口に差し掛かった頃。
「…あ。…あー、この事だったんだ」
「え、お兄さんいきなりどうしたの?」
「うん、今急に思い出した事があってさ。…昔病院から連絡があって、おばあちゃんがもう駄目そうってなった時に家族で慌てて駆けつけて、ずっと見守ったり声かけて励ましてたんだけどさ。一瞬だけ容体が持ち直した時、おばあちゃんが少しだけ私と二人で話がしたいって言いだして。それで家族も承諾して二人きりにしてくれたんだけど、その時言われた事があってね」
「うん、どんな?」
「…なんでもおばあちゃん、神様が特別に教えてくれたのか私の将来がちょっとだけ見えたらしくて。それでかなり年下だけどすごく可哀想で、でも優しい可愛い男の子と将来出会って結ばれるから、大事にして幸せにしてあげてって言って、それから間もなく息を引き取ったの。今思うと、まさにもふおの事だなーって思ってさ」
「…そうだったんだ。不思議だね」
「まあ、この世界因習村とか神様とかもガチでいるし、そういう事もあるんじゃないのかな。あー、そういえばおばあちゃん出会い方は相当アレだけどって引き気味に言ってた気もする。じゃあ、きっと全部分かってたんだね」
「…そ、そりゃ引くだろうね。今わの際にそんな孫のアレな将来伝えられておばあさん可哀想なんだけど」
「うん、まあ息子である私の父も良識はあるし私程では無いけどかなり変態寄りな紳士だったから、おばあちゃんも引きつつも理解してくれてると思うよ」
「…そ、それならまあ良かった。いや良かったっていうのかなこれ。正直ご家族に顔合わせするの不安になって来たんだけど」
「まあ、もふおも何だかんだでアレな世界の耐性かなり付いて来たし大丈夫だよ。アレな父とはいえ法を犯したりはしてないから安心して。あー雑木林や河川敷にエロ本やアレなDVDわざわざ捨ててたのは今思うと不法投棄だけど」
「いや普通にダメでしょそれ」
「うん、環境汚すのは良くないと思うけど。父曰くこれは年齢的に買えないがアレ欲を持て余す若人たちの為に仕込んでおくんだ、おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ。探してみろ、この世の性の全てをそこに置いてきたとか何とか」
「いやそんな変態ゴー〇ドロジャー最悪過ぎる」
「まあ変態なのは血筋って事で勘弁して。…あ、それからさ。実は私が配信者目指したのも、祖母の事がきっかけだったんだよね」
「…え、そうなんだ」
「うん、祖母の病気が発覚した頃にはもうほぼ手の施しようが無いくらいの状態だったらしいんだけど。流石にまだ幼くておばあちゃんっ子の私に伝えるのは酷だと思って家族もそれは伏せてたんだけどね。やっぱり子供心にも、本当はもう長く無いんじゃないかってのはなんとなく察しちゃって」
「…そっか。お兄さんアレだけど馬鹿じゃないし、鋭い所あるもんね」
「でもどうにか少しでも元気になって欲しいなって、小さいなりに色々考えてさ。難しい医学書とかは子供だし当然分からないけど、たまたま見たテレビで笑いは健康に良くて、末期のガンとかも治った事があるって知ってさ」
「それで、楽しい話したりギャグ言ったりしてたくさん笑ったら、奇跡が起きておばあちゃんの病気も治ったりしないかなーって、それから出来る限りお見舞いに行って、色々学校であった面白い話したり一発ネタやったりして、たくさん笑わせるようにしたの」
「…そうだったんだ。お兄さん、本当におばあちゃん思いの良い子だったんだね」
「…まあ、そうそう都合よく奇跡が起きる訳も無くて、結局助からなかったんだけど。でもそれでおばあちゃんが笑ってくれた時、私本当に嬉しかったんだ。実際笑った後は少しだけど具合良さそうだったし。…今思うと、おばあちゃんも気を遣ってくれてたのかもしれないけどね」
「…でも、おばあさんもきっと、本当に嬉しかったと思うよ」
「うん、ありがとね。で、おばあちゃんその時、あなたは笑わせる才能があるから、将来はたくさんの人を笑わせたり楽しませる仕事に就いたら?って言ってくれて。それで何となく、私もそうしようかなーって思い始めたんだよね」
「あー、そういう事だったんだ」
「で、おばあちゃん亡くなった後は辛くてその事忘れちゃってたけど、だいぶ経って高校生近くになった頃思い出して。それでコメディアンとかはちょっとなんか違うなー、回避スキルは高いけど曲芸とかも上手いわけじゃ無いしどうしようかなーとか色々考えて。その頃実況動画とか流行ってて私も自分のPC持ってたから、とりあえずゲーム実況でもしてみようと思って、それで配信者始めたの」
「へー、最初はゲーム実況者だったんだ」
「うん、その頃は闇世界とも繋がりない未成年だしごく普通のゲーム実況者だったんだけどね。トークスキルとか頑張って磨いて、表世界の有名配信者にはかなわないけど学生としてはそこそこ売れてたよ。まあ元々性分がアレなのと、過激さや独自性を追求してるうちにいつの間にか闇配信者になっちゃったけど」
「…そ、そうなんだ。そこから何をどうしたら闇世界に行くのかよく分からないけど。まあお兄さん相当アレだけど良識はあるし良いけどさ。…でも、人を楽しませるために配信者始めたのはすごく良いと思うよ」
「うん、ありがと。私も今はこれが天職だと思ってるよ。そのお陰でもふおにも会えたしね。じゃ、どこかで適当にご飯でも食べて帰ろうか。もふお、何食べたい?」
「んー、僕ラーメンが食べたいかな。二郎系とかはあんまり好きじゃないけど」
「いいよー。もふお確かに若い割にあっさり系が好きだもんね。じゃあ近くに煮干し系スープの美味しいラーメン屋さんあるから行こうか」
「あー、いいねいいね。まあたまにはがっつり系も食べたくなるけどね」
※おまけ おばあちゃんとの最後の話
「…おばあちゃん、ぼくと二人きりでお話ししたい事ってなに?ようやく少し落ち着いたし、寝てなくていいの?」
「…〇〇ちゃん、あのね。お別れの前に、話しておきたいの」
「…え、お別れなんて、そんな事言わないで。ぼくまだ小学生なのに。ぼくが大人になったら一緒にお酒飲もうって、おばあちゃん約束したじゃない」
「…ごめんね。それは守れそうにないわ。大人なのに約束を破るなんて、いけないわよね」
「…でも、すごくむずかしい病気だってお医者さんやお父さん達も言ってたし。…おばあちゃんのせいじゃないよ」
「…ぼくがえらいお医者さんだったりすごいお金持ちだったらなんとかしてあげられたかもしれないのに、ごめんね」
「…いいのよ。治療法もまだ無い本当に難しい病気だから、どんなお医者さんでも治せないでしょうし、これは運命だと思っているから大丈夫よ。あなたはずっと頑張って笑わせてくれたし、それだけでとても嬉しかったわ。ありがとう、〇〇ちゃん」
「…うん」
「…それでね。さっきずっと眠っていた時、神様が安心して行けるようにって、あなたの未来を特別に少しだけ教えてくれたの」
「…え、そうなんだ」
「ええ、だからこれから話す事、よく聞いてね。…あなたはだいぶ先だけど、大人になって素敵な人と結ばれて、それから間もなく結婚するわ」
「…そっか。それ、どんな人なの?…ぼくどっちかと言うと男の子が好きなんだけど、男の子かな」
「ええ、とても可愛らしい、その頃のあなたよりもだいぶ年下の男の子よ」
「…ふーん、そうなんだ。それは楽しみだな。でもぼくどんな大人になるのかまだ全然わからないし、そんな年下の子と仲良くやっていけるかな」
「とても優しいあなたなら、きっと大丈夫よ。…まあ、息子譲りでその年からかなりアレな事に興味深々なのは正直心配だけど。…息子もアレだけど良識はきちんとあるし、あなたも犯罪に走ったりはしないと信じているわ」
「…う、うん。ぼくも捕まるような事はしたくないしそれは気を付ける。おばあちゃん悲しませたくないし」
「…ええ。いやその、正直その子との出会い方は相当アレだし普通に犯罪だと思うのだけど。…まあ、それを言ったらこの世界も相当アレだしそこは仕方ないわね…」
「…い、いやそれ、どんな出会い方なの。ぼく怖いんだけど。というかぼくどんなアレな大人になってるの」
「…え、ええ。まあ相当アレな大人だけど、とても優しいのは変わらないから大丈夫よ。…多分」
「…そ、そうなんだ」
「…それでね。その将来結婚する子。生まれた時からとても可哀想な子で、あなたと出会うときには、本当に、本当に可哀想な事になっていて。…もう、誰も信じられないようになってしまっているの」
「…そっか。その子、可哀想だね。…ぼく、その子を助けてあげられるのかな」
「…ええ、アレだけどその頃にはかなりお金持ちになっているし、とても優しいあなたならきっと大丈夫よ」
「…だから、その子に会えたら大事にして、幸せにしてあげて。その子も本当は優しい良い子だから、心を開いてくれればきっと仲良くなれるわ」
「…うん、分かった。きっと幸せにするよ」
「…ふふ、良かった。これで、安心したわ。…いやそんなアレな将来とか正直かなり不安だけど」
「…い、いや本当神様から何を聞いたのおばあちゃん」
「…あ、アレ気味とはいえまだ子供のあなたに詳しく話すのは相当アレだから、それは大人になってから自分の目で確かめて」
「え、えー…」
「…ふう。これで、伝えたい事は全部話せたわ。…ごめんね〇〇ちゃん、おばあちゃん少し疲れたから休むわね。あなたもずっとつきっきりで疲れたでしょうから、あとはお父さん達に任せて、少し外で休んでらっしゃいな」
「……うん、分かった。じゃあ、お父さん達呼んで来るね」
「ええ、ありがとう。…大好きよ、〇〇ちゃん」
「…うん、ぼくも大好きだよ。…じゃあね、おばあちゃん」
その後どうなるかはぼくにも薄々分かっていたが、さよなら、とは悲しくて最後まで言えなかった。
そうしてお医者さんやお父さん達と入れ替わりに病室を出て、ぼくは近くのベンチにずっと座っていた。
それから間もなくお父さん達が泣きながら病室を出て来て、ぼくはおばあちゃんが天国へ行ったのを知った。
その後はずっと悲しくて一週間くらい泣き続け、どうにか泣かなくなった後も思い出すと辛いのでおばあちゃんには悪いがなるべくその時の事は考えないようにしていた。
そうしてかなりの月日が流れ、祖母との別れもどうにか思い出として昇華できるようになった頃。
最期に話した事やたくさん笑ってくれたのが嬉しかったのを思い出し、打ち込める物や進路もぼんやり考える年齢になっていたので持っていた物で出来る実況者を始め、次第に反響や登録者が増えていくのにやりがいを感じ、本気でこの道を究めようと決意した。
そんなこんなで気が付けば闇世界に足を突っ込み闇配信者となっていた。(素性を特定されるとまずいので闇配信で本格的に活動を始めた頃に表での実況動画やアカウントは全て削除した)
そうして悪運と回避スキルとコミュ力とかを活かし体を張った闇動画でかなり稼げるようになり、ある冬の日倫理的には相当アレだが可愛い同居人が欲しくなりついでに動画作成も兼ねてアレなRTAをやってみるか、と思い立ち早速久々に実家近くのタバコ屋に偽装したアレ業者に赴いたのだった。
祖母の最期の言葉や引きっぷりが全て本当だったと気付くのは、もう少しだけ先の話。
「あ、お盆の時期ちょっと過ぎちゃったけど、私ちょっと実家のお墓参り行って来るね」
「え、お兄さんのご家族まだ結構若いと思うけど、亡くなられた人いるんだ?」
「うん、大半はまだ元気なんだけど父方の祖母がね。残念だけどかなり若いうちに、大変な病気になって死んじゃったんだ」
「…そっか、病気なら仕方ないけど大変だったね。超凄腕の闇医者とかもいるアレな世界なのに残念だね」
「まあ、その頃は私もごく普通の子供だったし、家族はみんな闇世界とも関わりの無い一般人だし仕方ないよ。昔は同居してて、私の事ずっと可愛がってくれてたから死んじゃった時はすごく悲しかったけどね」
「…そうなんだ。僕は母親がアレで絶縁されてたから祖父母と会った事すら無いけど、辛かっただろうね」
「うん、もう一週間ぐらいずっと泣いてたね。当時まだ小学校低学年くらいだったし。流石に死の概念は分かってたけど、奇跡が起きて生き返ってくれないかなとかずっと思ってたよ」
「…うん、僕も普通に可愛がってくれてた家族が死んじゃったら、同じだったと思う」
「まあ、マッドサイエンティストだの普通にいるアレな世界とはいえ死者の蘇生は流石に無理だろうし、おばあちゃんもきっと運命だから仕方ないって言ってたから、私も子供なりにしばらくしたらどうにか受け入れたけどね」
「…そっか、小さかったのに偉いね。じゃあ、僕もご挨拶したいし一緒にお参りに行きたいんだけどいい?」
「うん、全然良いよ。おばあちゃんもきっと喜ぶよ。じゃあ、どこかでお供えとお花買って行こうね」
そんな訳で僕とお兄さんは道中で花やお菓子、線香などを買い、お兄さんの実家から少し離れた所にある立派な霊園に向かった。
「僕、家族がアレだったからお墓参りなんて初めてだな。おばあさんに失礼の無いようにしなきゃ」
「あー、親族みんなアレだし当然そうだよね。もふお、基本礼儀正しい良い子だから大丈夫だよ。まあ年の差や同性愛とかはかなり理解ある人だったけど、私との馴れ初め知ったら引くだろうけどね」
「…う、うんそりゃそうだろうね。むしろ引かない方が怖い」
「でも、流石にすぐ公開したら絶対引かれるだろうしもう少しもふおが年取ってからだけど、ずっと隠しっぱなしも良くないと思うからいつかは健在な私の家族にもちゃんと紹介しようね。当然アレなペットとして買ったのは伏せて、手足の件は適当に事故とか病気って説明するけどさ」
「う、うーん。まあ籍も入れてるし僕も礼儀としてご挨拶したいのはやまやまだけど。いくつになっても16そこらで天涯孤独な訳あり過ぎる子と結婚したとか絶対引かれると思うけど大丈夫かなあ」
「まあ、闇世界とは縁の無い一般人だけど私の親だけあって両親もなかなかアレな部分あるし、最終的には分かってくれると思うよ。特に父さんなんて私と同じか下手したらそれ以上にアレ欲旺盛だし。まあ私生まれてるから当然女性の方が好きだけどね。あ、でも良識は家族みんなちゃんとあるから安心してね」
「…そ、そうなんだ。流石血筋というかなんというか。というか今更だけど、僕お兄さんの家族構成とかちゃんと聞いた事無かったな。僕と違って仲は悪く無いんだよね?」
「うん、おばあちゃん以外も家族仲は悪く無かったよ。実家は父方の祖父母と同居で、あとは両親と少し年の離れた妹が一人いたね。祖父は高齢なのもあって数年前にちょっと体悪くしちゃって、今は老人ホーム暮らしだけど」
「あー、そうなんだ。一般的な感じだね。自宅介護も大変だろうし、それならプロの人に任せた方が良いかもね」
「うん、私の実家も特別裕福じゃ無いけど稼ぎは安定してるし、ちゃんとしたホームに入れてるから大丈夫だよ。頻繁に両親も会いに行ってるしね。私は編集や収録忙しくて、最近あんまり会えてなくて申し訳無いけど」
「うーん、まあ仲良くても社会人なら仕方ないんじゃないのかな。お兄さんも闇とはいえしっかり仕事してて、ある意味決まった休みとか無いわけだし」
「そうだねー。でも時々電話したり、実家に介護や生活費の足しにしてってある程度仕送りしてるけどね。当然闇配信者やってるのは言えないから、適当に動画編集系の自営業って誤魔化してるけどね」
「まあ当然そうなるよね。でも、ちゃんと仕送りしてて偉いね」
「うん、大学まで行かせてもらったし、私はちゃんと愛されて育ててもらったからせめてもの恩返しにね。あ、うちのお墓見えて来たよ。あの木の下のお墓だよ」
お兄さんが指さした先には紅葉しつつある大きな桜の木があり、その下の一角に綺麗に手入れされた墓石があった。
「へー、桜の木の下って良い所だね。お墓も新しめで綺麗だし」
「うん、先祖代々のお墓だけど少し前に新しく建て直したから。小さい頃何も出来なかったからせめてお墓だけでも綺麗にしてあげたいなと思って、闇配信者で稼げるようになってから費用の大半私が出してリフォームしてもらったの」
「そっか、お兄さん本当おばあちゃんっ子だったんだね。闇配信で稼いでるのはちょっとアレだけど、おばあさんもきっと喜んでるよ」
「ありがとね。そうだと良いな。じゃあちょっと前に家族が来てやってくれたと思うけど、一応墓石お掃除しておこうか」
そして霊園に入る際に借りた柄杓と手桶で、僕とお兄さんは墓石を清め、お菓子や花を供えた。
「もふお、手伝ってくれてありがとね。一人でやるよりずっと早く済んだよ」
「どういたしまして。じゃあ、あとはお線香だよね」
「うん、じゃあ火点けてっと。じゃあ、私の後にもふおもこれ立てて、後は手を合わせてね」
「うん、分かった」
そうして、僕はお兄さんに倣って線香を供え、義手を静かに合わせた。
「…おばあちゃん、ちょっと久しぶり。最近色々忙しくてお墓参り来れなくてごめんね。天国から見てくれてたかもしれないけど、実は私結婚したんだ。隣にいるこの子。まだ若いけどすごく苦労してて、しっかりした良い子だよ」
「…ええと、初めまして。もふおです。本名は色々事情があってあまり言いたくないので、お兄さんが付けてくれたあだ名ですみません。…えっと、きっかけは相当アレでしたがお兄さんには本当に色々助けてもらって、すごく感謝しています。だいぶ若かったり手足アレで心配だと思いますが、死ぬまでずっとお兄さんに恩返ししたいと思ってますし、本当にこの人の事を愛していますので。どうか見守っていて下さい」
「うん、おばあちゃんも昔の人の割にかなり柔軟だったしきっと大丈夫だよ。この世界かなり前からなかなかアレな所あったしさ。流石にアレなペットここまで流行りだしたのは割と最近だけど」
「…う、うん。いやいつの時代でもこんなペット流行るのはどうかと思うけど」
「じゃあ、掃除とご挨拶も終わったし帰ろうか。あ、お供えの食べ物はここ各自で持ち帰るようになってるから、帰ったらありがたく頂こうね」
「そうなんだ、分かった。じゃあ僕のバッグに入れておくね」
そして僕達は供え物のお菓子を回収し、静かにその場を後にした。
そのままのんびり景色の良い霊園を歩き、そろそろ出口に差し掛かった頃。
「…あ。…あー、この事だったんだ」
「え、お兄さんいきなりどうしたの?」
「うん、今急に思い出した事があってさ。…昔病院から連絡があって、おばあちゃんがもう駄目そうってなった時に家族で慌てて駆けつけて、ずっと見守ったり声かけて励ましてたんだけどさ。一瞬だけ容体が持ち直した時、おばあちゃんが少しだけ私と二人で話がしたいって言いだして。それで家族も承諾して二人きりにしてくれたんだけど、その時言われた事があってね」
「うん、どんな?」
「…なんでもおばあちゃん、神様が特別に教えてくれたのか私の将来がちょっとだけ見えたらしくて。それでかなり年下だけどすごく可哀想で、でも優しい可愛い男の子と将来出会って結ばれるから、大事にして幸せにしてあげてって言って、それから間もなく息を引き取ったの。今思うと、まさにもふおの事だなーって思ってさ」
「…そうだったんだ。不思議だね」
「まあ、この世界因習村とか神様とかもガチでいるし、そういう事もあるんじゃないのかな。あー、そういえばおばあちゃん出会い方は相当アレだけどって引き気味に言ってた気もする。じゃあ、きっと全部分かってたんだね」
「…そ、そりゃ引くだろうね。今わの際にそんな孫のアレな将来伝えられておばあさん可哀想なんだけど」
「うん、まあ息子である私の父も良識はあるし私程では無いけどかなり変態寄りな紳士だったから、おばあちゃんも引きつつも理解してくれてると思うよ」
「…そ、それならまあ良かった。いや良かったっていうのかなこれ。正直ご家族に顔合わせするの不安になって来たんだけど」
「まあ、もふおも何だかんだでアレな世界の耐性かなり付いて来たし大丈夫だよ。アレな父とはいえ法を犯したりはしてないから安心して。あー雑木林や河川敷にエロ本やアレなDVDわざわざ捨ててたのは今思うと不法投棄だけど」
「いや普通にダメでしょそれ」
「うん、環境汚すのは良くないと思うけど。父曰くこれは年齢的に買えないがアレ欲を持て余す若人たちの為に仕込んでおくんだ、おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ。探してみろ、この世の性の全てをそこに置いてきたとか何とか」
「いやそんな変態ゴー〇ドロジャー最悪過ぎる」
「まあ変態なのは血筋って事で勘弁して。…あ、それからさ。実は私が配信者目指したのも、祖母の事がきっかけだったんだよね」
「…え、そうなんだ」
「うん、祖母の病気が発覚した頃にはもうほぼ手の施しようが無いくらいの状態だったらしいんだけど。流石にまだ幼くておばあちゃんっ子の私に伝えるのは酷だと思って家族もそれは伏せてたんだけどね。やっぱり子供心にも、本当はもう長く無いんじゃないかってのはなんとなく察しちゃって」
「…そっか。お兄さんアレだけど馬鹿じゃないし、鋭い所あるもんね」
「でもどうにか少しでも元気になって欲しいなって、小さいなりに色々考えてさ。難しい医学書とかは子供だし当然分からないけど、たまたま見たテレビで笑いは健康に良くて、末期のガンとかも治った事があるって知ってさ」
「それで、楽しい話したりギャグ言ったりしてたくさん笑ったら、奇跡が起きておばあちゃんの病気も治ったりしないかなーって、それから出来る限りお見舞いに行って、色々学校であった面白い話したり一発ネタやったりして、たくさん笑わせるようにしたの」
「…そうだったんだ。お兄さん、本当におばあちゃん思いの良い子だったんだね」
「…まあ、そうそう都合よく奇跡が起きる訳も無くて、結局助からなかったんだけど。でもそれでおばあちゃんが笑ってくれた時、私本当に嬉しかったんだ。実際笑った後は少しだけど具合良さそうだったし。…今思うと、おばあちゃんも気を遣ってくれてたのかもしれないけどね」
「…でも、おばあさんもきっと、本当に嬉しかったと思うよ」
「うん、ありがとね。で、おばあちゃんその時、あなたは笑わせる才能があるから、将来はたくさんの人を笑わせたり楽しませる仕事に就いたら?って言ってくれて。それで何となく、私もそうしようかなーって思い始めたんだよね」
「あー、そういう事だったんだ」
「で、おばあちゃん亡くなった後は辛くてその事忘れちゃってたけど、だいぶ経って高校生近くになった頃思い出して。それでコメディアンとかはちょっとなんか違うなー、回避スキルは高いけど曲芸とかも上手いわけじゃ無いしどうしようかなーとか色々考えて。その頃実況動画とか流行ってて私も自分のPC持ってたから、とりあえずゲーム実況でもしてみようと思って、それで配信者始めたの」
「へー、最初はゲーム実況者だったんだ」
「うん、その頃は闇世界とも繋がりない未成年だしごく普通のゲーム実況者だったんだけどね。トークスキルとか頑張って磨いて、表世界の有名配信者にはかなわないけど学生としてはそこそこ売れてたよ。まあ元々性分がアレなのと、過激さや独自性を追求してるうちにいつの間にか闇配信者になっちゃったけど」
「…そ、そうなんだ。そこから何をどうしたら闇世界に行くのかよく分からないけど。まあお兄さん相当アレだけど良識はあるし良いけどさ。…でも、人を楽しませるために配信者始めたのはすごく良いと思うよ」
「うん、ありがと。私も今はこれが天職だと思ってるよ。そのお陰でもふおにも会えたしね。じゃ、どこかで適当にご飯でも食べて帰ろうか。もふお、何食べたい?」
「んー、僕ラーメンが食べたいかな。二郎系とかはあんまり好きじゃないけど」
「いいよー。もふお確かに若い割にあっさり系が好きだもんね。じゃあ近くに煮干し系スープの美味しいラーメン屋さんあるから行こうか」
「あー、いいねいいね。まあたまにはがっつり系も食べたくなるけどね」
※おまけ おばあちゃんとの最後の話
「…おばあちゃん、ぼくと二人きりでお話ししたい事ってなに?ようやく少し落ち着いたし、寝てなくていいの?」
「…〇〇ちゃん、あのね。お別れの前に、話しておきたいの」
「…え、お別れなんて、そんな事言わないで。ぼくまだ小学生なのに。ぼくが大人になったら一緒にお酒飲もうって、おばあちゃん約束したじゃない」
「…ごめんね。それは守れそうにないわ。大人なのに約束を破るなんて、いけないわよね」
「…でも、すごくむずかしい病気だってお医者さんやお父さん達も言ってたし。…おばあちゃんのせいじゃないよ」
「…ぼくがえらいお医者さんだったりすごいお金持ちだったらなんとかしてあげられたかもしれないのに、ごめんね」
「…いいのよ。治療法もまだ無い本当に難しい病気だから、どんなお医者さんでも治せないでしょうし、これは運命だと思っているから大丈夫よ。あなたはずっと頑張って笑わせてくれたし、それだけでとても嬉しかったわ。ありがとう、〇〇ちゃん」
「…うん」
「…それでね。さっきずっと眠っていた時、神様が安心して行けるようにって、あなたの未来を特別に少しだけ教えてくれたの」
「…え、そうなんだ」
「ええ、だからこれから話す事、よく聞いてね。…あなたはだいぶ先だけど、大人になって素敵な人と結ばれて、それから間もなく結婚するわ」
「…そっか。それ、どんな人なの?…ぼくどっちかと言うと男の子が好きなんだけど、男の子かな」
「ええ、とても可愛らしい、その頃のあなたよりもだいぶ年下の男の子よ」
「…ふーん、そうなんだ。それは楽しみだな。でもぼくどんな大人になるのかまだ全然わからないし、そんな年下の子と仲良くやっていけるかな」
「とても優しいあなたなら、きっと大丈夫よ。…まあ、息子譲りでその年からかなりアレな事に興味深々なのは正直心配だけど。…息子もアレだけど良識はきちんとあるし、あなたも犯罪に走ったりはしないと信じているわ」
「…う、うん。ぼくも捕まるような事はしたくないしそれは気を付ける。おばあちゃん悲しませたくないし」
「…ええ。いやその、正直その子との出会い方は相当アレだし普通に犯罪だと思うのだけど。…まあ、それを言ったらこの世界も相当アレだしそこは仕方ないわね…」
「…い、いやそれ、どんな出会い方なの。ぼく怖いんだけど。というかぼくどんなアレな大人になってるの」
「…え、ええ。まあ相当アレな大人だけど、とても優しいのは変わらないから大丈夫よ。…多分」
「…そ、そうなんだ」
「…それでね。その将来結婚する子。生まれた時からとても可哀想な子で、あなたと出会うときには、本当に、本当に可哀想な事になっていて。…もう、誰も信じられないようになってしまっているの」
「…そっか。その子、可哀想だね。…ぼく、その子を助けてあげられるのかな」
「…ええ、アレだけどその頃にはかなりお金持ちになっているし、とても優しいあなたならきっと大丈夫よ」
「…だから、その子に会えたら大事にして、幸せにしてあげて。その子も本当は優しい良い子だから、心を開いてくれればきっと仲良くなれるわ」
「…うん、分かった。きっと幸せにするよ」
「…ふふ、良かった。これで、安心したわ。…いやそんなアレな将来とか正直かなり不安だけど」
「…い、いや本当神様から何を聞いたのおばあちゃん」
「…あ、アレ気味とはいえまだ子供のあなたに詳しく話すのは相当アレだから、それは大人になってから自分の目で確かめて」
「え、えー…」
「…ふう。これで、伝えたい事は全部話せたわ。…ごめんね〇〇ちゃん、おばあちゃん少し疲れたから休むわね。あなたもずっとつきっきりで疲れたでしょうから、あとはお父さん達に任せて、少し外で休んでらっしゃいな」
「……うん、分かった。じゃあ、お父さん達呼んで来るね」
「ええ、ありがとう。…大好きよ、〇〇ちゃん」
「…うん、ぼくも大好きだよ。…じゃあね、おばあちゃん」
その後どうなるかはぼくにも薄々分かっていたが、さよなら、とは悲しくて最後まで言えなかった。
そうしてお医者さんやお父さん達と入れ替わりに病室を出て、ぼくは近くのベンチにずっと座っていた。
それから間もなくお父さん達が泣きながら病室を出て来て、ぼくはおばあちゃんが天国へ行ったのを知った。
その後はずっと悲しくて一週間くらい泣き続け、どうにか泣かなくなった後も思い出すと辛いのでおばあちゃんには悪いがなるべくその時の事は考えないようにしていた。
そうしてかなりの月日が流れ、祖母との別れもどうにか思い出として昇華できるようになった頃。
最期に話した事やたくさん笑ってくれたのが嬉しかったのを思い出し、打ち込める物や進路もぼんやり考える年齢になっていたので持っていた物で出来る実況者を始め、次第に反響や登録者が増えていくのにやりがいを感じ、本気でこの道を究めようと決意した。
そんなこんなで気が付けば闇世界に足を突っ込み闇配信者となっていた。(素性を特定されるとまずいので闇配信で本格的に活動を始めた頃に表での実況動画やアカウントは全て削除した)
そうして悪運と回避スキルとコミュ力とかを活かし体を張った闇動画でかなり稼げるようになり、ある冬の日倫理的には相当アレだが可愛い同居人が欲しくなりついでに動画作成も兼ねてアレなRTAをやってみるか、と思い立ち早速久々に実家近くのタバコ屋に偽装したアレ業者に赴いたのだった。
祖母の最期の言葉や引きっぷりが全て本当だったと気付くのは、もう少しだけ先の話。
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