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第三章 アレな波乱の幕開け
番外編 カズサがみなと出会った頃
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俺は物心ついて少しした頃から、強烈な破滅衝動に時折襲われるようになった。
異常に気付いた両親がすぐに病院に連れて行ってくれたが、アレな国でもかなり珍しい症例と言う事でなかなか有効な対処法は見つからず、発作が起きるたびに強い頓服薬を飲んでどうにか凌いでいた。
本来は絶対に死のうなんて思わないしやりたくもないのだが、衝動に襲われていると薬を飲んでも抑えきれない事があり、時折切ったり吊ろうとしてしまう事があった。
家族も事態の重さに気付いてからは刃物などをなるべく俺の手に届かない所に置いたり施錠したり、ロープ等も結び付けにくいようになるべく家を改装してくれたが、それでもやはり限界はあった。
貧乏では無いが取り立てて裕福な家庭でも無いので、完全な改装や長期の入院は難しかった。
何度も医師に相談していると、かなり倫理的にはアレだが、強烈な洗脳や催眠のような方法でなんとか抑える事は出来るかもしれないと打診されたが、親もかなり悩んだがやはりそれでは俺が俺でなくなってしまうのではないか、と断った。
ある程度の年齢になってからそれを伝えられた時、俺もそう思った。
悲しいし辛いが、これは俺の個性のようなものだと思って、どうにか流すようにした。
こんなアレな国だし俺なんかよりもっと可哀想な子達でも頑張って生活しているのだし、俺は五体満足なだけまだ幸せだと思っていた。
そんなある時、小学生の終わりくらいの頃、あるSNSでアイコンは未設定だがたぶん俺と同じくらいの男の子のTLを見かけ、年齢の割に大人びた内容に興味を持ちフレンド申請し会話を交わすようになった。
彼のHNはminaといった。
彼とある程度やり取りを交わし親しくなった頃、俺は自分の症状を打ち明けた。
彼はとても同情し、俺の事を慰めてくれた。
詳しくは言いたくないのか話してくれないが、彼もそこそこの病に長い間悩まされているようだった。
それから俺達は更に親しくなり、ある時本当に彼が重い病状だというのを知り、お見舞いに行きたい事を伝えた、
minaは初めはひどい状態の自分を見られなくないと断ったが、どんな状態でも良いからきちんと会って話がしたいと何度も伝えたら、最後には居場所を教えてくれた。
次の休みの時、さっそくその少し人里離れた研究施設へ行き、彼と出会った。
そこから俺達の物語は本当に始まった。
異常に気付いた両親がすぐに病院に連れて行ってくれたが、アレな国でもかなり珍しい症例と言う事でなかなか有効な対処法は見つからず、発作が起きるたびに強い頓服薬を飲んでどうにか凌いでいた。
本来は絶対に死のうなんて思わないしやりたくもないのだが、衝動に襲われていると薬を飲んでも抑えきれない事があり、時折切ったり吊ろうとしてしまう事があった。
家族も事態の重さに気付いてからは刃物などをなるべく俺の手に届かない所に置いたり施錠したり、ロープ等も結び付けにくいようになるべく家を改装してくれたが、それでもやはり限界はあった。
貧乏では無いが取り立てて裕福な家庭でも無いので、完全な改装や長期の入院は難しかった。
何度も医師に相談していると、かなり倫理的にはアレだが、強烈な洗脳や催眠のような方法でなんとか抑える事は出来るかもしれないと打診されたが、親もかなり悩んだがやはりそれでは俺が俺でなくなってしまうのではないか、と断った。
ある程度の年齢になってからそれを伝えられた時、俺もそう思った。
悲しいし辛いが、これは俺の個性のようなものだと思って、どうにか流すようにした。
こんなアレな国だし俺なんかよりもっと可哀想な子達でも頑張って生活しているのだし、俺は五体満足なだけまだ幸せだと思っていた。
そんなある時、小学生の終わりくらいの頃、あるSNSでアイコンは未設定だがたぶん俺と同じくらいの男の子のTLを見かけ、年齢の割に大人びた内容に興味を持ちフレンド申請し会話を交わすようになった。
彼のHNはminaといった。
彼とある程度やり取りを交わし親しくなった頃、俺は自分の症状を打ち明けた。
彼はとても同情し、俺の事を慰めてくれた。
詳しくは言いたくないのか話してくれないが、彼もそこそこの病に長い間悩まされているようだった。
それから俺達は更に親しくなり、ある時本当に彼が重い病状だというのを知り、お見舞いに行きたい事を伝えた、
minaは初めはひどい状態の自分を見られなくないと断ったが、どんな状態でも良いからきちんと会って話がしたいと何度も伝えたら、最後には居場所を教えてくれた。
次の休みの時、さっそくその少し人里離れた研究施設へ行き、彼と出会った。
そこから俺達の物語は本当に始まった。
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