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後日談 アレな大団円
国産みの神々の仲直り
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「……」
「…お前」
「…あら、貴方」
「…お前も、見ていたろう。あの子の決断を」
「…ええ、見ていたわ。全て」
「…私は、彼に教えられたよ。…人は、一人の人をあれ程に深く愛せるのだという事を」
「…そうね」
「何十年もの間酷い裏切りを受け、全てを改竄させられ己は幸福なのだと思い込まされていただけでなく。また同じ酷い裏切りを受けたというのに、彼は全てを許し、そんな部分も含めてあの子を愛したのだ」
「…ええ」
「…私はあの子の優しさに深く感じ入り、そして尊敬すらした」
「…ええ、私もよ」
「だから、あの子に祝福を与えた。望む姿に変えてやった」
「…そうね、良いと思うわ」
「…なあ、お前。…もう幾千幾万、数えきれないくらいにこの言葉を言ったが、今一度言わせてくれ」
「…本当に、本当に済まなかった。…あの時私がしてしまった事は、最低の行為だった」
「……」
「…お前?」
「…いいわ」
「…えっ」
「私も、あの子を見ていて感じ入ったわ。…人は、あれ程に酷い裏切りを受けて尚、あんなにも優しくあれるのかと」
「…だから、私も。あの子を見習って少しは譲歩してあげようかと思うの」
「…やっぱりまだまだ腹立たしいけれど。…とりあえず、許してあげる」
「…お前」
「…ふふ。正直ね、もう何千何万年と怒り呪い続けて、少し疲れていたの」
「だからもう、この国の子達を呪うのも、止めにしてあげる」
「…ありがとう、お前。愛しているよ」
「…ふふ、私もよ。愛しているわ、貴方」
「…あのさ、病葉」
「ん、どうしたの面影?」
「…なんか最近さ、アレな殺人鬼の出没量異常に減ってない?」
「うん、そんな気がする。昨日のアレ殺人鬼の犠牲者数まさかの0人だったし。この地域じゃちょっと考えられない数字だよね」
「…うん、だよね」
「…んでしかも、俺がお世話になってた施設の人に聞いたんだけど、ここ最近アレな子供もほとんど産まれなくなったらしいし、生まれたとしてもアレ技術で速攻完治する程度だし」
「だね、僕も研究機関の人からそう聞いた」
「…なんかこの国さ、ずいぶんアレじゃ無くなってきてない?」
「うん、僕もそう思う」
「…これって、あの夫婦がひょっとしたら仲直りしたとかかな」
「うん、そうかもね」
「それってさ、ひょっとしたらあいつのおかげかな」
「そうだね、僕もそうだと思うよ」
「…あいつ、本当に英雄だね」
「うん、そうだね。そうは言われたくないだろうけど、間違いなくこの国一番の英雄だね」
「…ひょっとしたらこの国さ、そのうち世界でもトップクラスに安全な国になるんじゃね?」
「うん、きっといつかはそうなると思うよ。楽しみだね」
「そうしたらさ、世界中自由に旅行行けるようになるだろうし、海外全国ツアーとかしようね!」
「そうだね、楽しみ!」
「…お前」
「…あら、貴方」
「…お前も、見ていたろう。あの子の決断を」
「…ええ、見ていたわ。全て」
「…私は、彼に教えられたよ。…人は、一人の人をあれ程に深く愛せるのだという事を」
「…そうね」
「何十年もの間酷い裏切りを受け、全てを改竄させられ己は幸福なのだと思い込まされていただけでなく。また同じ酷い裏切りを受けたというのに、彼は全てを許し、そんな部分も含めてあの子を愛したのだ」
「…ええ」
「…私はあの子の優しさに深く感じ入り、そして尊敬すらした」
「…ええ、私もよ」
「だから、あの子に祝福を与えた。望む姿に変えてやった」
「…そうね、良いと思うわ」
「…なあ、お前。…もう幾千幾万、数えきれないくらいにこの言葉を言ったが、今一度言わせてくれ」
「…本当に、本当に済まなかった。…あの時私がしてしまった事は、最低の行為だった」
「……」
「…お前?」
「…いいわ」
「…えっ」
「私も、あの子を見ていて感じ入ったわ。…人は、あれ程に酷い裏切りを受けて尚、あんなにも優しくあれるのかと」
「…だから、私も。あの子を見習って少しは譲歩してあげようかと思うの」
「…やっぱりまだまだ腹立たしいけれど。…とりあえず、許してあげる」
「…お前」
「…ふふ。正直ね、もう何千何万年と怒り呪い続けて、少し疲れていたの」
「だからもう、この国の子達を呪うのも、止めにしてあげる」
「…ありがとう、お前。愛しているよ」
「…ふふ、私もよ。愛しているわ、貴方」
「…あのさ、病葉」
「ん、どうしたの面影?」
「…なんか最近さ、アレな殺人鬼の出没量異常に減ってない?」
「うん、そんな気がする。昨日のアレ殺人鬼の犠牲者数まさかの0人だったし。この地域じゃちょっと考えられない数字だよね」
「…うん、だよね」
「…んでしかも、俺がお世話になってた施設の人に聞いたんだけど、ここ最近アレな子供もほとんど産まれなくなったらしいし、生まれたとしてもアレ技術で速攻完治する程度だし」
「だね、僕も研究機関の人からそう聞いた」
「…なんかこの国さ、ずいぶんアレじゃ無くなってきてない?」
「うん、僕もそう思う」
「…これって、あの夫婦がひょっとしたら仲直りしたとかかな」
「うん、そうかもね」
「それってさ、ひょっとしたらあいつのおかげかな」
「そうだね、僕もそうだと思うよ」
「…あいつ、本当に英雄だね」
「うん、そうだね。そうは言われたくないだろうけど、間違いなくこの国一番の英雄だね」
「…ひょっとしたらこの国さ、そのうち世界でもトップクラスに安全な国になるんじゃね?」
「うん、きっといつかはそうなると思うよ。楽しみだね」
「そうしたらさ、世界中自由に旅行行けるようになるだろうし、海外全国ツアーとかしようね!」
「そうだね、楽しみ!」
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