はーとふるクインテット

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第三章 アレな波乱の幕開け

番外編 殺人許可を出すアレな役所の人

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「さてさて、今日も仕事頑張るかね」

「ん、まずはっと。えーっと化け狸におばあさんをぶっ殺されてアレなババア汁にされて、ああババア呼びは失礼か。知らずに飲まされてひどい目にあったおじいさんを救いたいので化け狸をぶっ殺したい妖怪ウサギさんか。よしよし殺っておいで。ほい許可っと」

「あー、この国太古からアレだし妖怪とか出まくるからそういう人達にも市民権ありますもんね」
「うん、化けられる子達は基本人間扱いだし。やっぱそういう存在だからアレ気味な奴多いけどね」
「ですねー。定期的に各地で百鬼夜行起きますし」


「で、お次はっと。うんうん、アレな呪術師に呪い殺されたお父さんの仇を打ちたいから同じ正義感のある呪術師の子雇って、呪い殺し返してやりたい良家のお嬢さんね。はーい許可許可」
「頑張って欲しいですねー」


「で、えーっと次は。うん、大事なペットぶっ殺されて、アレ気味だけど良い子な友人にゾンビ犬として復活させてもらったけどやっぱ許せないからその子達に手伝って貰って自分の手でぶっ殺したいJCね。良いよー。はいスタンプペタリっと」
「動物虐待もこの国重罪ですからね」
「まあ、妖怪に市民権あるし動物も大切な家族として認められてるからね」


「でー、次はっと。ん。昔から性格最悪の天然でアホな癖に何不自由なく生活してて正直クソダサセンスで大して顔も良くないのに見合い婚で良い相手とくっついて、そいつの継いだ企業結構ブラックだし本気でムカつくから殺してやりたいのでお願いします、か」

「うーん、それは悪いけど許可出せないなあ。まあ嫉妬しちゃう気持ちも分からなくは無いけどねえ」
「まあそんな奴いたらムカつくのは分かるけど、流石に殺すのはまずいですねー」

「うん、私もやっぱりそれなりに生きてるし、本気で殺してやりたいけどそこまでの罪は犯してない奴とかいたし」
「あー、僕も数名いますね。クソな先輩とかバイト時代のクソ上司とか」


「まあどんな恵まれた人生でも、生きてればどうしたってそういう事はあるよね。でもこの国アレだしアレな神様もたまにはいるけど、やっぱり神様も最後は分かってくれると思うし、いつかは天罰下るでしょう」
「ですよね。そのクソ先輩もやっぱそのうち自爆したし、クソ上司も職場クビになってかなり地獄見てるらしいし」


「そういう訳で可哀想だけどこれは却下っと。さてお次は。…んん」

「ん、どうしました部長」


「…うーん。つい最近登校中にアレな殺人鬼に両耳ぶった切られた可哀想な高校上がりたての男の娘か。気の毒に」
「あー、それは本当に可哀想ですね」

「…うん、倒れた時にアレな事もされかけたけど、叫んで交通人が来てどうにかそれは回避できたんだね」
「それはまだ良かった。で、こいつどうしましょう」

「…可哀想なんだがアレは未遂だし、両耳くらいだと殺人許可は出せないなあ。まあでも何も無しじゃあんまりだし、同じくらいの仕置きは許可してあげよう」
「ですよね。このままじゃ可哀想過ぎますもんね」

「で、まあおまけで片目ぶっ潰しくらいは許可してあげよう」
「ですね、そのくらいは色付けてあげて良いですよね。アレな事した奴らは基本欠損しても義肢や臓器付けられないし、許可されても相当残念品質の物ですし」

「まあ、治っちゃ意味がないから当然だよね。…で、当然大きい声じゃ言えないけど相当な事やらかした奴は、一見じゃそうと分からない形なら暗殺やそれ相応の処置も黙認されてるしね」

「ですよね。実際呪えたり、例の彼等みたいに狂わせられる人とかいますし」


「よし、とりあえず急ぎの件はこんな物かな。まあこういうアレな国だしどんどん新規案件来るだろうけど」
「ですねー。まあでも数十年前よりはまだ多少は落ち着きましたけどね」

「…うん、たぶん例の彼の件からだろうね」
「…ええ、彼女もアレはあんまり過ぎると思って、ちょっと怒りも薄れたんでしょうね」


「…彼も、どうにかして救ってあげたいんだがね」

「あーでも、ある研究機関とか、例の天才少年とかが秘密裏にあの子の能力封印してとっちめる術式開発してるそうじゃないですか」
「うん、そうらしいね。もちろんはっきりとは言わないけどたぶんそういう事だよね」

「術式完成したら、すぐ許可出してあげたいですよね。まああの子も相当なアレとは言えかなりの功績上げてますし、そんなに本気の乱暴は出来ないでしょうけど」
「そうだね、やっぱり腐っても英雄だしね。でも完全祟り神扱いで神社や政府の上層部も正直相当手を焼いてるし、まあ数十年封印程度なら許されるだろうね」

「ええ、神様方も絶対あの子大嫌いでしょうし、そのくらいは許して貰えますよね」


「そうだね。神様方も笑って許して下さるだろう。ああ、そろそろ昼休憩だね。食堂へ行こうか」
「ええ、行きましょう。ここの食堂のおばちゃん、あの学園の調理師の人のお姉さんでやっぱりアレだけどお料理とても上手ですしね」
「まあ、アレな人の家族はやっぱアレだよね」

「でも当然モラルはありますし、ここではちゃんとした食事提供してくれますもんね。僕、あそこのカレーやカツ丼大好きです」
「ああ、私もあそこのカツ丼は初めて食べた時感動したよ。昔彼女のご主人が底辺生活を送っていた時に奢ってくれた心優しいお店の味を再現したらしいね」

「そこのお店の方、良い人ですね」
「うん、こんなアレな国でも、やっぱり捨てたもんじゃないよね」
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