はーとふるクインテット

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第四章 驚天動地のアレ事件

番外編 元捕虜の子孫達の話

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「あー、お仕事入った」
「あー強盗?それともオレオレ詐欺?」
「ん、敵対組織の事務所のタタキ」

「おっけー、じゃあバールのような物持って行こうかな」
「私はスタンガンと強力催涙スプレーかなー」


数時間後。

「いやー多少ボコられたけど割と楽勝だったねー」
「うん、私達結構強いもんね。まあ本職の仕事人とかには敵わないけどさ」
「あーだよね。さすがにガチな人達相手だと分が悪いよね」

「んで先輩にも報告して褒められたし、結構良いお仕事代もらえるよね」
「嬉しいなー。貧乏だったころは大概廃棄弁当ばっか漁って食べてたし」
「うん、私達アレな生まれだし仕方ないよね」

「だねー。ご先祖様例の大戦の捕虜で、帰れないまま仕方なく住み着いた一家だしね」
「うん、アレな国とはいえ人権はあるから最低限の生活は保障されたけど、やっぱ相当差別されるしろくな仕事出来ないしねー」
「まあ、元捕虜だしそんなもんだろうね」

「私のご先祖様の祖国、特にこの国と闘りあってたからね」
「あー可哀想な男の子最強の生体兵器に仕立て上げて、激戦を繰り広げたんだっけ」

「うん、かなり善戦したみたいだけど、やっぱあの部隊にはかなわなかったらしいけどね」
「だよね、人の心狂わせられちゃ太刀打ちできないよね」

「やっぱ最強兵器のその子も洗脳されてたりでメンタル相当強くて、かなり耐えたみたいだけどね。アレ誤爆させられるくらいの洗脳じゃどうしようも無かったみたい」
「うんうん、アレ誤爆させられるくらいじゃどうしようも無いよね」


「そういえば、君の祖国がアレ誤爆されたんだっけ」
「あーうん。しかもよりにもよって首脳陣が集まるような中枢都市に」
「うっわー、戦争とはいええげつないね」
「うん。もうそれされた瞬間にこれは無理だわと思って、即刻降伏決定したみたい」
「だよね。そんなヤバい国敵に回したくないよね」

「でさー、私のご先祖様。かなり遠縁だけど例のアレ誤爆した操縦士の血縁者なんだよね」
「うっわー。そりゃ帰れないよね」
「うん、一応帰国も出来たみたいだけど絶対世間からフルボッコにされるだろうし命も狙われるだろうし、それよりはと思ってこの国に残ったみたい」
「だよねー。狂わされたとはいえそんな事やらかしちゃ居場所無いよね」

「うん、やっぱあっちの国に居たその人の血縁者、もう相当叩かれまくって最底辺の生活しか出来なかったみたいだし、今もそんな感じらしいし」
「まあ大戦犯の家族だし、そうなっちゃうだろうね」
「うん、石投げられたりひどい事言われたり、物売ってくれない店も結構あったらしくて明るいうちは外歩けなかったらしいしさ」
「あー、お気の毒に」
「だから詳しくは知らないけど、向こうの人達もたぶん私と似たような感じだと思う。今後とも当分そんな調子だろうね」
「だよねー。気の毒だけどどうしようも無いよね」


「まあでもアレ過ぎる世界で底辺な闇生活だけどさ。何だかんだで私今の暮らし嫌いじゃ無いんだよね」
「うん、私もアレなりに楽しんでる。何事も気の持ちようだよね」
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