はーとふるクインテット

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第四章 驚天動地のアレ事件

番外編 シロとクロのお世話をしていた巫女と神官

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「あーお腹空いたー。おいクソ巫女、さっさと超豪華で美味しいご飯大盛で持って来いよ。ピザとか出したらぶっ狂わせるからな」
「…はい、シロ様。すぐにお持ちいたします」


クソ巫女が出て行った後。

「…シロ、お世話してくれる巫女さんにそういう事言ったら駄目だよ」
「えー?僕この国救った英雄の神だしこんぐらいの言動当然じゃーん。クロ本当謙虚だよね」
「…うん、本当は神様扱いしないで欲しいし」
「まあお前含め他の奴等も皆そう言ってるけどさー。クソな神多発してるアレな国とはいえ神様扱いとか超レアなんだからありがたく受け入れりゃ良いじゃん」

「…これは、受け入れられない。受け入れちゃったら、何か終わってしまう気がするから」
「えー?だからこの国の時点でもう終わりに終わってるし今更じゃん」
「…そうだけど、やっぱり僕は人でいたいから」
「んー、まあクロ過去がアレだったから特にそうかもね。あー何でもない今のは失言。忘れて」
「…うん。気になるけど、忘れる」


そして少し後、クソ巫女が料理のたくさん盛られた膳を持ってやって来た。

「…お待たせいたしました、シロ様。刺身の盛り合わせにすき焼きに香の物でございます。どれからお召し上がりになられますか」
「んー、じゃあブリから食わせろクソ巫女」
「…はい、かしこまりました。クロ様も、お召し上がりになられますか」
「…いえ、僕はまだお腹空いてないので、大丈夫です」
「かしこまりました。ではシロ様、どうぞ」

そして僕は美味しいご飯を完食し、クソ巫女は去って行った。

「あー美味しかったお腹いっぱい。クロも食べればよかったのに」
「…うん、今はお腹空いてないし、何か巫女さんに悪いから」
「だからー、僕達超特権階級の神なんだからそんな気遣いなんていらないっての。僕とクロ以外みんなクソで良いじゃん」
「…そういう事、言わないで欲しいな」



私はシロ様とクロ様の部屋から下がり、神官様が祈りを捧げる部屋に戻った。

「…戻りました、神官様」
「ああ、ご苦労だったね」

「…神官様。絶対に、あの方々の前や外では言えることではありませんが。どうかご内密に願います」
「…ああ、分かったよ」


「…私は、あの方が好きにはなれません」
「…良く分かるよ。絶対に表では言えないが、それは私もだ」
「…そうでしたか」

「…当然現人神の英雄を悪し様になど表立っては言えないが、彼の所業を知っている者はおそらく皆そう思っているよ。…別の所にいらっしゃる、あの方々もきっとね」

「…ええ、そうでしょうね」

「ああ、天上にいらっしゃる本当の神様方も、きっとそう思っているに違いないよ」

「…そうかもしれませんね」


「…だから、これも絶対に表では言えないが。…私はずっと願っているんだ。あの方に、天罰が下る日をね」
「…はい、私もです」
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